「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

アホリックス のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2005
販売 トランスフォーマー

みなさん大好きなガバガバ邦題シリーズですよ。こんなタイトルなのに「どうせ
某MIB
メンインバカ
某バイオハザードみたいに、マトリックスとは何の関係もないんだろ……」と思われたそこのあなた。今作は何と、正真正銘しっかりとしたマトリックスのパロディ映画です。もうこの時点で評価してあげたい。ちなみに原題は
THE HELIX… LOADED

レンタル版を音声は吹き替えで、字幕を表示しながら見ました。この見方がおススメです。まずはAmazon先生のあらすじと、予告編をどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

「マトリックス」を中心に名だたる大物が出演するハリウッド大作を徹底的にパロった衝撃作!巨大企業「ファイヴ」と、その手先であるエージェント・スマックは、人間の潜在能力を目覚めさせ超人的能力が身に付く薬“アホリックス”の力で世界支配を企んでいた。一方、彼らの支配から人類を守ろうと謎の黒人オーフェウムと相棒のインフィニティは、自分が救世主だと勝手に思いこんでいる男ヌーヴォにアプローチを計るが…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………
アクションの質……
キャラクター………
設定…………………
コメディ度…………

総合…………………C-
おすすめ度…………

【良い点】
・ものすごく微妙に本物に似ている役者
・日本語吹き替えが遊びまくり
・無駄にアクションシーンの質が高い

【悪い点】
・ギャグが絶望的に面白くない
・テンポが悪い

紛う事なきクソ映画ですが、普段から「邦題に釣られてパロ物B級映画だと思ったら、全然無関係な内容だった」という経験を数多く持つ方ならば笑って許せると思います。どうせ見るのならば日本語吹き替えでどうぞ。

【以下、ネタバレ注意!】

 きちんとパロディしている(面白いとは言ってない)

見ての通り、マトリックスのパロディ映画です。特にストーリーはマトリックス丸パクリでした。「配給会社が勝手にそれっぽい名前付けただけ」という、B級映画にはありがちなタイトル詐欺ではありませんのでご安心ください。

では早速、まずは悪い点からいきましょう。今作の悪い点は、ギャグのセンスが非常に残念なことと、基本的にテンポが悪いことの二点です。まあ正確には、テンポが悪いから面白くないという一点に集約できそうですが。

この映画、ストーリーはマトリックスそのまんまなので特に言うことはないのですが、シーンごとのテンポが悪いんですよね。何というか、ギャグを挟むタイミングだとか間の取り方がおかしい部分が多々あるので、短いシーンでもすごく冗長に感じてしまいます。

ギャグ自体も、下ネタメタ発言のオンパレードで、クッソ寒いギャグが大半という恐ろしさ。面白いと言うよりも、下らなさすぎて笑えてくると思います。すみません、笑えないです。真顔になります。誰が戦犯かというと
脚本監督演出全員戦犯
でしょう。

ですが、割と評価できる点も多々ありました。今作の良い点は、絶妙な俳優陣と無駄に質の高いアクションシーン、そしてフリーダムな日本語吹き替えの三点です。

まず俳優陣についてですが、元ネタに似ているか似ていないかのものすごく絶妙なラインを攻めて来る完璧な布陣で、「よく集めたなこれ」と思わず感心してしまいます。もちろん本物の俳優さん方から比べるといろいろと非常に残念ですが、パロ物映画でこの微妙な似ていなさはむしろ笑いを誘えるので良いと思います。

またアクションシーンについてですが、これが予告編にある通り無駄にクオリティが高いんですよ。例の有名な銃弾をよけるあれや、残像がブォンブォンなるマトリックス特有の格闘シーンなどの再現度は本当に無駄に高かったと思います。頑張りが伝わってきますね。

そして今作一番の評価点は、吹き替えが遊びまくっていることです。私は基本的に吹き替えで遊ぶ映画は嫌いなのですが、もともとアホみたいなコンセプトの本編で、シリアスさの欠片もない上、完璧なコメディ映画ですので、吹き替えで遊んでいても許せました。というよりこの映画、見どころはこれしかないんです。本当に。

字幕を流しながら吹き替えで見ていると分かりますが、今作のセリフ改変具合は他作品より頭一つ抜けているレベルと言っても過言ではないでしょう。冗談抜きにして、この映画の吹替の半分以上は元セリフと無関係な内容です。「~~だっちゃ、欧米か、まいうー、こまねち、山田君座布団一枚」など、書いているだけで恥ずかしくなる安易な改変の数々。しかしこの下らなさがいい。

しかもこれまた無駄に声優さんが豪華なので、そのはっちゃけっぷりは見ものです。特に偽モーフィアスの声優さんは、何と本物の声を当てている方を使っており、彼が裏声まで使って超フリーダムに暴れる様は見ごたえがありました。

総評ですが、本編中のギャグは全く面白くありませんが、吹き替えで見ると(良い意味で)イメージが変わる映画ですね。あくまでも本編は、アクションシーン以外ビックリするほど面白くないので、どうせ見るのなら吹き替えでどうぞ。同時に字幕も出しておくと、セリフが改変された箇所が分かるのでより楽しめると思います。

ただし、やはり本編があれなので退屈する箇所多数&吹替えセリフも寒いものが多いので、苦痛に思われる方も多々いらっしゃるでしょう。非常に暇しているときの暇つぶしにはちょうどいいかもしれない程度の映画だと思って見てみてください。新たな扉が開くかもしれません。

最後に。今作には途中、次回作の製作を匂わせる発言があります。

ふざけるな!
こんなクソ映画で次回作なんてできるわけないだろ!

(画像:Amazon商品ページより引用)

嘘だと言ってよバーニィ。

ちなみにこの『アホリックス リローデッド』ですが、調べてみたところアホリックスとは全く無関係なようです。

ふざけんな!(声まで迫真)

『名作タイトルをパクる』タイプのタイトル詐欺は多々目にしますが、『クソ映画のタイトルをパクる』タイプは初めて見ました。一体誰が得するのか。

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