国籍 アメリカ
製作 2011
販売 松竹
過去にこちらでもレビューしたシャークトパスと合わせて、「マツコ&有吉の怒り新党」で紹介され、一躍有名(?)になった映画です。残る一つのダブルヘッド・ジョーズも見てみたいのですが、残念ながら近所のゲオには見当たらず。無念。
さてこの映画は、レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
水陸両用サメが人々を襲うパニックムービー。静かな島・ホワイトサンドのビーチでパーティーを開催していた若者のひとりがサメに食いちぎられるという事件が発生する。しかし、現場は海中ではなく満潮のラインをはるかに上回る陸地だった。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー………C
サメの質…………B
キャラクター……C
設定………………D
総合………………C-
おすすめ度………C
【良い点】
・サメのクオリティがそこそこ高い
【悪い点】
・クッソ適当な設定
・序盤のだらだらとした展開
別につまらなくはないのですが、かといって面白いわけでもないという一番扱いに困るタイプの映画です。B級映画ハンターの方ならまだしも、普通の人ならば見る必要はないでしょう。
【以下、ネタバレ注意!】
今作はタイトルを見ての通り、砂の中を鮫が泳ぐ映画です。そしてその発想こそが一番の見どころであり、逆にそれ以外は……。
では早速、今作の良い点悪い点を見てゆきましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、サメのクオリティがそこそこ高い点です。
この映画の主役となるサメですが、CGを始めとしたクオリティはなかなかです。お約束通り背びれを露出させ、砂の中を海の中を所狭しと泳ぎ回り、人を喰らうその姿は、ぼちぼち迫力があるのでないかと思います。特に後半、ビーチが大量のサメに占拠されてからの攻防、殺戮シーンはまあまあ見どころ有りです。
以上、良い点でした。以下は悪い点をつらつらと。今作の悪い点は、序盤のだらだらとした展開と、適当過ぎる設定です。
まずこの映画の序盤、サメ自体は早々に出てくるのですが、話がちーっとも前に進まないんです。島でフェスティバルするぜ的な話が出て、ビーチシャークによる殺人が発生してからは、やれ砂を泳ぐサメはいるだのいないだのの押し問答が延々と続き、登場人物らがその存在を認めるまでに実に40分以上。その間見どころと言えるような点はほぼ皆無。
もちろんこの前半部に出てくるキャラクターも無能とクズの勢揃い。サメはちょこちょこを人を襲いに現れますが、それがかえってその存在を認めない登場人物たちの無能さを浮き彫りにさせるだけでした。
そして今作一番の致命傷である、ガバッガバ極まりない設定について。モンスター映画を見ていて一番気になる「で、このモンスターの正体なんなの?」の部分ですが、この映画はそのあたりしっかりと専門家のキャラクターが説明してくれます。彼女曰く「ごく最近進化した種」らしいです。何て都合の良い進化なんでしょう。
しかし、何の説明もないモンスター映画よりも、雑な説明の方が幾分かマシではあります。問題なのは、それに基づいてガバガバな無能推理を繰り返すキャラクターと、ご都合主義極まりない展開です。
「どうも、このサメは自然進化したらしい」ということが分かった後、何故か主人公たちは「新種のサメは今暴れてるのとその母親の二匹だけ」という謎の理論を展開し始めます。自然進化したのなら、もっと大量にいそうだと分かりそうなものですが。
また、「昔からこのサメを追っている」というハンターのおっさんも登場するのですが、昔からいたのならば、なぜ今になってこのサメがビーチで大暴れしだしたのかの理由もなし。これだけ積極的に人を襲うサメならば、目撃情報くらいあってよさそうなものですが。
総評ですが、サメ自体の出来はそこそこなのですが、終始モンスターはそれだけ、襲撃方法も捻りがなく、ストーリーは前半ガバガバ、設定は滅茶苦茶、キャラクターは無能と、良いところがほとんどない映画です。正直一番の見どころは「砂を泳ぐサメが登場する」という部分であり、そんなものはオープニングの時点で終わっておりますので、それ以降はもはや蛇足と言えるかもしれません。
ただし、キャラクターは皆どこか憎めない部分があり、ストーリーも後半の盛り上がりはそこそこ、人間はバクバク喰われますし、ストーリー上の見どころもちょこちょことあります。冷静に見ればガバガバながら、どこか憎めない映画でした。B級映画ハンターの方は是非どうぞ。