「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

THE LOOP ザ・ループ ~永遠の夏休み~ のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2012
販売 アメイジングD.C.

今回はこちら、見ての通りループもののサスペンス(?)映画です。

とりあえず邦題が悪い。配給会社は反省してください。何が悪いのかは後述します。ちなみに原題はMINE GAMES

レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えはないです。まずは予告編&Amazonせんせいのあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

” まるで異次元にでも堕ちたかのような悪夢が永遠にループするソリッド・シチュエーション・スリラー!2013 © Mine Games LLC(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……
キャラクター…
設定……………

総合……………
おすすめ度……

【良い点】
・後半、謎がすべて繋がって行くのが面白い

【悪い点】
・前半のテンポが激烈に悪い
・設定丸投げ

話自体は結構良く出来ている反面、ループものとしては展開がありきたりでいまいちパンチ力に欠けます。また前半はクッソダラダラとした展開が続くのでその時点でキツくなるという問題点がありながら、その部分をよく見ていないと後半謎が繋がり出した際に置いてけぼりにされるという欠点が。面白いと言えば面白いのですが、もう一歩ひねりが欲しい作品でした。

【以下、ネタバレ注意!】

ループ……夏休み……エンドレスエイトかな?(すっとぼけ)

完全に邦題に釣られた映画です。意味が分からないと言う方はエンドレスエイトで検索しなくてもいいです。

さて、そんな話は置いておいて早速レビューに入って行くのですが、この映画一つ大きな問題が。それはこのガバガバな邦題についてです。今回の邦題は詐欺でも何でもなく、実に内容に忠実なタイトルとなっているのですが、問題はこれが完全に本編のネタバレになっているのです。

この映画の見どころの一つは「あれ、これ時間ループしてるんじゃね?!」と登場人物が気付くシーンなのですが、こんなものタイトルで盛大にネタバレを食らったこちら側としては「そうだよ」という感想以外出てきません。もちろんそれまでにいろいろと伏線を積み重ねるシーンも全て「はいはいループしてるんでしょ?」という気持ちで見てしまい、衝撃など微塵もありませんでした。

もちろん作中でも「悪循環を断ち切れ」という謎のメッセージや「ウロボロス」というワードから、ループものであることは比較的すぐに察しがつくのですが、それにしたってこの邦題は酷い。サスペンス映画を見る前から犯人のネタバレをされているようなものです。初見のはずなのに、まるで2周目を見せられているような感覚でした。

まあ、こんな邦題を付けたガバガバ配給会社のことは置いておいて、映画本編のレビューに入って行きましょう。まずは悪い点からです。

この映画の悪い点は、とにかく前半のテンポが悪い点と、ループに関する設定が丸投げな点です。

まずは前半部分について。この映画は前半、とにかくループ後に向けての伏線を散りばめることに執心しているのですが、そのせいで話が全く進みません。この映画が本格的に始動するのは、パッケージやあらすじにある通り「坑道で自分の死体を見つけた」という部分からなのですが、この展開を迎えるまで実に45分。この映画の半分を使います。

ではこの前半部分には一体何をしているのかというと、例えば外に人影が見えたけど誰もいなかったり、登場人物がよく分からない幻覚にうなされたり、坑道で悪ふざけしたり、坑道で悪ふざけしたりしています。要するに、思わせぶりな展開ばかりで退屈極まりないんですよね。

もちろんこれら一つ一つは終盤でのループ時における伏線となっており、決して無駄とは言えないですが、それにしたって前半の展開は冗長すぎました。もっとコンパクトにまとめるべきだったと思います。

またこの映画はループものだと言いましたが、それにしてはこのループの設定に腑に落ちない部分が多いのです。このループ部分についての詳細は、文に起こそうとするととんでもなくややこしくなるため本編を見て下さいとしか言えないのですが、とにかく①ループがなぜ起こっているのかの説明が一切ないこと、②ループの法則性が釈然としないこと、という大きな二つの問題があるので、見ていてもどこかすっきりとしませんでした。

そもそもこのお話がループに陥っているのは、ループ後の殺人犯とループ前の殺人犯が接触したからというのが直接の原因であるため、ループの原因はループしていること自体であると言えます。しかしこれは良く考えるとおかしな話で、そもそもこの状態のループが発生するためには、ループが起きることこそが条件となっているわけです。

こうなると完全に鶏が先か卵が先かという話と同じで、ストーリーが完全に堂々巡りの矛盾に陥ってしまいます。この映画はそれについての説明どころか、そもそもこのループが起きている原因(タイムマシンなのか、超常現象なのかなどなど)についても判明しないので、腑に落ちないのです。

ではこれらを踏まえた上で、以下には良い点を。今作の良い点は、後半ループが発生する際、全ての伏線や謎が一気に繋がって行く過程がなかなか良く出来ていたという点です。

話自体は先が読みやすくて少し物足りず、またループに関する設定も説明不足な本作ですが、後半の怒涛の伏線回収にはなかなか見どころがありました。まあ、話自体は良くある感じで特に新鮮味もないのですが、前半の激遅テンポと比べて後半は本当に勢いよくポンポンと伏線を回収しながら謎が繋がって行くので、見ていて気持ちが良かったというのは確かです。

総評ですが、後半の展開は疾走感もありなかなか良く出来ていたものの、それ自体はかなり王道的で読みやすい上に、とにかく前半のテンポが悪いという明白な弱点がある映画でした。ループに関する設定も説明不足に感じたので、視聴後もどこかモヤモヤした感じが残ります。

まあ、ループに関する説明不足、矛盾についてはA級と呼ばれる作品でも起こり得ることですから取り立てて問題視するほどのことでもないのですが、やはりループが起きている理由の説明が一切ないのは気になりました。そもそも「ループが起きてた! 以上!」という終わり方にかなり近い作品なので、今一つ物足りなさを感じてしまいます。

面白いと言えば面白いものの、おススメかと言われると微妙な映画でした。

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