「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

シャークネードのレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍 アメリカ
製作 2013
販売 アルバトロス
い つ も の

最近サメ映画を多く見ておりますが、正直他に借りるものがないからという本音は内緒です。ちなみにこれと一緒にメガシャーク VS クロコザウルス なるサメ映画(?)も借りてきたので、そちらもそのうちに。

レンタル版を吹き替えで視聴しました。予告編とAmazon先生のあらすじからどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

映画業界人やハリウッド俳優たちも熱狂させたモンスターパニック。突如カリフォルニア・ビーチにサメの大群が現れ、人々を襲い始める。さらに強大なハリケーンが発生し、サメを巻き込んだ状態でロスの都市部へ上陸。街中を絶望の渦に飲み込んでいく。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………B
モンスターの質……C
キャラクター………B
設定…………………E

総合…………………C
おすすめ度…………C

とにかく設定がガバガバなので設定厨の方にはおススメしませんが、「話が面白ければええんじゃ!」という方にはおススメです。

【以下、ネタバレ注意!】

パッケージを見ると分かるかと思うのですが、この映画は超バカげたガバガバな設定をゴリ押す映画となっております。しかも超ご都合主義展開連発

簡単に言うとこの映画は、『海上に発生したトルネードがたまたまサメの大群にぶち当たり、そのサメたちを巻き上げたままたまたまロサンゼルスに直撃。ロス市内は灌水して道路が水没し、トルネードに放り出されたサメが道路を泳ぐ惨事となった中、主人公たちが内陸に向けて移動する』というような内容が前半です。

サメの大群にあたったとして、トルネードがサメ連れたままロスまで来れるのかだとか、そもそもそんなのに巻き上げられたサメがロス市内に向けてぶっ飛ばされるまでピンピン生きているとかどんな生命力だよだとかすでに突っ込みどころは多々ありますが、後半はさらにそんなことどうでもよくなるほどの超展開

後半は主人公が家族を迎えに行き、さらに働きに出ていた息子を迎えに行くわけですが、そこまで来た時に「もうどれだけ内陸に逃げても無駄だ! あのトルネードをどうにかするしかない!」という訳の分からない発想に陥り、ついには「武器を集めて、降ってくるサメと戦う準備をする」と謎の宣戦布告この映画頭おかしい

「いやいや、でもトルネードなんてどうしようもないやろ」と思って見ていると、「トルネードの中心部にお手製爆弾放り込んだら、気圧差が無くなってトルネードは消滅するんや!」と謎の超理論を持ち出し、しかもそれが大成功して映画は終了! もはやここまで来ると潔いですね。

さらにこの映画のサメさんたちは、映画のなんたるかをしっかり理解してくれています。トルネードから勢いよく地面に投げ出されても、自分の着地先に人間が見えるや否や、身の安全を放り出して捕食することに全力を注いでくれます。

高いところに人間が見えればイルカもびっくりの大ジャンプから捕食形態に移り、車の屋根の上に放り出されたかと思えば屋根を食いちぎってまで中にいる人間を食おうとし、「落ちたらサメでも死ぬよね?」という高さからでも、人間目がけて大口開けて特攻など、もはや何かしらのウィルスに感染しているのではないかと思うほどの凶暴さ。

反面子供たちには一切手を出さず、子供たちが逃げ切って大人が逃げる段階になってから急にアグレッシブな活動を再開するという紳士さ。

主人公たちを襲いに来てくれるタイミングも毎回絶妙で、少しでも話が長引きそうになると、からから、はてはマンホールから水柱と共に登場など、まさにアクターの鑑のような大活躍。

さらにそんなサメたちに対抗するわけですから、主人公たちのスペックもかなりの物です。軍人がいるわけでもないのに異様に銃器の扱いが上手く、特に海岸でお店を経営する主人公は、味方のヘリに迫るサメをハンドガンで超遠距離狙撃、飛来するサメを超正確な射撃で撃ち落とす等まさに超人

そしてラストシーンですが、飛来したサメの腹にチェーンソーを手に特攻した主人公が、腹の中から肉を切り裂いて脱出してくるという完全な人外っぷり。しかも超都合のいいことに、実はそのサメ、後半でヒロインを丸飲みしたサメだったことが何の脈絡もなくたまたま発覚し、腹の中から彼女も救い出してハッピーエンドという終わり方。近年まれに見るご都合主義展開でした。

とまあこの通り、今作はご都合主義満載かつ超理論登場のガバガバ設定となっておりますが、それを除けば評価できる点は多いです。

ストーリーは基本的にテンポよく進み、主要キャラの死ぬ頻度やサメが襲ってくるタイミングはなかなか良いため飽きずに見ていられます。

キャラクターも魅力的で、死ぬと視聴者がショックを受ける程度には完成されていました。

サメのCGはお粗末なものがありますが、水中を泳いでいるシーンでは特に気にならない完成度でしたので、特に酷いというほどではありませんでした。

ただしかし、サメの襲撃方法がワンパターンなのは気になります。この映画、なぜかサメが水流と共に窓を突き破って襲撃してくるシーンがやたら多く、そうでなければ空から飛来してパクッのほぼ2パターンです。もう少しバリエーション豊かにしてほしかったというのが本音です。

総評ですが、とにかく設定がガバッているせいで、起こること起こることに突っ込みながら見てしまうのと、超理論の繰り返しで現実味がなさ過ぎて失笑してしまう映画でした。そのせいで、ハラハラドキドキ感はほぼありません。

反面、テンポの良いストーリーや魅力的なキャラクター、空気を読んでくれるサメさんたちに助けられ、内容自体はなかなか良かったと思います。B級映画において『飽きずに最後まで見れる』というのは超重要な評価項目なので、これらの点は素直に評価できますね。

私のような設定厨にはおススメはしませんが「設定とかどうでもええねん、面白ければええんや! わしはサメに人がバクバク食われる映画が見たいんじゃい!」という方にはなかなかおススメです。おまけに主人公はかなり人間をやめている感があるので、超人系主人公好きの方もどうぞ。

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