「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ジョーカーゲーム 脱出(エスケープ) のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 日本
製作 2013
販売 竹書房

以前に見たジョーカーゲーム の続編です。

目を覆いたくなるほどのガバさを誇った前作から、今作はどのような進化を果たしたのか。また、今回もアイドルグループの方が主演されています。なお、原作があるようなのですが、そちらは見ておりません。あくまでもそういった視点からのレビューとなります。

レンタル版を視聴しました。予告編とAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

” パート1では明らかにされていなかった「矯正施設」。本当の恐怖のゲームは、ここから始まる。日本児童の学力低下を食い止める法案「義務教育延長法」によって、生徒それぞれが命を掛けて行った『ババヌキ』。その死のゲームに敗北を喫した7名の少女たちが「矯正施設」に送られた。そこで待ち受けていたのは、新たな試練、『死の脱出ゲーム』。ジョーカーが仕掛けた数々のトラップをクリアして、彼女たちは悪夢ような死の連鎖から逃れる事は出来るのか?(C)2013「ジョーカーゲーム2」製作委員会(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……
キャラクター…
設定……………

総合……………C+
おすすめ度……

【良い点】
・キャラが割と魅力的
・話のテンポが良い

【悪い点】
・相変わらずのガバ設定
・話を詰め込みすぎ

前作に比べると、話の内容自体は面白くなっていると思います。ただし、話が前作と繋がっているので、これを見るためには前作を見なければならないというジレンマが。また相変わらず設定はガバガバですのでご注意を。

【以下、ネタバレ注意!】

 「ババ抜きで決めろってことよ」(超速理解)

前作はガチで運勝負のババ抜きをしているだけという恐ろしい映画だったので、今作もあまり期待せずに見たのですが、これがなかなか面白かったので満足。なお、今回も主演はアイドルグループの方です。仕方ないね

また以下のレビューを読む際には、先に前作を視聴するか、前作のレビューを読んでいただだくことをおススメします。若干話が繋がっていますので。

では早速、今作の良い点悪い点を見てゆきましょう。まずは悪い点から。

今作の悪い点は、相変わらず設定がガバッているということと、若干内容を詰め込み過ぎている感があるということです。

まずは設定について。前作もそうでしたが、相変わらずこの映画は設定がガバガバですね。今作ではいよいよ、〝矯正施設〟が舞台として登場するのですが、前作のババ抜きにしても今作の脱出ゲームにしても、学力低下を食い止め、コミュニケーション能力を向上させるための策としては的外れも良いところではという疑念が拭えません。運ゲーのババ抜きに勝つことや死のトラップ満載の脱出ゲームをクリアすることと、学力、コミュ力向上に何の因果関係があるのか説明していただきたい。

また、ゲーム設定にも不満点が。今作のゲームはSAW2的な感じで「身体に毒入れといたから、制限時間内に密室から解毒剤探してね」というものなのですが、チームは7人であるのに対し、用意された解毒剤はなんと2本だけ。もちろん何で7本用意してないかの説明はなし。ナンダッソラ

この他にも、超強引にババ抜きする展開をぶち込んできたことや、わざわざ主催者側が裏切り者を用意した意味が分からないこと、矯正施設とか言いながら全く矯正させる気がないところなど、設定上の不満点はちらほら。細かく見て行けば、かなり粗がありそうですが、言い出すときりがないのでこの辺りにしておきます。

続いて内容について。後述しますが、今作は実にスピーディーな展開が続き、ダラダラした会話も少なく謎解き多めで、基本的には最後まで飽きずに見ることができるのですが、この謎解き部分について少々問題が。それは、内容を詰め込み過ぎたのか、一つ一つの謎解きが若干味気ないのです。

謎解きが多いのは実によろしいことですが、謎と謎を絡ませたり先述の裏切り者を出したりと、話を複雑にさせようとしすぎて逆にごちゃごちゃしている部分が見受けられます。その割には謎はあっさりと解かれるし、裏切り者は存在理由がはっきりしないなど、説明不足な点も出てきてしまっていました。ただ、話の流れ自体はシンプルで分かりやすかったです。

ではいよいよ、以下には良い点を。今作の良い点は、話のテンポが良いということと、キャラクターがなかなか魅力的ということです。

まずはテンポについて。今作、展開や設定には多少強引な部分や穴もありますが、話のテンポ自体はかなり良いですね。前作と違い謎解きも多彩で、特にゲーム開始~部屋移動前まではかなり良い感じでした。部屋移動後は多少展開の粗が目立ちますが、それでも最後まで駆け抜けるには充分なテンポの良さです。

先述の通り、内容自体にも粗はありますが、それを凌ぐほどの勢いがありました。強引だと思えた展開も後々しっかりとフォローが入っていて(フォローしきれていませんでしたが)好印象です。飽きずに見られたのではないでしょうか。

次にキャラクターについて。前作は話の都合上、ゲームに参加するキャラクターが(モブ含め)1クラス分おり、どうしても一人一人のキャラ付けが薄くなってしまっていましたが、今作はゲーム参加キャラを7人まで絞り込んだことで、なかなかキャラが立っていたように思います。特に今作は、無能キャラばかりだった前作とは違い、クッソ有能な姉貴もいらっしゃるので、見ていて気持ちがいいですね。
死にましたけど(ショック大)

ただし、これには問題点も。キャラの性格自体は割と分かりやすくて良いのですが、それぞれ過去の描写、特に矯正施設に入れられるまでのことが全然描かれていないのは惜しいポイントでした。全員とはいかずとも、主要キャラくらいはさらっと話の中で流すのではなく、少し時間取って描いてくれたらな、と個人的には思いました。特に裏切り者のねーちゃんは金網破った話だとか前作で言われてただけに、そのあたりのことも少し見たかったですね。

総評ですが、スピード感やゲーム内容の面白さ、キャラの魅力等、諸々の要素は前作以上である反面、しっかりとガバッた設定だけは受け継いだ映画です。ゲーム内容的にも前作とかなり毛色が違い、キャラ同士の掛け合いは微妙になっているので、前作が好きだったという方は受け入れ難いかもしれません。

またこの手の映画のお約束ですが、結局生き残るのは主演アイドルの二人組だけというのがなんとも先を読みやすくていかんです。作中で「生き残るのは二人だけ」と言われていただけになおさら。まあ、私は顔を認識する能力に乏しい&アイドルには興味がなく、誰が主演のアイドルなのか全く分からずに見ており、てっきり色違い有能ネキが主人公だと思ってたのでそれなりに衝撃展開がありましたが……。

いっそこの手の映画は、主要人物を全員、人気が同じくらいのアイドルで固めてみてはどうか。そうすれば誰が死ぬのか読めませんので。まあ、途中退場したアイドルのファンからの苦情は凄そうですが。

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