(画像:Amazon商品ページより引用)
国籍 アメリカ
製作 2012
販売 アルバトロス
メリークリスマス☆
みなさんいかがお過ごしでしょうか? 僕はダイ・ハード見てます。
さてこのシリーズ、1があんまり面白くなかったのでスルーでいいやと思っていたのですが、結局見てしまいました。
まず注意点として、今作は全編POV(登場人物の持つカメラなどで撮影されたという体の主観視点映画)です。画面酔いなどに弱い方はご注意ください。
レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
かつて、実在する超常現象を追跡するリアリティ番組として人気を博した「グレイヴ・エンカウンターズ」。あれから10年―。番組MCとして廃墟と化した精神科病院へ潜り込んだランス・プレストン他、番組スタッフが、その後行方不明になっているという事実を探り出すが…。世界を震撼させたモキュメンタリー・ホラー「グレイヴ・エンカウンターズ」待望のシリーズ第2弾!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……C
キャラクター…C
設定……………C
ホラー度………D
総合……………C-
おすすめ度……D
【良い点】
・シナリオとその部分についての設定が面白い
【悪い点】
・前半のテンポが悪い
・超常現象や幽霊の質が低い(&前作から劣化)
前作も微妙な出来でしたが、今作もそれと同じくらいの出来です。なお、前作と話が繋がりまくりなので、前作未視聴者は問答無用で振り落とされます。「前作が面白かった」という方以外はスルー安定でしょう。
【以下、ネタバレ注意!】
1が微妙だった時点でほとんど期待せずに見ましたが、見事に微妙でした。そうそうVHSシンドロームみたいにはなりませんね。
さて前置きも早々に、早速良い点悪い点から見てゆきましょう。まずは良い点から。
今作の良い点は、シナリオ及びそれに関する設定が奇抜で面白いことです。
前作は「ヤバそうな廃病院に入った番組スタッフたちが超常現象にあう」という様子をPOVで描いたドキュメンタリー風(モキュメンタリー)映画でしたが、今作はその前作映画を見た映画学校の主人公が「これ本当に映画か? ガチなんじゃね?」という疑問を持ち、その謎に踏み込んでゆく……というお話です。
彼は何人かの映画クルーを引き連れてお目当ての廃病院へとたどり着き、そこで前作同様数々の心霊現象に遭遇する中、何と病院内で前作主人公と出会います。彼はこの十年間、たった一人で生き延びていたのです。そしてこの終わりの見えない無限回廊の中から、彼らはなんとか脱出する術を探り出しました。
しかし、その方法では一人しか出られないことが判明。お互いに争う中、SAN値(正気度)が0となった主人公は前作主人公とヒロインを葬り、その屍を踏み越えてついに廃病院から抜け出しました。そして、彼がそこで撮影した映像はグレイヴ・エンカウンターズ2として映画化され公開。彼はインタビューの中で「これはフィクションです。あの場所を探しても何もありません」と明らかにSAN値直葬された様子で答えました。ここでシナリオクリアです。
長々と書きましたが、「前作主人公との邂逅、共闘、敵対」や、怪現象にされるがままだった前作に比べて「ある程度の打開策を見出したこと」、またこの「グレイヴエンカウンターズは結局フィクションなのか、ドキュメンタリーなのか?」ということを有耶無耶にして視聴者に考えさせるようにしたことなど、シナリオ自体には評価できる点が多くありました。打開策が何だかんだと言いながら、結局人間の力では最後まで心霊になされるがままで、根本的解決は何も出来なかったというのも、ホラーらしくて個人的には割と好きです。
以上、良い点でした。この大筋となるシナリオ部分は割と好き、どころか私は結構好みです。まあ、好き嫌いは分かれそうですが。
次に悪い点です。この映画の悪い点は、前半のテンポの悪さと、相変わらず心霊現象の質が低いことです。
まず前半についてですが、この映画はお目当ての廃病院に潜入するまでに丸々30分以上かかります。ではその間は何をしているのかというと、主人公の撮っている映画の話だとか、友達と喧嘩しただとか、そういったどうでもよい話題が多いです。もちろん前作映画についての謎を追う描写もあるのですが、とにかく無駄が多いですね。ここもっと削れたと思います。
そして肝心の心霊描写の質についてですが、これは明らかに前作より劣化。パッケージに映っている変な生物の登場シーンは減った上に、相変わらず病院の構造変化やポルターガイストがメインで、やっていることは前作と全く同じパターンです。それを仕掛けてくるタイミングも前作視聴者ならなおのこと丸分かりで、怖さは微塵もありませんでした。
また、今作から取り入れたらしきオリジナル部分も雑さが前回以上に酷いです。とうとう心霊の方から「全部撮れ」「映画を完成させろ」と指示が出た時や、前作主人公が突如発生したブラックホールに吸い込まれた時などは思わず苦笑が漏れました。前作にあったビックリ要素やホラー要素は激減し、個々の質も下がってしまったと言わざるを得ないでしょう。
総評ですが、シナリオは好みだったのですけれど、肝心のホラー部分が酷いですね。前半も無駄な話が多く、もっとスムーズに展開できたと思います。
ただ何度も言うように、モキュメンタリー映画の続編で「前作は本当にフィクションなのか?」という話をする発想は嫌いじゃないです。「一部編集入れましたー」と明言させることで、「前作も今作もフィクション」「前作はガチだけど今作はフィクション」「前作も今作もガチ」等、色々な可能性を残して謎に包まれたまま終わる、というエンディングの迎え方は凄く面白いと思います。
ただ如何せんそれ以外が全く褒められない出来なので、わざわざ見る必要はあるかというとないでしょう。