「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

プレデター2012 のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2010
販売 アメイジングD.C.

『元ネタ+数字』という良くあるパターンのやつです。ちなみに原題はARCTIC PREDATOR.

なんや、原題にもプレデターって入っとるやんけ! なら詐欺タイトルじゃないな!(錯乱)

プレデターと言われて見始めたせいかは分かりませんが、氷の地が舞台だったり地下に穴開けたりと、エイリアンVSプレデターを彷彿とさせる何かがあるような気がしないでもない。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

変幻自在に姿を変えるアイス・プレデターと全人類の運命を背負った北極探検隊との闘いを描くSFアクション。カナダ北東のサマーセット島で沈没船探索をする探険家のロスたち。水中探索用ロボットが捉えた巨大物体の発掘調査に乗り出した彼らだったが…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………
モンスターの質…
キャラクター……
設定………………

総合………………
おすすめ度………

【良い点】
・設定が割と良く出来ていた

【悪い点】
・各所にちょこちょことした不満点が残る

出来自体は悪くないしつまらなくはないのですが、これと言って推す点もないという何とも困った映画です。唯一、怪物をはじめとする設定はなかなか良く出来ているのですが、やはりそれだけではパンチ力感は否めず。取りあえず、予算をもう少し……。

【以下、ネタバレ注意!】

実は、予算が足らんのです(周知の事実)」

この手の低予算映画を見るといつも思うのですが、モンスターの出来がCG丸出しなのは全く問題ないとしても、さすがに重機や銃弾や爆発がCG丸出しだと悲しい気分になりますね。

まあこの辺りにはいつも通り目をつぶって、早速映画本編のレビューに入って行きましょう。ただ今作ですが、正直言って良い点も悪い点もこれと言ってないというスーパー凡作なので非常に扱いに困るのですけれど……。

とりあえず、なんとか良いと言えそうな点から行きます。

今作の良い点は、設定が割と良く出来ているということです。

今作に登場するモンスターは、設定自体は割と作りこまれています。私の記憶が確かならば、木星から来た無機物生命体的なポジションだったと思うのですが、この怪物は無意識にを求めて行動し、固体、気体、液体のいずれの形態も取ることが出来て、かつ学習することも可能という強敵設定。

特に、熱を求めて行動するという行動原理がしっかりと提示され、氷漬けにすることで活動停止に追い込めるという伏線をしっかりと張ることにより、対策や迎撃法もそれなりに納得が行くものとなっています。ただ訳もなく人間を襲い、氷漬けにしたら都合よく倒せた、という展開にさせないで、この辺りをしっかりと作りこんでいるのはかなり好印象でした。

続いて悪い点ですが……強いて言えば、各所に不満が残る、ということでしょうか。

先に述べたようにこの映画、致命的に悪いといえる点はこれと言ってないのですが、ストーリー、キャラクター、モンスターのどれを取ってみても、あと一歩物足りない感じがしてしまうのです。

例えばモンスターは、先ほど言ったように設定自体は良く出来ています。しかし、映画の大半は固体の形態でのバトルとなる上に、序盤から終盤までずっとこの一体しか出てこないので変わり映えせず、さすがに飽きて来てしまいます

そもそも、一種類のモンスターだけで90分の間を持たせるというのは尋常でなく難しいことだと思うのです。そりゃあ最初の数十分は良いですが、さすがに一時間もすれば見ている側は完全に見慣れてしまうわけですから。

ですから本来、この手の「一種類のモンスターしか出さない」映画では、ザ・グリードや本家プレデターのようにモンスターの情報を小出しにし、徐々にその全貌が明らかになって行く見せ方をするなど、何かしらの工夫が必要だと思うんです。

しかし今作は開始数分でモンスターの全貌が明らかになってから、その後も全く変わり映えしない映像が続きます。これはいけません。せっかくモンスターが様々な形態をとることができるという設定にしたのなら、最初はずっと液状で通して、中盤くらいに固体の姿を見せる……というような工夫が欲しかったです。

これに加え、ストーリーは伏線回収やテンポがそこそこ良かったなどの良さがある一方で、これといった意外性もなくどこか淡々と進んでゆき最後まで盛り上がりに欠けますし、キャラクターは無駄に人数ばかり多くて個性が出ていなかったという印象。

総評ですが、酷評するような悪い点はない一方で良いと言える点も少なく、面白い設定も上手く使い切れていないという何とも残念な映画でした。クソ映画ではないのですが、かといってわざわざ見るほどの価値があるかというと……。

モンスターの行動原理がしっかりとしており、撃退法にもそれなりの説得力があるというのは、低予算映画なりにかなりきちんと出来ていたのですが、それ以前にモンスターを魅せる手法に失敗してしまっているというのがなんとも惜かったです。

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