国籍 オーストラリア、シンガポール
製作 2012
販売 松竹
この映画、レビューを書くかどうかすごく悩んだんですけど……まあ、やっぱり書くことにしました。理由は後述。
レンタル版を吹き替えで視聴しました。Amazon先生のあらすじを、予告編と合わせてどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
“イタリア、ロシア、アジア各国を巻き込んだ悲鳴の連鎖反応! 恐怖のスーパーマーケットから生還出来るのか! ? 洪水に飲み込まれた一軒のスーパーマーケット。密室状態の空間で、次々に襲いかかる巨大人喰いサメ! 殺人カニの大群! 高圧電線! 殺人鬼! 戦慄と恐怖の連続が見る者を恐怖のどん底に引きずり込む! ! 2012年ヴェネチア国際映画祭が悲鳴の渦に! イタリア、ロシア、中国など世界中で興行収入1位を記録したパニック・アクション! Blu-rayは、2D・3D再生可能なコンパーチブル仕様! (本編のみ) 『バイオハザードIII』『ハイランダー』で有名な、オーストラリア映画界の至宝ラッセル・マルケイが製作総指揮と脚本を担当! 主演は『トワイライト』シリーズに出演し、次世代イケメン男優として注目されているゼイヴィア・サミュエル! 過激すぎて劇場公開時にはカットされてしまった幻の映像4分間を、Blu-rayでは完全収録! <ストーリー>大洪水に呑み込まれた一軒のスーパーマーケット。そこに閉じ込められた13人の生存者たち。 水中からは巨大な人喰いザメが、天井からは人喰いガニの大群、水上には高圧電線が垂れ下り・・・。しかも、13人の中には強盗犯、殺人鬼が潜んでいた。 次々と彼らを襲う危機また危機! いま、地獄のスーパーマーケットからの脱出を求め、彼らの生命を賭けた挑戦が始まろうとしていた!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)“
ストーリー……B
サメの質………B
キャラクター…C
設定……………D
総合……………B
おすすめ度……B(D)
飽きさせない展開や高いCG技術など評価できる点が多くありますが、グロシーン多めなのでグロ耐性のない方は微注意です。
おすすめ度B(D)ってなんだよ、については詳細なレビューの中で書きます。
またこの映画は劇場でも公開された作品ですが、その際には震災に配慮してか津波のシーンが丸々カットされていたようですが、DVD版は完全ノーカットです。
【以下、ネタバレ注意!】
つまりこの映画、題材などは完全にB級映画感満載ですが、B級映画ではないです。まあ、B級映画の定義自体かなりあいまいみーなのでなんとも言えませんが、少なくとも日本で3D劇場公開するだけの金はかかっているという点は頭においておいてください。
さて、今までいくつかB級映画のレビューを書いてきましたが、B級だから許せるラインってあると思うんですよね。例えば「お粗末なCGだけどB級映画だからいっか」「俳優の演技は下手だけどB級だし許そう」という具合です。もし劇場にバイオハザードを見に行ってですよ、そこに出てきたゾンビがそこらのB級レベルのクオリティだったら激怒不可避ですよね。
そうなると問題は、果たしてこの映画はどちらの視点で評価するのか、という点です。題材はB級なのは間違いなく、実際私はこのタイトルをネットで検索するまで、この映画もそこらのB級と同じものだとばかり思っていました。反面きちんと3Dで劇場公開もされており、そこらのB級と同じ扱いでいいのか、とも思います。
結論から言うと、上記の評価項目は、この映画をそこらのB級映画と同じ視点で見た時の評価にしました。結局見る側の視点からすると、金がかかっていようがいまいが、劇場公開されてようがなかろうが、面白ければなんでもいいわけですからね。まさかこの映画のパッケージを見て、バイオハザードやトランスフォーマー等のA級映画と同じクオリティを期待する人はいないでしょうから。
ようするにこの映画ですが、例えばB級映画でも借りてこようかと思い立ち、何も知らずに今までにレビューしてきたようなバリバリのB級映画と一緒に借りてきて、何本かだらだらと見ている時に「お、この映画面白いじゃん」という姿勢で見るのならかなりおススメです。
ストーリーはテンポが良く、ダラダラと話を引き延ばされるというようなイライラさはありません。CGは粗が目立つ部分もありますが基本的によくできており、特に津波のシーンやサメの迫力は全般通してかなりの出来です。
ただまあ、やはり悪い点はありますね。この映画、津波で水没したスーパーマーケットが舞台なんですが、話の関係上そこから全く動かないので、題材の割に絵面が地味です。また、津波で水と一緒にサメが流れてきた! というかなり強引な展開から始まるうえ、サメがウイルスに感染しているかの如く人を襲いまくるので、いろいろと設定に違和感はあります。キャラクターも、人数が多いせいか空気な人が多いので、印象には残りづらいかもしれません。
しかしそれらを差し引いても、テンポの良さとCG技術が相まってなかなかに魅力のある映画なので、暇つぶしにだらだら見る、という方にはおススメです。
ところがですね、例えばこの映画を劇場でやっていたことを知ってて「あの時見に行けなかったからDVDで見よう、いやあ楽しみにしてたんだ」というような姿勢で見てしまうと大火傷必須です。
いつまでたっても水没したスーパーしか映らない単調な映像、話に合わせてじっとしていたと思ったら、都合よく襲ってきてくれるサメ。先ほど褒めたCG技術ですら、他の劇場公開されたようなA級映画に比べるとかなり粗が目立ちます。ちなみに、この映画をもし先述のような期待度を持って見てしまったら、評価はこんな感じになります。
ストーリー……D
サメの質………C
キャラクター…C
設定……………D
総合……………D
おすすめ度……D
もっとも致命的なのは、この手のモンスター物、パニック物としては、圧倒的に映像が地味なところですね。サメは迫力があると言っても、所詮舞台は水没スーパーしかないので映像に派手さが足りません。設定も(サメが毎回きちんと襲ってきてくれるという意味で)ご都合主義満載。ただまあこの視点で見ても、サメと対決するラストシーンだけはかっこよかったと思います。
総評ですが、前情報なしでB級映画として見るか、3Dで劇場公開されたことを知っててそれ相応の期待を寄せて見るかで、評価ががらりと変わる映画です。ですがまあ、ここまでレビューを読んでくれたあなたはもうそんな期待を持っていないと思うので、あくまでB級映画として見てみてください。きっと、あなたが思っている以上に楽しめると思います。
なんかレビューというより、B級映画とは何か、みたいな話がメインになってしまった気もしますが、たまにはこういうのもいいでしょう。いいですよね?