「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ニューヨーク2014 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2013
販売 アルバトロス
い つ も の

タイトルからは内容が全く想像つきませんが、感染物のモンスター映画です。

    レンタル版を吹きかけで視聴しました。「感染物のモンスターってなんだよ」と思われた方は、以下のAmazon先生のあらすじをご覧下さい。予告編も合わせてどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

原因不明のモンスターウイルスに支配されたニューヨークを舞台にしたSFパニック。謎のウイルスによって人々が突然モンスターと化し、混乱は街中に広がっていく。米軍は感染者をワーズ島に隔離するが、ウイルスを生物兵器に利用しようする者が現れ…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………C
モンスターの質……B
キャラクター………C
設定…………………D

総合…………………C+
おすすめ度…………C

【良い点】
・無駄な会話シーンなど少なく基本退屈しない
・モンスターの出来はなかなか良い

【悪い点】
・内容が薄っぺらい
・肝心なところでガバる設定
・モンスターが終始一種類だけなので飽きてくる

良い点と悪い点がはっきりと分かれている映画でした。頭空っぽにして見る分にはちょうど良いと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

「あぁ、狼人間だ!(超展開)」

全く期待していなかったのですが、結論から言うとそれなりに楽しめました。アルバトロス、というか製作会社のアサイラムですか、こういう構成の映画好きですね。「細かい設定なんてどうでもいいから、とにかくやりたいこと全部詰め込もうぜ!」というスタイル。なんとなく、メガシャークVSクロコザウルスを彷彿とさせる……。 メガシャークVSクロコザウルスのレビューはこちら

さて今作ですが、見事に良い点悪い点にしっかりと分かれているので、そこから見てゆきましょう。まずは良い点から。

今作の良い点は、話がポンポン進むので基本的に退屈しないことと、モンスターのクオリティがなかなか高いことです。

まず話の展開について。今作は開始速攻で女性が狼になるという超展開からスタートし、その後展開が全く休まりません。ほぼ常に何かしら話が動いているか、戦闘シーンです。そのため、「はよ話進めろや」という意味での退屈さは皆無です。まあ、別の意味で退屈することとなるのですが、それについては後述。

また、今作の肝となるモンスターのクオリティはなかなか良かったと思います。若干CGが荒いところもありますが、B級ということを考えればこれで充分な気がします。一部のお粗末なシーンに目をつむれば、むしろおおむね良好と言えるでしょう。

この、モンスターの出来の良さとスピーディーな展開はこの映画の明確な強みですが、反面それぞれが弱みを孕んでいるということも付け加えねばなりません。それについては以下で。

さて、続いて悪い点です。今作の悪い点は、ストーリー内容とガバる設定、そしてモンスターのワンパターンさについてです。というより、これらは合わさって一つとも言えるでしょう。

まずストーリーについてですが、「いや、さっき褒めてたじゃん」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、あくまでこの映画で褒められるのはストーリーのテンポの良さだけであって、内容自体は見事にガバガバです。

感染者に噛まれると狼になってしまう未知のウイルスを巡って、治療法を探す派(主人公)と兵器利用する派(敵)が争い、最後は感染の広まった町ごとミサイルで綺麗にお掃除という、もうどこかで見たことのあるような展開を軸とし、やっていることはそこらの映画の焼き直し。それどころか、登場人物それぞれの動機や行動の設定が割とガバッているせいで、劣化焼き直しと言っても過言ではないでしょう。

例えば、噛まれると狼になってしまうのはまだ良いとしても、心拍数が安定してきたらまた人間に戻れるという設定はさすがに無理がないかとか、最初の感染者の感染経路が「野生の狼に噛まれたから」という以外一切不明なのはいくらなんでも説明不足極まりないだとか、感染源となった狼のおおよその生息地は分かっているのに、それを軍事利用したい派も治療したい派も含めて誰も現地調査に行かないのはどういうことなのだとか、言い出せばきりがありません。

そしてこんなガバッた展開の連続なので、どうもキャラクターたちの行動にはしっくりこない部分があります。特に軍のお偉方の兵器利用したい派のおっさんは、「兵器利用するからウイルスのワクチンは作らなくて良いよ」という超問題発言。「ワクチンもないウイルスなんて危険すぎて兵器運用できるわけないだろ! いい加減にしろ!」というツッコミ必須ですね。もっとアンブレラを見習って、どうぞ。

最後にモンスターについて。さきほどモンスターの出来自体はなかなか良いと言いましたが、今作に登場するのは終始この狼だけです。それ自体は良いのですが、この映画は異様なテンポの良さが災いしてか、約90分間絵面が代わり映えせず、だんだんとモンスターに飽きてくるという弱点もあるということは付け加えねばなりません。

総評ですが、主に脚本と設定がガバガバなので突っ込みどころは多々あります。取りあえずやりたいことを詰め込んでみたけど、細かいことはなーんも考えてないよ! というのが凄く伝わってきました。先述したモンスターに対する飽きの可能性もあり、ストーリー内容自体もよくある展開の劣化焼き直しで、目新しい部分も皆無なため、その部分に期待するのはよしましょう。

ただしテンポ自体はよく、モンスターの出来もそこそこ、アクションシーン多めなので、頭を空にして細かいことを考えずに楽しむ分にはなかなかに良い映画であると思います。

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