「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

少女生贄 のレビューです(総合評価D+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2013
販売 ト ラ ン ス フ ォ ー マ ー

「君たちの中にも、『ンボボボボォォ』に釣られて、視聴した人がいるだろう?」

パッケージが非常に印象的なホラー映画です。レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

カンザス州の小さな町、スタルに越してきたダンとウェンディー一家。ダンは引退するキングズマン牧師の代わりになるため、町にやってきたのだ。小さな町で、訪れる者もあまりいないためか、住人たちは牧師を中心にとても親切で、引っ越しを手伝ってくれ、歓迎パーティを開くなど、一家を大歓迎。しかし、ある夜から長女のレベッカが悪夢にうなされるようになると、優しかった住人たちの行動に、異変が起き始めるのだった…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……D
悪霊の質………B
キャラクター…D
設定……………D

総合……………D+
おすすめ度……D

【良い点】
・映像的な出来はかなりの高水準

【悪い点】
・話が一向に進まない
・ラストが丸投げ
・キャラクターに魅力無し

話がちーっとも進まないので、見ていて前半で飽きること間違いなし。設定も粗が目立つので、おススメはしません。

【以下、ネタバレ注意!】

おい全然エンジンかかんねぇじゃねぇか!(激遅テンポ)

一時期某界隈で、パッケージの『ンボボボボォォ』のインパクトから、ネタとして話題になった映画です。自分もそれに釣られました。本編に『ンボボボボォォ』要素は一切ありませんが、まあそんなことは分かっていたことなのでスルーしましょう。見事な一本釣りだぁ……(感心)

さて今作ですが、良い点も悪い点もしっかり備わっております。当然のように悪い点の方が多いので、まずは良い点からいきましょう。

この映画の良い点は、映像的なクオリティがかなり高い水準にあることです。B級映画でこれ以上のクオリティとなると、なかなかないのではないかと感じたほどでした。黒いシミが広がる演出などは、そこらのA級映画にも引けを取らないほどの出来栄えですね。

良い点は以上です。というより、この映画において標準以上の出来と言える要素は、これしかありません。以下、悪い点が続きます。

今作の悪い点は、キャラクターに魅力がない点、ラストが投げっぱなしな点、そして何よりも、テンポが遅すぎて話が全然前に進まないことです。

まずキャラクターについてですが、今作のキャラクターは本当に魅力がないですね。特に後半はそうですが、一番の原因は各キャラの取る行動が突発的な思いつきばかりで動機付けが薄っぺらく、台本通りに動いている感が半端ではないからです。悪魔から逃げている最中に下らない口論で車を止めてみたり、見捨てたと思ったらすぐ戻ってきてみたり、ととにかく滅茶苦茶な行動が多いです。

そしてこの映画一番の戦犯は、何と言っても脚本ですね。まず話の設定がペラペラ。要するに今作は『悪魔の眠る町に越してきた一家が生贄に選ばれ、蘇った悪魔に追い回された挙句住民たちに捕らえられ、再び悪魔を封印するために利用されてしまう話』なのですが、ただこれだけの設定の話を100分近く使ってやるわけですから、当然いらない話がおおくなり、その結果テンポが激烈に悪くなります

そもそも悪魔が復活して話がまともに動き出すまでに60分近くかかるため、それまでの間にほぼ確実に飽きますね。そのくせ、たまに重要そうな会話をさらっとはさんでくるため、ぼーっとしていると後半に突入した段階でもう置いてけぼりに。

しかも説明不足な部分がかなり多く、悪魔の正体やこの町の歴史など背景設定が全然語られないため、真面目に見ていてもちっとも分からないということにすらなりかねません。パッと出の悪霊、悪魔ならともかく、この地に長く棲みつき住民全員が認知しているレベルの悪魔の背景が全く語られないというのは違和感しかありませんでした。

そしてこの映画のラストですが、それはもう見事なまでの丸投げ。悪魔はきちんと封印されたのか、町の住民たちはどうなったのか、ヒロインはどうして人が変わったようになってしまったのか等、その他一切のことは分かりません! まあ、このラストシーンについてはいろいろと考察する余地もありそうですが、そのためにこの映画をもう一度見直す気力はないです(丸投げ)

総評ですが、薄っぺらいキャラクターに不明な点の多い設定、そしてその上に出来た丸投げなラスト等、とにかく粗が目立つ映画でした。そして、激烈に悪いテンポによって見るものの集中力を削ぐことが、さらにこの映画の設定を分かりにくくすることに貢献しています。二週目で見落とした部分を回収してゆけば新たな発見もありそうな気はするのですが、そんなことのできる猛者はなかなかいないでしょう。

ただ、ホラーシーン一つ一つの出来は決して悪くなく、映像的にはなかなかのインパクトがありました。しかしそうは言っても、全体をまとめて見た時には決して良作とは言えないので、おススメはいたしません。

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