「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

フィンランド式残酷ショッピング・ツアー のレビューです(総合評価D)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 ロシア・フィンランド
製作 2012
販売 アメイジングD.C.

見ての通り、タイトル一本釣りシリーズです。どう見てもハズレですがタイトルで一本釣りされました。

Amazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“隣国フィンランドへのショッピング・ツアーに参加した母と息子。 息子はスマホのカメラで旅行の様子を撮影していた。 大きなショッピング・モールで買い物を楽しんでいると、閉店時間でもないのに、店のシャッターがガラガラと閉まる。 姿を消した店員たち! 突如店内に響く叫び声! 血まみれのツアー客! なんと店員や現地の住人が、人間を貪り食っていたのだー! 未開の地≪ロシア≫から文明の国≪フィンランド≫へ、楽しいお買いものに来た「ハズ」だった母子は、 餓えたフィンランド人たちの餌食となってしまうのかー! ?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー………D
グロシーンの質…D
キャラクター……D
設定………………E

総合………………D
おすすめ度………D

【良い点】
 なにも おもいつきませんでした

【悪い点】
 無駄な展開が多い
 ガバガバな設定
 キャラクターに魅力がない
 スプラッターシーンがお粗末

全編POV(登場人物の持つカメラで撮られた映像という体の撮影方法)なので、ブレが酷いです。酔いやすい方やPOVが苦手な方はご注意ください。

【以下、ネタバレ注意!】

まず最初に注意ですが、この映画は全編POVとなっております。POVってなんぞ? という方は、予告編を見ていただければ分かると思います。グレイブ・エンカウンターズやRECがこの形式ですね。

要するに今作は普通の映画とは違って、『登場人物がスマホで撮影している映像』が映画として流れます。まあ本当にスマホで撮影されたものなのかは分かりませんが、そのような設定になっています。

そのため、グレイブ・エンカウンターズやREC等、大半のPOV作品はハンドカメラやテレビカメラで撮影されますが、今作はそれらに比べてブレは酷いわ画質は荒いわとなかなかクセの強い作品です。ただでさえPOVという時点でブレが酷いのに、今作はそれに輪をかけた感じになっています。

ゆえにPOV好きでもない限り、見ていてかなりツラいかもしれません。初心者おすすめ度が低い理由はだいたいこれです。ちなみに私はPOV作品は嫌いではありませんが、この映画は少々きつかったです。

さて、では作品内容についてですが……私もいろいろと考えてみたのですが、正直何も褒めるべき点がなくてですね……

まず、この映画は70分と短めの映画なのですが、その割に非常に長く感じます。その理由は、前半23分間は親子の下らない喧嘩を延々垂れ流されるだけという恐ろしい構成となっているからです! この間食人のしの字もありません。だいたい、すでにこのあたりで飽きてきます

続いてキャラクターですが、メインキャラクターは屑な子供と屑な母親の二人ですので、魅力など全くありません。そんな二人の下らない会話を序盤は垂れ流されるわけなので、なかなか耐え難いものがありました。

さらに、おそらくこの映画一番の売りであろうグロシーンですが、これも標準以下です。食人を売りにしている映画なのですが、首筋でモソモソしているシーンがちらっと映るだけ、血でべったりの人間が襲ってくるだけ、のシーンの繰り返し。

さらに食人大好きな住民たちは、頭が悪いのか抵抗されるのが好みなのか知りませんが、人間を仕留めてから食べようだとか、縛って動きを封じようだとか、そんな発想は一切ありません。別にゾンビでも何でもないのですが、いきなり武器も持たずに相手の喉元にかぶりつくというワイルドさです。そのため、しょっちゅう獲物の反撃を喰らって死にます。そして逃げられます。もうね、アホかと。

というわけで、タイトルやあらすじを見てスプラッターシーンを期待した方は諦めてください

そして、間違いなくこれがこの映画一番の戦犯なのですが……それはこの上なくガバッガバな設定です。

この映画はフィンランド人がロシア人のショッピングツアー客を食人のために襲うという話なのですが、そもそもなぜフィンランド人の方々は食人しようとするのか。これはこの映画を見た誰もが思うことですが、ご安心ください、これについての説明はしっかりとあります。

しかしその理由はなんと、『フィンランド人には夏至の日に外国人を食べる習慣があるんだ!』というまさにトンデモ設定! しかもフィンランドの極一部の地域だけ、というわけではなく、ガチで大人から子供まで、国中のフィンランド人は皆その習慣が根付いているらしいのです!

もうこの瞬間から、この映画はリアリティのないただのギャグ映画です。しかも外国人を食べる習慣があるところまでは目をつぶったとしても、これについて政府が高度な情報統制を敷いてて……というようなことも一切ありません。現に主人公のガキですが、ロシアにいる友達に電話で助けを求めるというシーンもあります。

これだけ大規模な異常イベントで、さらに民間人レベルの情報漏れが国中で行われているにも関わらず、国外にこのことが全く知れ渡っていないという意味の分からないガバガバ設定。もう酷いとしか言いようがありません。

しかし、これだけでは終わりません。それに追い打ちをかけるかのように『夏至の日過ぎたら、みんな食人しなくなるから。後、逆に外国人がフィンランド人を食べれば、みんな襲ってこなくなるよ』という超都合のいい謎設定まで加わって、半ギャグ映画だったのが完全にギャグ映画になりました。

総評ですが、とにかくだらだらした展開と酷い設定のせいで緊迫感は皆無です。特に、食人の理由と助かる方法。もう本当に酷いとしか表現のしようがない映画でした。

唯一の救いとしては、視聴時間が短くて済むことですね。視聴者が耐えられなくなる前に映画が終わってくれるので、酷い苦痛というほどではありませんでした。もしこの映画が90分以上の映画だったら、間違いなく評価はEだったことでしょう。

>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