国籍 アメリカ
製作 2009
販売 ミッドシップ
ここまでド直球のパクリタイトルだといっそ清々しいですね。元ネタを複数形にしただけという。ちなみに原題はGHOST TOWN. まあ、ゴーストですし馬にも乗りますし、タイトル詐欺ではないです。パクリですけど。悪いのは配給会社ということで。
製作会社はユニバーサルですが、内容はガッツリ低予算なB級映画ですのでご安心を。それとこの映画の監督、以前に見たザ・スネークと同じ方です。
レンタル版を吹き替えで視聴しました。予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
不気味な町に足を踏み入れた若者たちと謎の“カウボーイ軍団”との命懸けの闘いを描くアクションホラー。合宿を終え帰宅の途についた若者たちは、カーナビの誤作動により不気味な町に迷い込んでしまう。以来、コーチをはじめ仲間たちが次々と変死し…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー………C
ゴーストの質……B
キャラクター……C
設定………………C
総合………………C-
おすすめ度………C
【良い点】
・戦闘シーンやCGなどのクオリティはなかなか良い
【悪い点】
・面白い設定はあるのに、それを活かせていない
・パンチ力が足りない
個人的にザ・スネークがドハマリするほど面白かったので今回もウッキウキで借りてきたのですが、こちらはあまり……。
全体的にどの要素をとっても悪くはないのですが、何とも物足りない感じです。
【以下、ネタバレ注意!】
616の合計が13だとか2213の合計が8っていうのは、フィボナッチ数列じゃなくてただの足し算じゃないのかと思った(文系並みの感想)
西部開拓時代に滅ぼされた廃墟に足を踏み入れた主人公たちが、カウボーイの亡霊に襲われて殺されていくというお話です。正直、カウボーイの亡霊が強すぎるのが一番よろしくない点ではないのか。というかこの舞台セット、ザ・スネークまんまなのでは。
さて、では早速詳細なレビューに入って行きます。まずは良い点からいきましょう。
この映画の良い点は、ゴーストをはじめとしたCGのクオリティが安定して高いと言うことです。
今作の敵役となるカウボーイのゴーストですが、急に現れて銃をぶっ放したり投げ縄をブルンブルンしたり、時に骸骨顔を丸出しにしたりポルターガイストを起こしてみたりなど、なかなか好き勝手暴れてくれる上に殺し方も多彩で見ていて楽しいです。
何より登場人物がいっぱいいる割にはほとんど死ぬので、話の合間合間に襲撃や殺人が起きるのがいい感じです。これのおかげで話がダレないというのはいいですね。CGの出来も結構高く、殺害シーンや戦闘シーンなどは安心して見られるでしょう。
以上、良い点でした。以下には悪い点を。
今作の悪い点は、なんとも設定を活かし切れていないことと、全体的に印象に残る部分が少ないということです。
まずは設定について。今作ですが、設定自体はなかなか良く出来ていると思います。カウボーイのゴーストにはその時代の武器しか効かないというのはかなり良かったですし、ゴーストの出来る事にも限界があることだとか、この町には13年毎の13日の金曜日に誰かが迷い込むようになっているだとか、見ていて「ほぉ~」となるものもそこそこ。
ただし、どの設定についても上手いこと活かせていないのが凄く惜しいんです。例えばゴーストには当時の武器しか効かないわけですが、正直言って当時の武器も効いていません。ライフルを撃っても身体に穴が開くだけでバリバリ反撃してきますし、足止めにすらならないのです。つまり人間側に対抗手段がなさ過ぎて、ただただ虐殺される一方。
また13の数字についても、13年周期でこの出来事が起きていると分かっただけで、それ以上は何もありません。一応、616を足したら13というのが重要な物の在り処を指し示すワードにはなっていましたが、結構な時間を割いたわりにはこれかと、肩透かしを喰らってしまいました。
また、イマイチ印象に残らないと言うことについて。この映画は話のテンポもそこそこ良いですし、ストーリー自体もやることがシンプルで分かりやすく設定も結構細かいなど、見てゆくとそれなりに良く出来ているという印象を受けるのですが、そのどれもこれも中途半端な出来で特質すべき部分がないのです。
戦闘シーンの出来はまあ良しとしても、結局一方的な虐殺を見せつけられるだけで後半はだんだん飽きてきますし、話のテンポは悪くないのですが結局逃げて襲われての繰り返し。設定は細かく作った割には活かし切れておらず、キャラクターも多いだけで魅力があまりない、などなど。
結局のところ、いろいろな部分が痒いところに手が届いていない印象で、各所がちゃんとできている割には見ていても「なんだかなぁ」という感じがしました。
とまあいろいろと書きましたが、とにかくゴーストが強すぎるんですよ。人間側が彼らに唯一対抗できる手段は「十字架のオブジェを有るべき場所に建てる」ことだけで、それを成し遂げる最後の最後まで彼らはやられっぱなし。当時の武器を使っても爆殺を試みても、ゴーストを一体も処分することができません。
そのくせゴーストたちはかなり気まぐれなのか、主人子たちをホイホイ見逃してくれるので、主人公たちが頑張ったというよりはゴーストたちが舐めプしてたら負けたというようにしか見えませんでした。これではお話が盛り上がるはずもなく。
総評ですが、結構良く出来ている割には微妙と言わざるを得ない不思議な映画でした。一応最後まで飽きずには見られましたし、全編通して面白くなくはなかったのですが、なんででしょう?(疑問) やっぱり物足りなかったんでしょうか。
取りあえず、主人公たちが生き残るためにいろいろやってはくれるのですが、いかんせんゴーストが強すぎていけません。当時の武器は効くという設定にしたのなら、ゴーストとの戦闘で2、3体は仕留めて欲しかったです。いっそボス以外は全員主人公たちが倒して、最後の十字架ぶっさす部分だけはボスに襲われながら……みたいな展開の方が面白かったかなぁ、と素人ながらに思いました。ホラー要素を全面に押し出していくのなら別として。