国籍 アメリカ
製作 2013
販売 ア ル バ ト ロ ス
メガ・シャークVSシリーズの三作目です。一作目は巨大タコ、二作目は巨大ワニと来て、とうとう三作目は機械サメとの対決です。
まずはあらすじと、予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
人気モンスターパニック「メガ・シャーク」シリーズ第3弾。氷壁に閉じ込められていた巨大ザメ、メガ・シャークが復活し、またも各地で暴れ始める。国連は世界の全海域を封鎖し、試運転前の最終兵器、メカ・シャークを急遽出動させるが…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……D
サメの質………B
キャラクター…D
設定……………D
総合……………D
おすすめ度……E
【良い点】
・サメを始めとしたCGの質は良好
【悪い点】
・相変わらずのガバ設定
・キャラクターに魅力なし
・話に派手さがなく、盛り上がりが全くない
これを見るくらいなら二作目を見ましょうという意味で、おすすめ度はEとさせていただきます。
【以下、ネタバレ注意!】
さて、メガ・シャークVSシリーズの三作目です。今作は、本家VSメカ本家というよく見る感じの構図ですね。二作目が結構面白かっただけに、今作もそれなりの期待を持って見始めました。
さてこの映画も、良い点と悪い点に分けてレビューしていこうと思ったのですが、正直良い点がほとんどありません。
この映画の良い点は、巨大サメや機械サメを始めとするCGの質がまあまあ高いことです。空母や潜水艦へのアタックなどはそれなりに迫力があり、なによりぬるぬる動きます。これについては、B級モンスター映画としては標準以上の出来と言えるのでないでしょうか。
さて、この映画のその他の要素については、もう悪い点しかありません。正直CGの質以外は、二作目から大幅に劣化しています。
まず設定ですが、これは相変わらずガバガバですね。最初に今作の目玉であるメカ・シャークですが、開発された理由が意味不明ですね。『メガ・シャークに対抗するため』とのことでしたが、劇中の活躍を見ているとどう考えても速い潜水艦レベルのしょぼい出来で、終始巨大サメに圧倒され続けます。
そもそも対ゴジ〇兵器ならいざしれず、たかが巨大サメ対策に、相手と同じ土俵で戦ってどうするんですか。優位に立とうという気がまるで感じられません。まあ、このあたりのことは考えた方が負けだと思います。
また前作では巨大サメは450mと推察されましたが、今作では何とたったの60m。どうしてもしょぼく感じてしまいます。まあ、大きさについては前作の設定に無理がありすぎた感はあるので、ここは良しとしましょう。
次にキャラクターですが、とても魅力的とは言えません。特に主人公の男女カップルは、もうどうしようもありませんでした。開幕いきなり下らない喧嘩を長々と始めて好感度を下げ、自信満々に機械サメに乗り込んだ割には、巨大サメを倒すどころか、外した魚雷で味方の船を次々に沈めてゆく無能っぷり。双方とも味方の海軍兵にギャーギャーわめいて威張り散らす姿など、どこに好感度が上がる要素があったのか知りたいレベルです。
そしてこの映画最大の戦犯は、何と言っても盛り上がりの全くないストーリー展開です。『巨大サメに対抗するために開発された機械サメに乗り込んで戦う!』 というコンセプト自体はよいと思うのですが、まず性能差が圧倒的すぎて全く燃えません。もちろん機械サメのほうが圧倒的に弱く、前半はボコボコにされるのをただ見ているだけ。
そして中盤は、何とその機械サメのAIが故障し、機械サメが人間を襲い始めます。こうなってくると話の軸が『巨大サメの暴走を機械サメで止める』というものから『暴走した機械サメを何とかする』という方向に移ってきて、巨大サメは急に空気と化します。そして結局、この話の軸は最後まで変わることはなく、ラストは機械サメを爆発させて巨大サメもろとも葬り去るといういつもの展開に。
ここで問題なのは、「またこのパターンか」ということではなく、展開に派手さ、盛り上がりが一切ないことです。前作までは、まあいろいろと粗はありましたが、メガ・シャークと敵モンスターがVSしている感はあり、人類もそれなりの対抗策を打ち出している感がありました。それに対して今作はVSしている感が全くなく、終始人類が室内で機械サメの調整に手を焼いている印象しかありません。
結局のところ今作は、前作までにあった滅茶苦茶さや派手なバトルがほとんどなく、悪い意味でおとなしい内容になってしまった、というのが最大のマイナス点です。地味で、ただただ退屈な出来になってしまったともいえるでしょう。
総評ですが、前作までと比べて明らかに話のクオリティが落ちています。前作までの良かった点は消え、悪い点はしっかり残っているという感じを受けました。何よりモンスター同士の対決が圧倒的に少なく、被害を出しているのはほぼ機械サメのみです。これでは「人類が未知の怪獣と戦っている」というより「自分たちの尻拭いをしている」という印象を受けてもしかたないでしょう。
『滅茶苦茶で強引な設定だが、巨大モンスター同士が戦う派手さと盛り上がりはあった』前作までと比べ、今作は『設定は滅茶苦茶なまま、終始地味で盛り上りがない』出来と言って差し支えないと思います。私からは、とてもおススメはしません。