「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

コズミック・シン のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 
ブルース・ウィルスが主役を張っているSFアクション映画のレビュー、始めます。
12/3追記
人生30年、生まれてこの方これまでずっっっっっと、
「ブルース・ウィス」のことを「ブルース・ウィス」だと思っていたので、以下の記事では全て「ウィルス」とかいう、なんかすごい身体に悪そうな表記になっています。直そうと思ったのですが、記載箇所が多くて面倒くさかった今後ミスしないようにという自分への戒めとして、表記はそのままとなっております。ご了承ください。

ブルース・ウィルス、たまによく分からんB級映画出てるよね。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2021

あらすじ

2031年、人類は火星への入植に初成功し、量子技術により惑星への移住が可能になった。そして約500年後となる2524年、地球から4217光年離れたヴァンダー鉱業所有の惑星で、高度な文明を持つ異星人とのFC(ファースト・コンタクト)事案が発生する。連合加盟星エローラもすでに侵攻を受け、生存者は残り僅か……。
宇宙戦争を回避すべく、人類連合はかつて“血の将軍””と呼ばれた戦争の英雄ジェームズ・フォード元将軍(ブルース・ウィリス)を招集する。フォード元将軍は、前の戦争で約7,000万人の同胞が住む惑星を壊滅させ、戦争を終結させた悪名高い将軍だった。
イーロン・ライル将軍(フランク・グリロ)が指揮する精鋭部隊に合流したフォード元将軍は、軍への復帰を条件に、精鋭チームを率いることになる。彼らの極秘ミッションは、敵の母星を座標から特定し、先制攻撃を仕掛けること。しかし、異星人からの激しい攻撃を受け任務は難航しチームもバラバラに……。
人類存亡をかけ、フォード元将軍はある決断を迫られる――。

Amazon商品ページより引用)

予告編(字幕なし)

ストーリー
キャラクター
アクション等の質
設定
総合 C+

良い点

  • アクションシーンなどの出来自体は悪くない

悪い点

  • 各要素が絶妙に物足りない出来

 面白くなりそうな話の下地だけはあるのに、どれもこれも扱いが絶妙に下手なせいで、組み合わせてみると「うーん、微妙……」と言わざるを得ない作品に。酷評するほど酷い作品ではなく、致命的に悪い部分もないので、まあ見るだけなら余裕かとは思います。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 ブルース・ウィルスとかフランク・グリロとかを雇う金があるんなら、もっと別のところに使え定期。脚本家とか脚本家とか脚本家とか。

 さて今作ですが、有名俳優が出ている事以外は特に言うことがないシリーズです。B級映画だと稀によくあるやつ。私は「パージ」シリーズ見た事ないんでフランク・グリロの方はノーマークだったんですが、パッケージにデカデカと映ってるブルース・ウィルスに釣られて見ました。

 まあ、ブルース・ウィルスが出ている作品のくせに日本語吹き替えすら付いていない時点で、あっ……(察し)

 というわけで、早速今作の良い点悪い点を見ていきましょう。

 まずは良い点ですが、アクションシーンのクオリティ自体はさして悪くない、というところが挙げられます。

 今作は、人類が宇宙進出を果たした2,500年代の近未来を舞台に、異星人とのファーストコンタクト、そしてそれに伴う宇宙戦争(超小規模)を描いた作品。そのため、話の見どころは異星人との戦闘描写に集約されるのですが、こと戦闘シーンだけを切り抜いてみれば、クオリティはそこまで悪くありません

 今作で邂逅する異星人は、知能を持った寄生生物という設定であるため、人間に寄生して襲いかかってきます。かつ、知能が高いために銃器などの扱いにも習熟し、空間跳躍ゲートや宇宙船まで製造している、というなかなかに「寄生生物のくせに文明進みすぎじゃね?」という設定。

 そのため、見た目上は人間同士が銃撃戦を展開しているようにしか見えないわけですが、この銃撃戦の出来自体はさして悪くないので、まあこれはこれでアリだと思いました。もちろん、ブルース・ウィルスが出ているようなそこらのA級映画には到底敵わないクオリティですが、B級映画であることを加味すればこんなもんか、くらいの出来はしています。

 このほか、全体的に話のテンポは悪くなく、本編が90分以内に収まっているためすんなり見られるところだとか、(ほんのちょっとしかないものの)宇宙空間における艦隊戦や、空間跳躍ゲートの描写などCGは結構しっかりしているところだとか、褒められる部分もいくつかあります。

