「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

シン・感染恐竜 のレビューです(総合評価D)

(画像:Amazon商品ページより引用)
「うわっ! ダマされた!」のキャッチコピーが一番面白い養殖クソ映画のレビュー、はじめます

シン要素どこ……?

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2021
  • 販売 コンマビジョン

あらすじ

うわっ! ダマされた!

最新の科学技術で復活した最強の肉食恐竜ティラノサウルス・レックスがロサンゼルスの研究所から脱走。
しかもその恐竜は非人道的な実験により最悪の感染症、エボラ出血熱のスーパー・スプレッダーとなるべく開発された生物兵器だった…!
獰猛な恐竜とパンデミックという2つの災害に同時に直面したLAの街では “”ジュラシック・ロックダウン”” が発令され厳戒態勢が敷かれる一方、米軍による感染恐竜駆除作戦が開始されるが…

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
恐竜の質
設定
総合

良い点

  • 恐竜がちゃんと出るし人も襲う

悪い点

  • 面白くなさが中途半端でイマイチ消化不良

「うわァアァアアアァァアアアァアアなんだこのクソ映画アアァァァアアアァァふざけやがってエエェェェエエエェェエ絶対酷評してやるゥウゥゥウウゥゥボロクソ言ってやるウウウゥゥゥウウゥウウゥ‼︎‼︎‼︎‼︎」というタイプの映画ではなく「ウン、マア、オモシロクナイネ……(冷静)」となるタイプの作品のため、見終わった後の消化不良感がすごかったです。面白くないなら面白くないでこう、徹底的に面白くなくしてほしいというか、面白くなさが中途半端というか……。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 面白くない映画が見たいんだけど、狙って面白くなくしてる「作られた面白くなさ」は嫌なんだよな(我儘)

 さて今作ですが、エボラウイルスに感染した恐竜、エボラレックスが暴れ回り、まあそれはそれとしてサイコパスジジイがオッサンを監禁する長々としたシーンと、賞金稼ぎが恐竜を探して森の中を練り歩くだけの映像が交互に流れるような感じの作品です。
 ストーリー? そんなもんないよ?

 というわけで、早速詳細な内容を紹介ーーという話に入る前に、まずは今一度、パッケージの画像をご覧ください。

(画像:Amazon商品ページより引用)


 左下に、何か書いてありますね。どうやら、「うわっ! ダマされた!」とあります。それでは続いて、パッケージ裏の画像もご用意。

(画像:Amazon商品ページより引用)


 はい、大変不穏な一文がデカデカと印字されていますね。

 そうです、今作はこういう映画です。
 わざわざ書いてくれるなんて、良心的だなぁ……

 というわけで、早速良い点から見ていきましょう。今作の良い点は、タイトルに偽りなく、感染した恐竜はちゃんと出て来て、ちゃんとそれなりに暴れ回ってくれる、という事です。

 先ほど掲載した、大変不穏なジャケットのキャッチコピーとは裏腹に、今作にはなんと、恐竜が出て来ます! しかも、ちゃんとエボラウイルスに感染しているのです! タイトルに一切偽りなし! うーん、これは神映画。

 まあ、皆様ご存知の通り、CGのクオリティ自体は決して高いとは言えないんですけど、それでも道路上で恐竜が闊歩し、道端の車をぶん投げてヘリを撃墜するシーンや、通行人に襲いかかって頭から喰らいつくシーンなど、ちゃんと「人を襲う」「暴れる」シーンが多数収録されているのは、”この手の”映画から比べると、かなり頑張っていると言えます。
 
 というわけで、良い点は以上なんだな、これが。続いて悪い点なんですが、これは、てきとー極まるストーリーと設定ですかね。

 まず今作、ストーリーらしいストーリーが存在しません。前半こそ、エボラウイルスを注入されたティラノサウルスが研究所から逃げ出し、街中で暴れ回る、という場面で始まってちょっと期待を煽ってくるんですけど、なんでティラノサウルスが現代にいるのか、なんでエボラウイルスを注入されたのかなど、作品の根幹に関わる部分のマトモな説明は当然されません。というか、完全に、「エボラウイルス」「エボラレックス」の響きが似てるから付けただろ、としか思えない。エボラ設定がまるで息してないし。

