「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編 後半戦/地獄の感染ドリブル編 のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

今回の映画はこちら! 見ての通りのゾンビ映画です。何と、約120分しかないくせに前後編でDVDを分けるという新手の手法を取っているため、レンタル料金が通常の二倍かかるという代物です。どうも、前後編で監督が違うらしいですね。さて、二倍の料金を払う価値はあったのでしょうか?

国籍 フランス
製作 2014
販売 Happinet

レンタル版を吹き替えで視聴しました。まずは予告編&Amazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

” Z杯開幕! ピッチにゾンビ出現!警告“無死”の大乱闘!仁義なき反則大歓迎! スポーツマンシップにまったくのっとらないゾンビdeサッカームービー!! フランス北部の町カペロングでは今夜、「オランピック・ドゥ・パリ」対地元「E.J.A.C.」との試合を控え、サポーター達は盛り上がっていた。「E.J.A.C.」の選手ジャノは、昔からのライバルであるサムに今夜の試合で勝つ為に医者の父から筋肉増強材の注射を受けるのだが、その注射には誤った薬剤が入っており…。スタジアムには選手をはじめサポーターがひしめく中、恐ろしい姿に変わったジャノは集まった人々次々とゾンビへと感染させていく。阿鼻叫喚のピッチで地獄のキックオフが始まった…!(C)Capture The Flag Films(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編…C

後半戦/地獄の感染ドリブル編…C-

【全編通して】
ストーリー………C
ゾンビの質………B
キャラクター……D
設定………………D

総合………………C
おすすめ度………C

【良い点】
・ゾンビ自体の質はなかなか良い

【悪い点】
・ガバガバな設定
・テンポの悪さ

なんとも「微妙」の一言に尽きるので、私からは特におススメしません。決して面白くない訳ではないので、興味のある方はどうぞ。

今作は前後半に分かれており、それぞれ監督も違う一本ごとの作品として独立している扱いなので、レビューも一本ずつについて書き、最後に作品全体の感想を総評としてまとめたいと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

【前半戦 死霊のキックオフ大乱闘編】

前半戦は、「始まり~ゾンビアウトブレイクまで」です。そのため、人間関係の描写ばかりでゾンビ映画としての見どころには欠けています。

それと、あらすじ(特にパッケージ裏の)やパッケージ絵を見て、『ゾンビとサッカーする映画なのかな?』と思われる方も多いでしょうが、そんなことは全くありません。単に、感染が広まった場所がサッカー場だったというだけのことです。

人間関係の描写と言いつつも、登場人物がそろいもそろってクズばかりなので嫌悪感だけがつのり、それほど濃い描写がなかったのが残念です。また、アウトブレイク発生までに丸々50分以上使うので、とにかくテンポが悪いのが問題点ですね。

ゾンビウイルスの正体にはきちんと触れてくれる点と、アウトブレイクが起きるまでに感染が広まってゆく描写が丁寧になされている点が評価ポイントでした。

正直、前半戦にはそれほど見どころもなく、しかも後半戦の最初数分で前半戦のダイジェストをやってくれるので、「早くゾンビが見たいんじゃ!」という方は別に見なくてもいいと思います。

ただし、映画としての面白さで言うと、私は前半戦の方がよくできていたと思います。

【後半戦 地獄の感染ドリブル編】

前半戦の続きでアウトブレイク発生から始まるので、当然のことながら話のテンポはいいですね。

話の内容としては『街中をゾンビたちから逃げ回り、最後にはサッカー場に全員集合。ゾンビもみんなやって来て、囲まれた生存者ピンチ!』という良くある感じですね。ただ、この映画はここからが本番です。

ゾンビの大群に囲まれた生存者たちは「もうダメだ……」と意気消沈しますが、ゾンビは何故か一向に襲ってきません。すると、主人公たちは何を思ったのか突然サッカーし始めます。そして、なぜかそれにノリノリなゾンビたち。

どうもこのゾンビ、人間を喰うことよりサッカーの方が好きらしいのです! ――あのー、今の今まで、そんな描写は一切なかったんですが……。

最後は感染元になった主人公のライバルのゾンビが現れ、主人公が彼に謝り倒すとゾンビは一瞬人間の目を取り戻したが、それを知らない仲間に刺されて彼は倒され、主人公たちはそろって町からの脱出に成功というよく分からないオチでエンド。

正直言って、終盤の出来はかなり酷いです。特にゾンビの設定がガバッガバなところが、もうどうしようもないですね。中盤まではごく普通のシリアスなゾンビ映画なのに、無理にサッカーを絡ませようとするせいで終盤はよく分からない展開になるあたりがもう見ていられません。

    ゾンビとサッカーをやらせたいのなら、それなりに伏線をまいておくなり最初からそういうギャグゾンビ映画として作るなりいくらでも方法はありそうなものですが。

また、ゾンビの大群に囲まれたピンチを主人公たちはどう乗り切るのか、というのが最大の見せ場であるのに、そこに突然後付けの設定を持ってくる、というのは「あぁ、この映画はピンチになってもこんなテキトーな感じで乗り切るんだ」という印象を持たれても文句は言えません。自ら見せ場を潰しているともいえると思います。

【全編通して 総評】

総評としては、何で二本に分けたのか分からない映画です。二本合わせても二時間ちょっとしかないですし、話の流れ的にどう考えても二本で一本の内容なので、わざわざ監督を分ける意味などなかったと思います。

監督を分けて作るくらいなら、前半は前半で、後半は後半で完結するような内容にするべきでしょう。この映画の場合は、明らかに前半と後半は両方揃わないと一本の映画とは呼べないレベルの内容となっており、二回分の視聴料を取りたかったのだと解釈されても仕方のないような出来でした。

二本合わせた映画自体の出来としては、なかなか悪くないとは思います。ゾンビの質は標準以上ですし、戦闘シーンもなかなか見どころがあります。ただし、今まで述べてきたような悪い点も目立ってしまう映画でした。

前半はテンポが悪くゾンビが全然出てこない分、ラストに向けての盛り上がりの描写は優秀です。後半はテンポが速くゾンビがたっぷり見れますが、ラストシーンはこじつけ感満載で何がしたいのか分からない出来となっています。

前半のダイジェストが付いているので、後半だけ見ても話は理解できるため、見たい人はそちらだけ見ればよいのではないでしょうか。時間があるのなら前半もあわせてどうぞ。

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