「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

エイリアン・イン・キューブ のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 分かりませんでした……(小声)
製作 (多分)2009
販売 クロックワークス

ぼく「めっちゃ面白かったわ! これは評価高いやろな!」ネットケンサクー

「クソ映画」「酷い」「見る価値なし」

ぼく「」

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生の予告編&あらすじからどうぞ。

【あらすじ】

” 地下深くに存在する極秘研究施設からのSOSを受け、傭兵部隊が派遣されるが、そこに正体不明の“エイリアン”が現れる!唯一の避難ルートは仕掛けが施された【死の箱=CUBE】だけ。果たして彼らは無事にエイリアンから逃げ切れるのか!?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

【予告編】

ストーリー………
モンスターの質…
キャラクター……
設定………………

総合………………
おすすめ度………

【良い点】
・話のテンポが良く全く飽きない
・モンスターのクオリティが高い
・キャラクターが魅力的

【悪い点】
・タイトル詐欺
・設定が雑でストーリーは滅茶苦茶

清々しいまでのタイトル詐欺なのでご注意ください。敵はエイリアンというよりゾンビが一番近いですし、キューブ要素はほぼないです。ただ、戦闘シーンがかなり多めで話も恐ろしくテンポよく進むので大満足でした。

個人的にはおすすめ度でも全然良いくらいなのですが、各所で面白くないと言う評価が多かったのと、ものすごくアクが強い内容だったので、おすすめ度は低めに設定しています。なお言うまでもなく、エイリアンやキューブのような内容を期待して借りれば大火傷不可避です。

【以下、ネタバレ注意!】

またナチスか。

超有名映画の「エイリアン」と「キューブ」からタイトルパクってきた割には、敵がゾンビっぽかったり植物の敵が出て来りとバイオハザードが一番近いと思うんですが、なぜこの邦題にしたのか。ちなみに原題はThe Dark Lurking.

正直かなり久々の当たり映画で、ワクワクしながら画像集めたり予告編探したりし始めたんですけどどこを見ても酷評の嵐で心が折れかけました。なんでや! 面白かったやろ! まあ、このタイトル詐欺ですから叩かれるのも仕方ないですね。こんな邦題付けた配給会社が悪い。

さて、では以下は細かいレビューに入っていこうかと思います。まずは今作の悪い点から見てゆきましょう。

今作の悪い点は、先述したとおりのタイトル詐欺と、ガバガバすぎる設定です。

タイトル詐欺についてはもはや語るまでもないので、設定について。今作は平たく言うと、ゾンビ蔓延る地下研究施設から脱出すると言うお話なのですが、このどう見てもゾンビな敵の正体や、何か訳有り気なヒロインの秘密について、さらにこの研究所の本性など、実にいろいろな謎が展開されるままこの映画は後半へと突入します。そして悪役研究者からそれらの秘密が明かされるとき、あなたは度肝を抜かされること間違いなし!

彼曰く、ここを徘徊しているモンスターの正体は細菌感染した被験者などではなく、第二次大戦時代にナチスが発掘した堕天使ルシファーの手先が人間に寄生したものだと言うのです。しかもヒロインの中にはそのルシファーが眠っており云々かんぬん。

正直最初は「ああ、ルシファーって新型の細菌に付けられたコードネーム的なものかな」と思っていたんですが、どうもこれがガチの堕天使の方だったらしく困惑。お前RECかよぉ!?(驚愕)

まあこのような設定が何の脈絡もなく突然言い放たれるので、見ていて「えぇ……」となったのは間違いないです。しかも結局ルシファーの正体は不明のままですし、そもそもどう見ても前半はウイルス感染系で描かれているので、この設定は受け入れ難かったという人も多かったのでは。なぜ素直にウイルス感染ということにしなかったのか、コレガワカラナイ。

そういうわけですので、この設定の上に成り立っているストーリー自体も結構滅茶苦茶だったりします 。ラストシーンなど絵に描いたような丸投げで、結局生存者はなし、唯一ルシファーと化したヒロインの生死だけが不明という実にパッとしないオチでした。ストーリー的な見どころはほぼ皆無なので、これに比重を置く方は視聴を避けた方が無難でしょう。

ただし、ストーリーなんてなくても面白ければいいんだよという方で、かつこの作品がタイトル詐欺であることを見破れたあなたにはこの作品はおススメです。それは今作の良い点として、キャラクターがそこそこ魅力的なことと、モンスターのクオリティが高いこと、さらに話のテンポの良さがあげられるからなのです。

今作、ストーリー自体はペラッペラで滅茶苦茶で丸投げエンドですが、これが恐ろしいほどに話のテンポが良い。開幕速攻で怪物と出会ったと思ったら、そこからキャラクターたちは無駄な話もなく脱出へと動きだし、武器庫や制御室、さらに地上へと実にさまざまな行軍を繰り返します。

その間、先に述べた設定の説明場面を除けば話はほぼ戦闘尽くしで、その戦闘シーン自体も結構良く出来ており、常に襲撃の緊張感に曝されるため全くダレません。基本的にこのペースが最後まで続くので、見ている側としては非常に楽しめました。

そして登場するモンスターの質の高さも、この戦闘シーンの演出の底上げに一役買っています。今作では主なモンスターはゾンビっぽい敵となるのですが、この他にも植物チックなツタを持つ敵や強化型(パッケージの)モンスターも途中から参戦するので、敵が同じのばかりで飽きたということが起きにくくなっています。このモンスターたち一体一体の造形もなかなか良く出来ており、(B級映画としては)戦闘面での満足度は高いでしょう。

そして最後にキャラクターについてですが、これは少し意見が分かれるかもしれませんが私にはなかなか魅力的に映りました。有能医学BBAやツンデレ軍人、絵に描いたような悪役研究者など、それぞれなかなかにキャラが立っています。特にBBAや軍人はお気に入りでした、割と有能な人が多かったのでよかったです。

総評ですが、ストーリー部分の出来はガバガバな分モンスターや戦闘関連のクオリティはかなり高いので、人は選ぶがオススメな映画だと私は思います。製作者も戦闘を見てほしいと思っていたのかどうかは知りませんが、ストーリー部分の説明や無駄な会話シーンは最小限レベルに抑えられており、ガバガバな設定やつまらない会話を垂れ流されるということがなく、飽きずに最後まで見られたというのがポイントの高い点でした。

ストーリー部分の出来がきちんとしていれば良かったということは言うまでもありませんが、ガバッたストーリーを垂れ流されるくらいならこんなバランスで良かったと思います。その分質の高い戦闘シーンも楽しむことが出来ましたし、戦闘重視のモンスター映画としてはなかなかの良作だと感じました。

でも、タイトル詐欺は、止めようね!(激昂) 

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