それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。
- 国籍 アメリカ
- 製作 2019
- 販売 アメイジングD.C.
あらすじ
獲物は私じゃない、あなたたち。
(Amazon商品ページより引用)
人には踏み込んではいけない場所がある。
バージニアのとある渓谷。自然写真家の女性パーカーは森の中で残虐な拷問の現場を目撃。
町の警察署へ通報に向かったハーパーだが、何者かに拉致、監禁されてしまう。
突然、不条理な男たちの暴力と死の恐怖に晒されるパ?カーだが、何とかその場から逃亡に<成功。
執拗にハーパーを追う男たち。だが、次第に死へと追いつめられていくのは、パーカーではなく男たちであった。
最後まで生き延びるのはパーカーか、それとも・・・!
予告編
ストーリー | D |
キャラクター | D |
設定 | D |
総合 | D |
良い点
- 前半は、テンポ良好なトラップアクション?映画として見られる
悪い点
- 脚本が支離滅裂で何がしたいのかわからない
- 登場人物がアホしかおらずストレスが溜まる
前半はリベンジものよろしく、「やべー奴らに捕まったヒロインが自力で逃げ出し、逃げるために奴らを血祭りに上げていく」という展開。かつヒロインの殺意が高いので、これはこれで楽しく見ていられます。
しかし後半は、とにかく脚本面の支離滅裂さとテキトー極まる設定から繰り出されるガバガバ展開が連発され、微塵も面白くないです。ぶっちゃけ見る価値ない。
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結局、何がしたい話だったのかさっぱり分からない。
さて今作ですが、「ねぇねぇ知ってる?! 牛の死体って拷問に使えるんだぜ!」と主張したいがために作ったとしか思えない駄作です。そう説明するのが1番自然だろ、ってレベルで脚本の支離滅裂さがやばい。
それではまず、良い点から見ていきましょう。今作の良い点ですが、これは前半のテンポ良い展開が挙げられます。
今作はまず、主人公が山奥で人が殺される現場を目撃しちゃったが故にその集団に捕まり、ちょっとした暴力を受ける、という場面から話がスタート。その後は自力で脱出し、そして自らの手で奴等に罰を与えていく、というリベンジ物によくある流れに。
その中でも、あえて今作の特徴を挙げるとするなら、他のリベンジもの作品に比べると、この前半部分のテンポはかなり良い、という部分でしょうか。
普通の作品だと、ヒロインが敵に捕まる前、ないし敵に捕まってから辱めを受けたり拷問されたりする描写に結構な時間を割きがちなんですが、今作はこの「目撃→捕獲→脱走」までの流れがかなりスピーディ。そして、逃げ出してから「よっしゃ、あいつら殺すか!」と決断し行動に移すまでも爆速なので、この辺りはポンポンと話が進み、かなりストレスなく見ていられます。
ただし、ヒロインに対する拷問、暴力描写はかなり控えめなことが祟り、リベンジものの大きな見所でもある、「理不尽に酷い目にあったヒロインが覚醒し、外道どもを血祭りに上げる」というのに対する爽快感やカタルシスは全く得られないため、注意は必要。
とはいえ、「敵集団に捕まってすぐ、迷わず銃をぶっ放して相手を殺す」「逃げるだけでなく、トラップを駆使して自分から積極的に相手を殺しに行く」「ちょっとでも怪しいと思った相手は迷わず殺す」など、もはや最初から頭のネジが飛んでるとしか思えないほどヒロインは攻撃的で殺意マシマシなので、これはこれでアリでした。この殺意の高さ、すこ。
というわけで、良い点は以上。続いて悪い点ですが、これはあまりにも支離滅裂でテキトーさ極まる脚本と、バカしかいない登場人物の行動全般にストレスが溜まること、この二点が挙げられます。そう、前半パートは先に紹介した通り、「リベンジものとしては物足りないけど、これはこれでありかな」という評価に落ち着いていたのですが、反面、後半はかなり酷い有様なのです。
まず何よりも、キーキャラクターとなるヒロイン、そして敵組織のボスが両方とも知能指数が幼稚園児以下であるため、何をさせるにしても行動がガバガバで、見ていて大変にストレスが溜まります。
最初にヒロインですが、もうとにかく余計な行動が多いです。とっとと逃げればいいのに寄り道は大好きだし、あからさまに怪しいオッサンの誘いにホイホイ乗ってくつろごうとするし、誰がどう考えても敵組織とグルとしか考えられない警官に助けを求める→案の定連れ戻される、という馬鹿丸出しの流れをご披露してくるし、相手ボスと対峙した際に拳銃を奪って優位に立つものの、自分から格闘圏内にホイホイ近づいたせいで逆に一転攻勢されたり──などなど、もう一挙一動があまりにも酷い。正直、頭が弱過ぎて、全く同情できぬ。
また敵のボスはボスで、唯一の脱出経路をヒロインに丁寧に教えてあげたり、ヒロインの挑発にホイホイ乗ったせいで殺されかけたり、結局殺人現場を見られた口封じのためにヒロインを殺したいのか、それとも趣味で拷問にかけたいだけなのか行動原理が意味不明なところがあったり、すぐ舐めプかますせいで結局2回もヒロインに逃げられたり──などなど、これまた頭が弱過ぎて、敵側も何がしたいのか全然分かりません。
そして、そんな彼らが話の中心にいるものだから、言わずもがな展開は支離滅裂で何がしたいのか分からない、という状態に。特に後半からは、この傾向がかなり顕著になって来て、正直見れたものではありませんでした。
また、今作の大きな見所でもあるはずの、「敵ボスがヒロインを再度捕らえた後、暴力を振るって拷問にかける」というラストシーンがあるんですが、これがまさかのダイジェスト形式で、映像の一部だけを切り取って流すだけという手抜き仕様だったりと、とにかく後半の出来は散々。
正直、これ以外の細かい不満点やガバポイントをあげだすとキリがなくなるのでこの辺にしておきますが、ツッコミどころという言葉で呼ぶには可愛すぎるほど今作の脚本はアラが多過ぎて、後半は特に見ていてストレスが溜まります。リベンジものは、屈強なサイコ野郎どもに捕まった非力なヒロインが、自力で脱出した上で相手を殺し返す、という非現実的な流れになる以上、ご都合主義展開が多めになるのは仕方ないとは思いますが、流石にもうちょっと脚本整えてほしい……。
というわけで総評ですが、前半パートはわりかしテンポもよく、ヒロインが覚醒して反撃するところまでの流れをポンポン進めていってくれるため、なかなか楽しんでみられる良作。反面後半は、キャラクターのアホっぷりが際立つガバ展開のオンパレードな上にテンポも特段良くなく、その上、見せ場シーンはまさかのダイジェスト形式という具合に、どの要素も軒並み残念な出来。正直言うとあんまり面白くないので、個人的にはスルーで良いかと思います。
今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。よろしければ、お気軽にコメントしていってくださいね!