 またストーリーもまあ酷くて、特に中盤以降は、「サイコパスジジイが小太りのおっさんを監禁するシーン」と「逃げ出した恐竜を探して、賞金稼ぎが何もない森林を自撮り配信しながら練り歩くシーン」の二つだけが交互に展開されるため、まあ全く話が進みません。いや、話が進まないというか、進める話がないというか……。というわけで、70分という大変短い作品ながら、ほぼ確実に途中で飽きると思いますね。これが今作の悪い点です。

 ーーと、言いたいんですけど。

 個人的には、今作の悪い点、多分ここじゃないと思うんですよ。ちょっと辛辣なこと言ってもええです?

 今作、確かにつまらないことはつまらないんですけど、そのつまらなさの加減が中途半端だと感じました。

 世の中につまらない作品ってまあ星の数ほどあると思うんですけど、正直つまらなさも、突き抜けるところまで突き抜ければそれはもう個性になる、と私は思っています。例えば、デビルシャーク(エクソシスト・シャーク)なんかはいい例ですね。

 もちろんつまらなかったら、文句は言いますよ。ただ、突き抜けたつまらなさを持つ作品に対しては、こっちも心の底から、感情剥き出して、本気でブチギレて文句を言えるので、全部言い終えた後はちょっとスッキリするし、なんなら後々ネタにもできるので、「中途半端で可もなく不可もなくな作品を見せられるよりはよほどオイシイ」というのが正直な感想ですし、多分多くの人がそうなんじゃないかな。

 それに比べて今作はどうかというと、正直言って、つまらなさの度合いが中途半端なんですよね。確かにストーリーは皆無だし、CGはガバいし、設定もテキトー感満載なんですけど、どこかイマイチーーそう、今作からは「わざとつまらなくしてやろう」という気が所々から感じられるんですけど、その割には突き抜けてつまらなくなり切れていないのです。

 いや、いいんですよ。世の中、「徹底して面白くない方が逆に面白い」みたいな方向性を狙っている映画もチラホラ見かけますから、それ自体は全然。ただ、そうするならそうするで、もっと思いっきり、全力でつまらなくしてほしいんですよこっちとしては。

 確かに今作、つまらないはつまらないですけど、でもちゃんと恐竜は出てくるし、CGは荒いなりにもちゃんと恐竜を暴れ回らせて頑張っちゃってるし、人間はちゃんと襲うし……。いや、ダメなのよ、つまらない映画がそんなマトモなことをしちゃ。もっと言うと、「つまらなくしようという意図が見える映画」がそんなことしちゃあかんのよ
 それをして許されるのは「製作陣が真面目に面白くしようと作っているのに、どう足掻いても面白くない」という、天然物のクソ映画だけや。

 このせいで、今作を見終わった時は、「うオォオオォォオオオォォォなんて酷いんだアアァァァアアアァァ絶対酷評してボロクソ言ってやるウウゥゥウゥウウゥウウウゥウゥ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」みたいな熱量になりきれず「ウン……マア、オモシロクナカッタネ……」みたいなテンションになってしまい、消化不良感が凄かったのを覚えています。

 まあ、こんな文句をたらたら述べてますけど、多分、今回私がこう感じたのには明確に理由がありましてーーそれは私が、もともとこの作品が「面白くない」「詐欺映画である」という情報を持っていたので、「クソつまらない」のを期待して見たせいですね。
 「クソつまらないのが来る!」と思って身構えていたのに、意外とクソつまらなくないのが来たせいで、肩透かしを喰らってしまった。言うなれば、それだけのことでしょう。多分私が、今作をレンタルビデオ店で見かけて、「おっ、なんか面白そう!」と思ってレンタルし、家に帰ってこの内容をお出しされたら、多分普通にブチギレてたと思う。まあ映画の感想なんて、結局はその作品の前情報や、事前の期待値に大きく左右されてしまうので、仕方ないことかな……とは思います。

 しかし今作を客観的に見た場合、面白くないと言うことだけは疑いようのない事実ではありますから、面白い作品を見たい人にとっても、逆に思いっきり面白くない作品を見たい人にとっても、どっちにしても近寄らなくていいんじゃないかな……と思いました。

 それでは、今回はここまで。ご視聴ありがとうございます。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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