「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

寄生体X のレビューです(総合評価E+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 フランス
製作 2012
販売 インターフィルム/アメイジングD.C.

面白そうなパッケージ! ハズレなはずがないね!

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじと予告編をどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“10年前にハレー彗星が地球に最も接近した日に両親が惨殺され、以来、両親の死がトラウマとなり心に大きな傷を抱えるクリス。 そして、今年も10年前の同じ日に、彗星が再び地球に接近していた。パリ市内では彗星の接近を記念してイベントを催していた。 しかし、彗星が近づくにつれ、人々が奇妙な行動を取り始め、その後、凶暴化し人間を襲うという異常事態が発生。 クリスは惨劇の場と化したパリ市内から脱出しようとジョンと共にサバイバル・バトルを決心する。 しかし、街中では寄生したミュータントたちが続々と襲撃して来る。 生存者は次から次へと寄生され、やがてクリスたちは絶体絶命の危機に追いつめられてしまう。そして遂に彗星が地球に到達してしまった。 この時、地球上では一体何が起こるのだろうか?今、クリスの目の前で想像を絶する事態が始まろうとしていた―。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………E
モンスターの質……B
キャラクター………D
設定…………………E

総合…………………E+
おすすめ度…………E

【良い点】
・モンスターの造形は良い出来

【悪い点】
・設定が意味不明
・グッダグダでテンポの悪いストーリー展開
・キャラクターに魅力が皆無

CGの出来以外、褒められた点が一つもありません。見る価値は全くと言っていいほどないでしょう。

【以下、ネタバレ注意!】

「お前たち、よくもこんなキチ〇イ映画を!」

いわゆる終末系のB級映画です。面白そうなあらすじとパッケージに惹かれて視聴し始めましたが、その実態は見る価値すらないクソ映画となっておりましたので、レビューを持ってご報告にかえさせていただきたいと存じる次第にございます(ガバ敬語)

では早速、悪い点をつらつらと書いてゆきましょう。今作の悪い点は、ガバッたテンポにいい加減な設定、そしてウザさしか感じないキャラクターたちその他諸々となっております。

まずはテンポから。はっきり申し上げまして、この映画の前半30分は見る価値すらありません。この間は、地球に彗星が飛来するとのことでお祭り騒ぎな街の様子が映されますが、これがもう本当に本筋と関係のない話をダラダラダラダラダラダラダラダラと垂れ流すのみ。

またそんな無関係な話ばかりやっているせいか、肝心の寄生拡大の様子が一切描かれません。さっきまで超日常だったのに、気が付いたらいきなり周りが寄生者だらけになっている感じです。寄生を売りにしている映画なのなら、もっと丁寧に寄生拡大に時間を割いてほしいと思います。

次に設定でありますが、特に今作の肝となる寄生体の設定について、もういい加減極まりないレベルのガバガバさ。正体はもちろん分かりませんし、寄生体が最初に地球に来たと思われる10年前から現在に至るまで、寄生体が全く活動していなかったのはなぜかという点も全く不明。

そして寄生体に寄生された場合、喋れるのか喋れないのか、変異するのかしないのかの基準もクソ曖昧なうえ、中にはなぜかドロドロに溶けてしまう人もいるほど。しかも本編中では寄生体による寄生シーンが皆無で、被寄生者はどうやって寄生されたのか、また被寄生者が人間を殺したり殺さなかったりする理由はなんなのかなど、説明不足な点が多すぎます。

さらに今作のキャラクターですが、魅力は全くありません。主人公は超ひ弱に描かれたと思った次の瞬間バットで無双をし始め、ヒロインは主人公を刺すわ軍人には威張るわ超いい子ぶるわの激ウザっぷり。今作に登場するキャラクターは、そのシーンごとに性格が変わっているのではないかというほど行動原理が滅茶苦茶です。

と、ここまで悪い点ばかり述べてきましたが、こ ん な 映 画 にも良い点はあります。それは寄生体の質が高水準であることです。

パッケージにもある通り、一部の被寄生者は身体から寄生体の本体がはみ出したりする演出があるのですが、この寄生体はよく出来いていますね。また寄生体であふれるラストシーン等、寄生体が関わるシーンの質はなかなか高いです。

ただしこの映画、感染者のほとんどは普通の人間と全く違わぬ容姿で、肝心の寄生体が見られるシーンは極々一部という残念さ。自ら映画の魅力を潰しているとしか思えません。

総評ですが、寄生体の造形は魅力的であるのにそのポイントを自ら潰したうえで、他の要素は揃いも揃ってガッバガバというどうしようもなさ。設定丸投げはまだよいとしても、どうしてどうでもよい日常シーンを異様な時間をかけてまで描き、どうしてじっくりと寄生が拡大してゆく様は描写しなかったのか……明らかに配分ミスです。

一応、寄生体との戦闘シーンやラストの終末シーンなど見どころもあるにはありますが、それ以上に粗が多すぎて話になりません。とりあえずやりたいことだけやってみたけど、その間をつなぐ設定、展開がどうしようもないほどに滅茶苦茶で、同じ一本の映画を見ているとは思えないほど話が支離滅裂なため、視聴する価値はまずないでしょう。

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