「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ジャングル・ツアーズ のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 
見れないほどではないけれど、びっくりするほど盛り上がらないジャングル探検映画のレビュー、始めます。

CG等が低クオリティなのは全然構わないけれど、ストーリーがつまんないのはNG

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2021
  • 販売 アルバトロス

あらすじ

ブラジルの奥地で、考古学調査隊が消息を絶った。行方不明になった父親のキーリン博士を探すため、娘のアマンダたちはクルーズ船をチャーターし、アマゾン川をさかのぼる捜索の旅に出る。ジャングルの深奥に到達したアマンダたち。そこで《ジャングルの心臓》と呼ばれるエメラルドを発見、遂にキーリン博士の救出に成功する。だがそれにより、“アマゾンの守り主”と怖れられる怪物・クルピラの封印が解かれてしまった…。

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
モンスターの質
設定
総合 C-

良い点

  • ワニとかクモとかヘビとか、なんか色々と出て来てはくれる

悪い点

  • 毎度盛り上がりそうで毎度絶妙に盛り上がらないイベントの数々

 ジャングルが舞台ということもあり、モンスターというかアニマルがなんか色々と出ては来るので、絵面的にはなかなか悪くない作品です。反面、ストーリーのお粗末さが半端ではないため、「見れないことはないけど特段面白くはない」という大変反応に困る作品でした。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 「時間の無駄」とまでは言わないですが、じゃあ見るべきかと言われると「別に……」という、数多あるB級映画の山に真っ先に埋もれていきそうなタイプの、ある意味で最も無価値と言える作品。マジで、徹頭徹尾面白く作れとは言わないので、何か一つでも「うぉっ、これは!」と思わせてくれる要素がないとオススメもできぬわぞ。

 それでは早速、良い点から見ていきましょう。今作の良い点は、モンスター、というよりアニマルは色々な種類が出てきてくれるため、絵面的には悪くないことです。

 まず、↓パッケージを見ての通り、クモ、大蛇、そして、なんかバイオハザードに出てくるハンターみたいなやつの3種類が映っており、こいつらはちゃんと本編に登場します。

(画像:Amazon商品ページより引用)

 そしてそれどころか、今作にはこれ以外にも色々なモンスターが出てくるのです。

 覚えている限りでも、毒ガエル、ピラニア、ワニ、原住民の群れなどなど盛り沢山。この手の作品だと、「パッケージに映っているのに本編に出てこない」という詐欺はありふれていますが、逆に「パッケージに映ってないのに本編に出てくる」というのは、それだけで満足感が得られて良きでした。

 これだけの種類の敵がでてくるので、必然的にモンスター登場イベントから次の襲撃イベントまでの間隔が比較的短く、割とぽんぽんとハプニングが起きてくれる、というのも見飽きにくさに繋がっていて助かりますね。

 それでは、良い点は以上です。続いては悪い点ですが、これはとにかく盛り上がりそうで盛り上がらない、毎度微妙な展開の連続である、ということです。

 先ほど、モンスター自体はポンポンと出てきてくれるため見飽きにくくはなっている、と言いましたが、その反面でモンスター登場シーンは毎度毎度かなりあっさりしており、これがまたキツい。なんかがちょろっと出てくるがこいつの出番はおしまい、ほんで少し進んだらまた次のがちょろっとだけ出てきて終わり、ほんだら次は……というワンパターンな展開の連続で、これがまあ大変に盛り上がらないのです。

 たとえば、最初の毒カエルの群れとの遭遇では、

 突然目の前にカエルの群れが現れ一同硬直
→ほんのしばらくの睨み合いののち、「走れー!」の掛け声とともに一斉に逃げ出す
→それを追うようにカエルも一斉に襲いかかって来る
→すぐに逃げ切って次のシーンへ

 という具合で、接敵から逃亡回避までがほんの一瞬で終わってしまいます。これがこのシーンだけであれば、「まぁ序盤の前座みたいなシーンだから、こんなもんだよね」と笑っていられたのですが、残念なことに今作はこのようなパターンが多い。少なくとも、中盤以降に接敵するワニと巨大クモとの遭遇シーンに関しては、まんまこれと同じような流れなので、まるで盛り上がりません。

 一応、ピラニアと大蛇に関してだけはそれなりにまともな戦闘、襲撃シーンとはなっているのですが、これらにも少し問題が。

 ピラニア戦はそれなりの尺を取ってあり、かつ序盤の襲撃ということもあってなかなかに目を引きますが、こいつらはどちらかというとキャラクターたちを船から下ろして陸に上がらせるための装置としての起用に留まり、本作のメインを張れるほどではありません。

 また大蛇の群れ戦に関しては、始まった瞬間に棒立ちしてるだけのキャラクター全員が次々とギャグの如く蛇に丸呑みにされるところから始まり、その後ヒロインが持っていたナタで腹を切り裂いてあっさり脱出。そこからは順番に、通り過ぎていく蛇の腹を裂いて1人ずつ助けていくだけで戦闘らしい戦闘はなし、という「いや、ここいる?」程度の出来しかありませんでした。しかも、これが実質最終戦ですからね。いや、盛り上がらんわ。

 とまあ、モンスターの出番と種類だけは多いものの、使い方がイマイチなためになんだかなぁ、な感想に落ち着いてしまう今作ですが、1番残念なのはやはりラスボス戦

 今作のラスボスは、パッケージにも映っているバイオハザードのハンターみたいなやつ。こいつがヒロインたちの目の前で復活して大ピンチに陥り、「一体ヒロインたちは、どうやってこいつを倒すのか!」という局面において、ラスボスくんはなんと、「キャラクター一同を無視して背中を向け、森の奥に進んでいく」というまさかの行動を取ります。それに対してキャラクターたちも、

おっ、見逃してくれたで! いやーよかったよかった!
さ、帰るべ

 の流れでアッサリ終わり。

 ……………………

 いやいやいやいや、確かに相手は(他称)ジャングルの守り神だし、戦闘を避けられるに越したことはないんでしょうけど、お前映画としてそれでええんか? おかげで、最後の最後の盛り上がりそうな場面も見事に空振りという、ものすごい肩透かしを食らって終わりとなりました。

 というわけで総評ですが、まあモンスターの登場種類、並びに出番自体が多いのは大変喜ばしい事なんですけど、その反面でどいつもこいつも見せ場に乏しく、選手入場→使い捨ての如くあっさり退場→次選手入場……という流れを繰り返すのは如何なものか、と思わざるを得ませんでした。話の整合性とかは最悪アレでもいいんで、とりあえず見所と盛り上がりを作るところは最低限クリアして欲しい、と強く思った作品です。作品としてあまりにも特徴がないので、コイツもきっと、星の数ほどある「低予算モンスター映画」の墓場に早々に飲まれていく作品となるでしょう。かなしい。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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