国籍 アメリカ
製作 2013
販売 アミューズソフトエンタテインメント
前作が私的に「企画倒れ」という評価に終わった完全なハズレだったので全く期待していませんでしたが、どうしたんですか、面白いじゃないですか(驚愕)
また、今作は前作同様、『全編POV(「登場人物の持つカメラなどで撮影された映像」という体の作品)であり、かつお互いにつながりのない5編の短い作品から成る映画』というかなり変わった趣旨の作品となっているため、それに合わせて評価形式を変えてあります。それと一応、R-18指定ですのでご注意ください。また全編POVなので、画面酔いしやすい人が見ると多分死にます。ご注意ください。
レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えはないです。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“失踪した青年を探すよう、母親から依頼を受けた私立探偵の男と助手の女。 彼らは調査のために、青年が滞在していたという古い一軒家に忍び込む。するとそこには、大量のビデオテープと血痕が・・・。 戸惑いつつも手がかりを求めて、女はテープを再生し始めるのだが、そこに写っていたのは、想像を絶する恐るべき映像だった! やがて彼女は1本また1本と、取り憑かれたようにテープを再生していく・・・そして、遂に異変が起こる・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
総合評価……B
おすすめ度…A
【以下、ネタバレ注意!】
かもしれません。そのため、1つの話が終わったらまた次の話、と気持ちを切り替えながら見ることができるという利点があります。 この点は前作と同じですね。
①TAPE 49
総合評価 C
とある消えた大学生の母親の依頼で御屋敷の調査に向かった探偵(?)二人組が、そこで例の如くVHSの山を発見して、いろいろあって見始めるというお話です。一応他の4作品は、この話の主人公たちが見ているビデオであるという設定なので、この話こそがこの映画を映画たらしめているとも言えます。
まあ、可もなく不可もなくと言った内容でしたが、これらのビデオテープの謎に若干迫った点や、一つの作品として見た時にもまあまあ面白いので、良いと思います。前作のように、これにあたる話自体が邪魔ということはありませんでした。
②PHASE 1 CLINICAL TRIALS
総合評価 B
眼球にカメラ付きの人工器官を仕込んだら、見えてはいけないもの(幽霊)が見えちゃったお話です。まあ、ぶっちゃけ眼球にカメラ付きの義眼を入れるっていう発想が一番怖いです。
本編はよくある感じに、振り向いたら霊がいたとかそう言った古典的で使い古されたシーンばかりですが、これを被害者の目線でやろうという発想は良かったですね。我々が見ている映像=被害者がそのまま見えている映像なので、従来の撮影法やハンドカメラによるPOVでは再現できない独特の臨場感、雰囲気が出ていてよかったと思います。
また両手が自由に使えるので動きの幅も広く、POVによくある「何でこんなピンチな状況なのに頑張って撮ってんの?」という疑問を完全に解消できていてその点評価できました。唯一、ラストが雑なのが残念でした。
③A RIDE IN THE PARK
総合評価 A
今作中、私が一番面白いと思った作品がこちらです。サイクリングしようとカメラを乗っけたヘルメットを被って出かけたら、突然ゾンビに襲われてゾンビ化してしまう男の話です。そのゾンビの正体だとか感染源だとかは一切分かりません。
ゾンビ自体は見慣れたもので、話自体もごく普通のゾンビアウトブレイク初期の様子ですが、ゾンビ視点で周りの様子が見れるという設定が非常に斬新で良かったですね。なんでしょう、映画というよりは、ゾンビの生態観察映像として見ればかなり楽しめます。「あのゾンビ映画やこのゾンビ映画のゾンビたちも、こんな感じで世界を見ていたのかな……」等と妄想すると楽しいです! 僕は正常です!
そして、ゾンビが銃を咥えて自殺するラストシーンについても考察の余地があり、最後までしっかりおいしい映像でした。そのラストについては、
1.ガラスに映った自分の姿を見て若干の理性が戻り、全てを悟って自殺した説
の二つが思いつきました。ゾンビには理性があってほしくない派の私的には2.を推したいです。
④SAFE HAVEN
総合評価 C
謎の新興宗教施設に潜入取材してみたら、この世の終わりを迎える謎の儀式に巻き込まれてしまったお話です。
この映画の中で、一番映画としてしっかりとしていた作品がこちらです。ストーリーやキャラクターもきちんと作られていて、内容を伸ばせばこれだけで一本作れそうですね。ネット上の評価をちらほら見ていても、この作品を評価している人が一番多かったです。じゃあなんで私の評価が低いのかというと、これはもう完全に好みの問題です。
今作は20分という短い間に、宗教、ゾンビ、悪魔、世界の終焉、とどんどん新しい要素が出てきます。どちらかというと、私は「ゾンビならゾンビ、悪魔なら悪魔」といったように軸を一本に決めて勝負してくる映画が好きなので、このいろいろと話が絡み合う感じがダメで、詰め込み過ぎに感じてしまいました。
「このカオスさこそがええんやろ!」という人は多々いらっしゃると思いますし、話もしっかりできているので、3本目(ゾンビ視点)の作品より一般受けしやすいと思います。いや、この映画自体一般受けはしないでしょうけど。
⑤SLUMBER PARTY ALIEN ABDUCTION
総合評価 D
突然現れたエイリアンに拉致されるお話です。
このレビューを書くにあたっていろいろと考えたのですが、何と言いますか「順当に面白くない」という感想しか浮かびませんでした。この映画の他の作品群には何かしらの良い点はあるのですが、この作品はそれが何とも微妙で、ただただ意味の分からないうちに逃げて捕まって終わり、という感じでした。
⑥前作と比べて
格段にレベルアップしていることはまず間違いないでしょう。評価点としては、本筋の話がわりとしっかりしていることはもちろん、安易なエロシーンが激減したことが評価点です。これについては賛否両論あるでしょうが。
また純粋に、面白いと評価できる話が激増したこともかなりGOOD.前作はどの話も微妙でしたが、今作は②、③、④辺りのどれかに引っかかる人は多いと思います。
⑦総評
前作から大きくパワーアップして帰ってきました。見る前は全く期待していなかったこともあり、かなり楽しむことが出来ました。どれか一つの話でも「面白い」と思えたのなら、この映画を見た価値は十分にあると言ってよいでしょう。前作とは話も繋がっていないので、これから見ても全く無問題です。むしろ、前作を見るのならこちらを見ることを私はおススメします。
この出来なら、続編が出ても見ようという気になりますね。V/H/Sシリーズの次回作にご期待下さい!