 それでは、良い点はこの辺にして、続いては悪い点を。今作の悪い点は、まあなんといってもあらかたの要素が軒並み物足りない部分があり、全体的になんとも言えない微妙な出来になっちゃってることです。

 先程良い点として、銃撃戦を主とするアクションシーンの出来自体は悪くない、と言いましたが、じゃあこの映画の戦闘シーン、全体的に見て良かったのかと言われると、正直「うーん……」という返答に。なぜなら、せっかく用意した「西暦2,500年代の近未来」という設定が、戦闘においてほとんど息をしていないからです。

 例えばなんですが、パッケージを見てもらっての通り、今作の戦闘員は顔出しのパワードスーツ的なものを身に付けています。しかしこれ、見た目がちょっとゴツくなる程度の意味しかなく、戦闘においてほとんど役に立ちません

 大抵、近未来設定でこういう外付けの強化骨格を持ち出してくる場合は、筋力増強や瞬発力強化、スーツ内臓の火力兵器の使用やシールド展開による防衛力強化など、何かしら超人的で戦闘に役立つ要素を期待したくなるものですが、残念ながらこのスーツ、「単独で大気圏突入ができる」という戦闘に関係ない見せ場しか発揮してくれず、なかなかの肩透かしを喰らいます

 また異星人との戦闘においても、エネルギー弾っぽいものを発射する武器があること以外はこれと言って近未来感のある描写はありません。かつ、相手のエイリアンも見た目は人間と変わらないことも相まって、どう見ても普通の地上で人間同士が撃ち合ってるようにしか見えず、近未来SF映画ということを加味すると、今ひとつ盛り上がりに欠けます。

 ただ、この比にならないくらいの問題を抱えているのが、シナリオ面。問題点はいくつもあるんですが、まず最初に思ったのが、あらゆる説明を端折りすぎていて、話自体がなんのこっちゃな部分が多いことです。今作には、”宇宙の罪”だの”Q爆弾”だの”惑星エローラ”だの”連合軍”だの”タキオン粒子”だの、なんかSFっぽい名詞だけはジャンジャカ出てくるんですが、ぶっちゃけそれら一つ一つに関する説明がすっ飛ばされてる部分が多く、なんかイマイチ話が頭に入ってきません。

 例えば、今作の戦闘の舞台は、惑星エローラという地球から一万光年離れた場所なのですが、そもそもこの場所が人類にとってどんな場所なのか、なんで異星人がここを攻めてきているのかとかがイマイチよく分からない。

 またストーリー自体も、「エイリアンどもに地球の場所がバレて総攻撃を仕掛けられる前に、先にこちらが敵の母星の位置を特定して先制攻撃を仕掛けるため、エイリアンとの戦闘が起きているらしい地球から一万光年離れた惑星エローラという場所に軍のトップ含む数人だけを戦力として送り込み、敵との戦闘ついでに相手の母星の位置を探る」という回りくどさの塊みたいな内容なので、どうもスッと頭に入ってきずらいのです。そのため、なんか勢いでポンポン話は進むものの、時折「ん?」と引っかかる瞬間がちょいちょいありました。

 さらに、せっかく有名俳優を揃えた割には、この人たちにさせてる役柄が微妙すぎる、という問題も。ブルース・ウィルスは、終盤何がしたくてわざわざ敵母艦に乗り込んで行ったのかよく分からないし、ブルース・ウィルス VS 敵エイリアンに寄生された元嫁との最終決戦も、なんかよく分かんないうちにお互い吹っ飛ばされておしまい、と言うなんとも盛り上がらない終わり方をするため、まるで引き込まれません。

 フランク・グリロに至っては、ずっと宇宙空間をぷかぷか浮かんでるだけで、最後は自爆役をやらされるだけという、見せ場らしい見せ場もない残念役であるなど、「有名俳優揃えた時点で力尽きたんか?」と言いたくなる脚本。

 そんなこんなで総評ですが、戦闘描写だけを切り取ってみれば割と良くできており、咥えて話のテンポが悪くないことやCGも結構しっかりしていることなどもあって、見るだけ、完走するだけなら全く問題なく見ていられる作品です。反面、話が若干回りくどくて頭に入って来ないだとか、わざわざ無理して近未来設定にしなくても良かったんじゃないかとか、ブルース・ウィルスもフランク・グリロも役柄微妙すぎんかなど、細かい不満点や物足りない部分はちょいちょいあり、かつそれら不満点を上書きできるほどの魅力に溢れているわけでもないため、なんとなくいまひとつな評価に落ち着いてしまう作品でした。もうちょい話をスッキリまとめたほうがいいと思った。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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