「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

テーター・シティ 爆・殺・都・市 のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 イタリア
製作 2010
販売 KADOKAWA

グロすぎてR-18のスプラッター映画です。エロシーンは一切なく、純粋にグロさ勝負のR-18映画でした。

レンタル版を字幕で視聴しました。吹き替えはありません。まずはAmazon先生のあらすじと、予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“近未来のとある街:テーター・シティは、シード・システムと呼ばれる装置で管理されていた。 そのシステムとは、ある電波を街中に流すのだが、その電波は犯罪者に対してだけ反応し、その本性が自殺衝動に変わり自殺へと追い込むもの。 そしてその遺体を警察が回収。 遺体は安全な食用の肉に加工され、バーガーのパテとなり、ハンバーガーとして売り出され、その街の人々の食料となっていく。 この異常なリサイクルシステムこそシード・システムなのである。 このシステムを残酷なアニメーションを用いてCMを制作し、そのCMをテーター・シティ中に流して、 「この街は安全である! 」という宣伝をしているから異常この上ない。 そんな街で、その電波が効かないミュータント殺人鬼が現れる。 そして奴は、人間同士互いを殺させる超音波のようなものを発するのだ。 そんなミュータントに対抗するべく組織されたのが、特殊精鋭部隊:バイカーズだった・・・。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………D
グロシーンの質……B
キャラクター………E
設定…………………C

総合…………………D+
おすすめ度…………C

【良い点】
・グロシーンの力の入れ具合

【悪い点】
・同じような展開ばかりで飽きる
・キャラクター描写を完全に放棄

会話シーンよりグロシーンの方が多いレベルのグロ特化映画なので、耐性のない方は見ない方が無難です。ただし絶望的に内容がないので、グロが好きな方でも途中で飽きる可能性大ですね。「ストーリ-なんてどうでもいいからとにかくグロ映像を見せろ!」という方にはおススメです。

【以下、ネタバレ注意!】

「ポロリしかないよ!(頭・手首限定)

文句ないレベルでグロテスク全振りスプラッター映画です。あらすじに書かれている通りの舞台設定の説明を前半でやった後は、もう頭は飛ぶわ手首は落ちるわのグロシーン一辺倒で、ストーリーと呼べるレベルの内容は一切ありません。ただただ最初から最後まで、特に意味もない虐殺シーン戦闘シーンの繰り返しです。

そのためグロシーンが好きではないという方が視聴されると間違いなく不快指数は天井を突破し、DVDをカチ割りたくなる衝動に駆られること必須です。またストーリーなんてあったものではないので、私のようにグロシーンは歓迎だけど、ストーリーもしっかりしてなきゃ嫌という方にもおススメできません

さて上記の事項を理解していただいたうえで、早速この映画の良い点悪い点について見てゆきましょう。まずは良い点から。

この映画の良い点はただ一つだけ、グロシーンの力の入れ具合が半端ではないことです。

先ほども述べた通り、この映画はストーリー・キャラクター描写・設定描写、ほぼ全てを犠牲にした分の余力を全てグロシーンにつぎ込んでいます。そのため、本編中では確実に会話シーンよりも虐殺シーンの方が多かったですね、誇張ではなく。そのくらいにグロテスク一辺倒です。

また、それぞれのグロシーンも良く出来ていると思います。血糊をケチらずふんだんに使用し、もう噴水の如くピューピュードバドバと真っ赤な血が流れ出るので、文字通り『床が赤く染まる』状態でした。ただし、これについては好みが分かれますね。私はどちらかというとドス黒い血がダクダクと流れ出る感じの演出の方が好きなので、若干肌に合わない感じはしました。それでも、出来が良いので十分楽しめましたが。

続いて悪い点ですが、これは同じような展開ばかりで飽きてくることと、キャラクター描写を完全に放棄していることの二点に尽きます。

まずストーリーはないに等しいと先に述べましたが、それ自体はこの映画のコンセプト上さして問題ではありません。問題なのは、肝である虐殺シーンの構図がどれも似たり寄ったりな点です。

決して死亡シーンを使いまわしているわけではないのですが、この映画はそもそも死亡シーンが多い上に、その死に方は頭が潰れたり切断されたりする描写が多数を占めるため、特に終盤は「ああ、またこれか」というように感じてしまうことが多かったです。

またグロシーンをふんだんに盛り込むのは良いのですが、特に中盤は本筋となるストーリーをそっちのけにしてどうでもよい虐殺シーンを垂れ流されるため、話が進まず飽きを覚えてきます。こればかりは、グロ一辺倒と言えども見逃せませんでした。

そしてキャラクターについてですが、いくらグロシーン重視と言えどもキャラクター描写が少なすぎです。主要キャラであってもまともな会話シーンはほぼないので、悪役にも主人公にも魅力は全くありません。

そのため味方どころか、悪役が死んだときにも「あ、死んだ」という薄っぺらい感想しか出てきませんでした。ラストシーンでは主人公が初めてこの街の異常なシステムに疑問を抱き、反抗しますが、それまでの心情描写が全然ないのでとってつけた感じが拭いきれません。

もちろん、主要キャラ以外はその人物の背景どころか、誰かと絡んでいる様子すら映されないので、どれだけ惨い死に方をしても全く心が動かされませんでした。これでは、せっかくのグロシーンも魅力半減です。

また余談ですが、この映画のあらすじを読んでもらえれば分かるかもしれませんが、舞台設定はとても面白そうなんですよね。少なくとも私はそれに釣られました。ただし、この設定がほとんど生かされていないのが痛いところです。

グロシーンに力を入れたいという気持ちは分かるのですが、せっかくこのような設定を作ったのなら、犯罪者が肉に加工される様子をねっとりと映したり、町の人々がごく普通に生活する中で何のためらいもなく人肉を食する場面をもっと入れてみたりなどしてほしかったです。

結局この設定は作中に流れるテレビCMでの説明が大半で、どうしてこんなシステムが出来上がったのかだとか、町の人々はこれをどう思っているのかといった部分がよく分からないので、「こういう設定なんだ」と受け止めることしかできない点も個人的には残念でした。

総評ですが、グロシーンへの力の入れ具合はすごい一方、他の要素をずさんにしすぎてグロテスク描写の魅力が引き出されていないように感じました。誰かが死んでも特に何も感じず、死に方にも斬新さやバリエーションがないのでだんだんと飽きてきてしまいます。

決して万人には勧められませんが、グロテスク描写以外の余分なシーンはほとんどないため、「もうとにかく流血ドバドバのグロシーンが見たいんじゃ!」という一部の方はドハマりする可能性があります。我こそはその一部である! と自負する方は、是非視聴してみてください。

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