「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ファイナル・ジャッジメント のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 
あの名作「ファイナル・デスティネーション」シリーズのパクリ邦題作品──かと思いきや、実は同じ監督・脚本の方が製作された作品のレビュー、はじめるわ。

なお、あんまり面白くない模様。かなしい。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2020
  • 販売 アメイジングD.C.

あらすじ

強盗事件で父親を亡くしトラウマを抱えるケイトリン。ある日、公園をジョギング中に
見知らぬ男性が襲われる暴行事件に遭遇。ケイトリンを含め、その場に偶然居合わせた誰もが
その被害者男性を救う行動を起こせず、後日、ニュースでその被害者男性が亡くなったことを知る。
そして、その夜よりケイトリンの周りでは不思議なことが起き始め、暴行現場に居た者たちが
次々に不審死を遂げ始める。ケイトリンにつきまとう死の黒い影、その正体とは・・・!?
止まらない死の連鎖に女性が挑むサスペンスフルなホラー作品!

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
設定
総合 C-

良い点

  • テーマ設定だけは良かった

悪い点

  • 起伏がなく全く盛り上がらないストーリー
  • ホラーとしてもサスペンスとしても中途半端

 あの名作「ファイナル・デスティネーション」シリーズのパクリ邦題作品──かと思いきや、実は同じ監督・脚本の方が製作された作品です。その売り文句にホイホイ釣られて借りたのですが、出来栄えは微妙の一言。「殺人事件を傍で見ていただけで、何もしなかった奴らがターゲットにされる」というテーマ設定は良かったんですが、とにかくあらゆる要素が中途半端で盛り上がりません。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 ネットでタイトル検索かけたら、幸福の○学製作の同名映画が出てくるという罠。

 さて今作ですが、一言でいうなら、なんというかこう「見どころがない映画」です。「殺人事件を目撃しながら、ただ傍観するだけで何もしなかった人たち」が狙われるという、なかなかに良い目の付け所なテーマ設定から繰り出される、圧倒的退屈なシナリオ。もうちょっと内容にひねりが欲しかった。

 それでは、さっそく今作の詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点なんですが、これはテーマの設定が上手であることに尽きます。

 先述のとおり、今作はとある殺人事件における、目撃者たちにスポットを当てた作品。とは言え、もちろんこれまでも「目撃者が犯人に狙われる」的な内容の作品は山ほど作られてきました。しかし今作の場合は、被害者を助けるでもなく、ただ事件を傍観していただけの傍観者たちが、霊的な現象に遭遇し、順番に殺されていく――という、ホラー的な描かれ方をされている点が特徴的。そして、このテーマ設定における目の付け所自体はかなり良いと思います。

 実際私も、この設定を見て「面白そうやんけ」と思ったのが、今作を見ようと決心した決め手でした。単なる目撃者でなく、傍観者に焦点を当てようという発想。昨今何かと話題の「目の前で人が倒れているのに、ただスマホで撮影するだけで自分たちは何もしない傍観者」をターゲットにしようという発想、これ自体は普通に興味を惹かれる題材だと思ったです。

 というわけで、良い点以上。続いては悪い点ですが、起伏がなく全く盛り上がらないストーリーと、とにかく中途半端な内容に終始してしまっていることの2点です。

 先述のとおり、今作はテーマこそなかなか目を引くものに設定できている一方で、内容的な出来栄えは非常に微妙の一言。何がいけないって、もう全部が全部、中途半端すぎるのです。

 例えば今作、主人公が死んだ被害者の幻覚を見たり、幻聴が聞こえたり、流れているはずのない映像がテレビから流れているのを目撃したり、などの超常現象が頻発します。しかしこれらの描写、毎度毎度あっさりし過ぎている上、基本ワンパターンで全く怖くなく、ホラー映画としては明らかに見所不足で退屈。その上内容自体も、「27という数字をよく見かける(2、3回程度)」という、心霊現象と呼ぶにはあまりにもこじつけが過ぎるものなど、もはや被害妄想に近いものなども含まれており、それを理由にキャラがビクビクしている様を見せつけられても、まあ怖くないよね、という感じでした。

 かつ「今作における怪現象(と思われたもの)は、実は人間が起こしており、傍観者が立て続けに死んでいくのも心霊現象によるものではなく、ちゃんとした犯人がいた」というサスペンスっぽいオチがつくのですが、この犯人というのも「そりゃ、これが怪現象じゃないとしたら、動機があるのはお前以外いないだろ」という、何のひねりも意外性もない人物だったりするため、サスペンス映画としてみても微妙極まりない、という隙の無さ。

 これが例えば「犯人の特定は容易だとしても、主人公が見る被害者の幻覚など、もはや心霊現象としか説明しようがない事象にも全てトリックがあり、それを完璧に説明しきる」などの内容であれば見ごたえがあってスゲー、となったと思うんですが、今作はその辺について「実際に傍観者を殺してたのは人間だけど、まあそれはそれとして心霊現象はあるお^^」というクソみたいなスタンスなので、まあ盛り上がらんのだわ見てても。

 というかそもそも、「傍観者が狙われる」というテーマ設定についても、全員が全員スマホで撮るなり面白がって止めなかったりなど、明らかに傍観者側にも非がある→天誅、的な流れなら「ええぞやったれやったれ」というノリで楽しめたのですが、そんなクソ野郎は傍観者たちの中でも一人だけだったんですよね。残りの全員は「見てるだけで何もしなかった」というよりは「いきなりのことすぎて動けなかった」という方が正しいし──

 いやーこれがさ、例えば数分間殴られまくってるのを何もせず見てるだけだった、とかなら遺族から恨まれるのも分かるけど、わずか十数秒~数十秒の出来事やぞ。何の脈絡もなく、目の前で人が全力でぶん殴られはじめて十数秒、とっさに動ける人の方が稀有やろ、と思わずにいられない。しかも主人公に至っては、スマホ撮影してるやつを制止した上で、ちゃんと通報してるし。それを、殴り殺した犯人は野放しにしたままで、真っ先に傍観者たちが心霊的なノリで襲われていくのを見てると、「いや逆恨みもいいところやろ、てかまずは自分を殺した犯人を呪えよ」という考えが頭をよぎり、いまいち話にノれなかったです。

 というわけで総評ですが、まあ目の付け所自体は良かったと思うんですけど、内容が完全についてこれてない、そんな感じの映画でした。ホラーとしてもサスペンスとしても見所に乏しく、そのせいで盛り上がりもしないオチも中途半端極まりなく、見終わっても「終わったなぁ」以外の感想が出てこなかったです。面白くなくはないんですが、面白くはないので、気になる方以外はスルーでいいかな……。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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