「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

みかんを食べながら今年の振り返りをするB級映研部

師走 某日

某高校 B級映研部 部室にて

叢雨 藍
いやー、今年ももうすぐ終わりね
荒都 素晴
? 何ですか、急に
いえね、あったかい部屋でみかん食べてると、なんか年末って感じしない?
……そうですかね? どっちかというと年始じゃ?
はぁ〜、部室でぬくぬくしながら食べるみかん、最高よね〜
(ものすごい幸せそう……)
というわけで、すばるん。みかんもう1個取って
勝手に変なあだ名付けないでください
はい、どうぞ
ありがと〜
じゃあ、そんなすばるんに、お返しあげる

ガサゴソ……

あった。はいこれ
? なんですか、これ
 
『活動報告書』?
そうよ。その紙に今年の部活の活動記録を書いて、生徒会に提出しなきゃいけないの
というわけで、すばるん書いといて
えぇ〜……
いや、別に書けと言われれば書きますけど……これ、部長名で出すんですよね? 先輩がチャチャっと書けばいいじゃないですか。
いやよ
なんで?
面倒くさいから
…………はぁ
(まあいいや。チャチャっと書いちゃお)
えーっと、部名、記入者、部員一覧、活動場所、っと……
すばるん、みかんの白いスジ取って
今忙しいんで、ご自分でどうぞ
…………
次の欄は、活動実績──実績、か……
…………

チラッ

先輩、この部って何か書くほどの実績ありましたっけ?
みかんのスジ取って
取ったらこれ、書いてくれます?
いや
じゃあ、ご自分でどうぞ
…………
うーん、実績か……実績って言われると難しいな。週に数回映画見て、感想垂れ流してるだけだしな……
まぁ真面目な話、映画の感想ブログやってるんだから、『部室で映画を鑑賞し、その感想をブログにまとめて掲載している』とか書いて、今年は合計何本掲載しました、とか書いておけばいいんじゃない?
あっ、そうですね。そうしましょうか
というか先輩、真面目な話も出来たんですね
みかんのスジ
しつこい
…………
えーーーっと……今年のレビュー投稿本数、80本もあったんですね
まあ、週1〜2本更新だから、そのくらいよね
ちなみに評価別に見ると、こんな感じでした
評価 本数

B級映画としては面白い
または、独自の強みがちゃんとある等

15
B級映画ならこんなもん 40
B級映画であることを加味してもつまらない 23
ゴミ 2
……評価D以下、多いですね
まあ、評価Bの 2倍以内には収まっているから、こんなもんじゃないかしら
ところで先輩は、今年見た映画の中で、印象に残っている作品ってあります?
いやそうじゃなくて、レビュー上げた中で、です!
なんだ、レビューした中でか……そうね
面白いかどうかは別として、最も印象に残った映画で言うと、「BAD CGI SHARKS 電脳鮫」ね
あぁ。あの、なんか「現実世界に現れたCGのサメが襲いかかってくる」とかいう変な映画ですか?
そう、変な映画
先輩、あぁいうイロモノみたいな映画好きですもんね
いや、でも実際見た時は「革命が起きた」と思ったのよ。だってこれまでのクソ雑CGサメ映画って、あくまでCGが雑なのは制作都合であって、映画に登場するキャラクターたちにはそれが恐ろしい怪物に見えているわけだから、メタ要素なしにはそのCGの雑さに触れることはできなかったわけじゃない?
でも今作は違うの。今作のサメは「電脳世界から飛び出して来たクソ雑CGのサメ」というモンスターなわけだから、キャラクターたちの目の前にも、私たち観客が見ているままのクソ雑なCGのモンスターが存在していることになるわけなのよ! つまり、メタ要素を一切抜きにして、CGの雑さをキャラにイジらせることが出来る! この天才的発想、やばいでしょう? やばいわよ!
めっちゃ早口で喋りますね
ちなみに、この会話を読んでくれているそこのあなた。そんな今作の詳細なレビューはこちらよ。是非読んでね
唐突なメタ宣伝
逆に、すばるんは何かある? 印象に残った映画
じゃなくて、レビュー上げた中で
うーん……今年公開の映画ではないですけど、1番印象に残った作品といえば、やっぱりこれですかね。犬鳴村
あ、そこ触れちゃう?
いや、この話題になったら避けて通れないですよ、これは。だってこの映画、本当に信じられないくらい面白くなかったじゃないですか!
まあ、それについては同感ね。ここまで純粋な「金のかかったクソ映画」もなかなかないと思ったわよ
いや、もう100歩譲って演出が全然怖くないのはまだ良いんですよ。ホラー描写が刺さるかどうかはその人次第ですし
でも何が許せないって、脚本ですよ脚本! なんですかこの幼稚園児が3日で書いたような脳死展開大歓迎ご都合主義満載のゴミみたいなシナリオは!
……すばるん?
いやもう1000歩譲って、村という場所に関する呪いと村の血筋に関する呪い、両方の視点を絡めてストーリー展開していこうとしたけれど、話がとっ散らかってしまって上手くまとまらなかった、ていうだけなら「やりたい事は伝わるし、挑戦に対する失敗だもんな」って多少寛容な気持ちにもなれますよ!
でも、血色の良い幽霊が出て来て、わざわざ映写機使って犬鳴村の歴史解説してくれるコーナー設けたりする思考停止っぷりだとか、それまで散々心霊描写を扱ってたくせに途中から完全に出来の悪いモンスター映画が始まる支離滅裂さとか、クソ安っぽいテーマの感動展開をねじ込んで来てなんか無理矢理良い話っぽく仕立て上げてこようとする強引さだとか、もう徹頭徹尾脚本が酷すぎるんですよ! 絶対何にも考えずにその場のノリで脚本書いたでしょ!
めっちゃ早口で喋るわね
もうこれはマジで酷かったですよ! 見るだけ時間の無駄なゴミです!
ホラー風コント!
映像付きフリスビー!
懲役108分!
ま、まぁ、落ち着いて……ね? ほら、みかんあげるから。ちゃんとスジも取っておいたし……
いや、私スジ付いている方が好きなんで
は?
『というわけで、犬鳴村はマジでゴミでした。もう2度と見たくないです』、っと
はい、書き終わりました
うん、ありがとう
(一応活動報告書だし、後で過激な箇所は消しておきましょう)
いやー、でもこうやって、今年の活動内容を書き起こして再確認してみるのも、なんか年末感あっていいですね
そうね。今年もたくさんの作品に出会えて、良い年だったわね
最初は「こいつ面倒ごと押し付けて来やがってクソが」って思いましたけど、書いてみて良かったです!
うん。すばるん、なんか口悪くなってない?
というわけで、先輩。来年もよろしくお願いしますね
え、無視?

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