「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ヒトラー最終兵器 のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 イギリス
製作 2013
販売 TOEI COMPANY,LTD.
原題 OUTPOST: RISE OF THE SPETSNAZ

毎度おなじみガバガバ邦題シリーズです。今作に至っては邦題がガバッているどころか、実はこれシリーズ物の3作目らしいですね。借りる時は全く気付きませんでした。おう、こういう売り方やめーや
 ただし、この作品から見ても全く無問題です。私自身、前2作は見たことありませんが、問題なく楽しめました。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【あらすじ】

“WW2末期の1945年3月。ドイツ軍占領地区のロシア森林地帯。百戦錬磨のドロコフ軍曹率いるソ連軍特殊部隊(スぺツナズ)はナチス軍との壮絶な戦いを連日続けていた。ナチス部隊への奇襲後、ドロコフと彼の部隊は戦争の流れをも変えうる衝撃の調査結果を発見するが、任務遂行後の帰路、不運にもナチス部隊に捕らえられてしまう。ナチスの実験施設である地下要塞に人質として捕らえられたドロコフと同僚のフョードルは、そこで狂気の科学者、クラウスナー博士の姿を見掛ける。 彼は親衛隊のストラッサー大佐と共に恐怖の実験を行っていた。その実験とは無敵のバイオ・ソルジャーを作り上げることだった。2人のロシア兵は狂気の施設から脱出し、ナチス軍がヨーロッパ全土にバイオ・ソルジャーを解き放つ前に、恐ろしい実験を阻止するため戦う必要に迫られる。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………C
バイオ兵の質……B
キャラクター……B
設定………………B
アクション度……A

総合……………B
おすすめ度……B

【良い点】
・アクション(特に肉弾戦)の質がかなり良好
・バイオ兵の質が高い
・キャラクター、特に主人公が魅力的

【悪い点】
・アクションに派手さがないので、若干飽きてくる可能性あり

パッケージを見て、生物兵器と軍隊がガチバトルする展開を期待すると壮絶な肩透かしを食らいますが、B級のアクション映画としては非常に高い出来栄えとなっているため、おススメです。

【以下、ネタバレ注意!】

「余計なことは考えずにアクションを見てりゃいいんだよ!」という声が聞こえてきそうな映画です。

まず最初に注意事項ですが、先述の通りこの映画はシリーズ物の3作目です。調べてみたところ、前2作の過去の話という位置付けらしいですね。そのためもあってか、この映画は予備知識なしに見始めても何も問題はありません。私自身前2作は全く見たことがありませんので、レビューもその観点から、ということになります。あらかじめご了承ください。

では早速、良い点と悪い点に分けて見てゆきましょう。まずは、良い点から。

この映画の良い点は、キャラクターが魅力的であること、敵のバイオソルジャーのクオリティが高いこと、そして最大の売りである、アクションシーンの出来の良さ、の三点にあります。

まずアクションシーンの出来の良さから。この映画は煽り文句に「全編ほぼバトルシーン!」「余計なドラマパートは排除!」というような文言が使われているのですが、これについては嘘偽りは一切ありません。ストーリーは極限レベルまで無駄を省き、人間関係の描写は必要最低限に切り詰め、余した時間をほぼ全てバトルパートに割いています。この映画に関しては『アクションを見るための映画』という言葉がぴったりと合いますね。

そして、それほどに時間を割いたアクションシーンの出来はというと、B級映画としてはかなり良好です。舞台が地下研究所であるため、大規模な爆発やド派手なワイヤーアクションなどはなく、通路での銃撃戦と肉弾戦がメインで派手さには欠けますが、その分これらがかなり丁寧に作られており、バイオ兵との格闘戦等見どころもかなりあるため、充分楽しめました。

また、アクションシーンと関連して、敵として立ちはだかるバイオソルジャーの質もなかなかのものです。全身ムキムキで、いかにも『生物兵器』という呼び名が似合うような化け物は、特に安っぽさを感じさせることもなく、この映画を盛り上げてくれました。

さらに、キャラクターが魅力的という点も評価できるポイントです。先ほど、余計なドラマシーンや人間関係の描写は最低限に省いている、と述べましたが、それでもしっかりとポイントを押さえて作ってあるので、悪役や主人公など話の軸となるキャラクターは印象に残りました。無駄な会話がほとんどない分、好印象を覚えたほどです。

なにより主人公は、敵に情け容赦は一切かけず、超筋肉質なバイオソルジャーと生身でやりあえる等とにかく半端でなく強いので、この『アクション一辺倒な映画』にはふさわしいキャラクターだったと思います。

そして今作の悪い点ですが……正直に言うと、致命的と言えるまでの部分はありませんでした。非常に真面目に作られた映画という印象を受けましたので、邦題に反して突っ込みどころも一切ないです。ただし、ちょこちょことした不満点はいくつかありました。

まずこの映画、パッケージやあらすじを見て「バイオソルジャーとの戦闘がメインなんだな」という印象を受けるかもしれませんが、今作の戦闘の大部分は敵一般兵との銃撃戦、近接戦です。バイオソルジャーとの戦闘は、むしろアクセント的な要素です。もちろん敵兵との銃撃戦は質が高く面白いのですが、期待していた展開から考えると少々物足りないと感じました。

ただし、バイオ兵とのバトルを安売りしないことにより、硬派で真面目なアクション映画という印象も受けましたので、これについては一概に悪いとは言い切れません。

またアクションシーンは非常に丁寧に作られている一方、閉鎖的な通路で撃ちあいをしている場面が大半で、かつそれが最後までずっと続くので、全体的に地味な印象も受けました。そのため、パッケージを見て派手さやハチャメチャさを期待した人からすれば、飽きてくる可能性も充分あると思います。

総評ですが、特にパッケージから誤解を受けやすいものの、本作は非常に真面目で硬派な戦争アクション映画となっています。バイオ兵との戦闘は肉弾戦がメインで、その他のバトルシーンはほぼ敵兵との銃撃戦、近接戦のため、パッケージから受けた印象とはかなり違った内容でした。ド派手なシーンもなく、舞台もほぼ室内限定なので、地味と感じてしまう人もいるでしょう。

しかし各バトルシーンの質はかなり高く、難しいことを考えずにアクションを楽しむのには実に最適な映画であり、何よりもなかなかに面白いので、お暇な休日の午後にでもまったりと視聴されることをおススメします。

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