「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

コマンドー・シャーク 地獄の殺人サメ部隊 のレビューです(総合評価C)

(画像:ねとらぼより引用)
安っぽすぎることが逆に見所になっているタイプのサメ映画のレビュー、始めます。

「年貢のおサメ時だな」(流行語大賞不可避)

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2018

あらすじ

核戦争によって文明が崩壊した近未来、新生ソヴィエト軍はドイツ人科学者が生み出した殺人サメ部隊を率い、アメリカへの侵攻を開始。人類の存亡を賭けたジョーズ軍団との最終決戦が今まさに始まろうとしていた。

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
サメの質
設定
総合

良い点

  • そういう映画だと知った上で見たら楽しめる

悪い点

  • そういう映画だと知らずに見たら悲惨

 「必殺! 恐竜神父」や「セミマゲドン」と同じように、超低予算である事を隠しもせず完全に開き直ってる映画シリーズです。サメの質はお粗末極まりないのですが、それ自体が見所さんでもあるタイプの作品なので、それを承知の上で見た場合なかなか楽しめます。一方、それを知らずに見た場合、待っているのは死です。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 今作ですが、新生ソヴィエトのサメ兵士部隊によりアメリカが侵攻を受けたため、軍の生き残りやらレジスタンスやらが共闘し、死闘を繰り広げる──というテーマで撮られた、金のかかったコントです。

 それでは、まず注意点。先述の通り、今作は超絶低予算である事を逆手に取り、粗い作りをむしろ笑いどころとして直球でぶつけてくるタイプの映画です。予告編を見ていただければ分かるように、出てくるサメ兵士は頭にかぶり物をしただけの単なる人間に過ぎず、ちょろっと出てくる巨大サメのCGはあまりにもお粗末極まりないクオリティ。

 そのため、それを承知の上で見るか否かにより、今作の評価は180度変わります。もちろん、私はそれを承知の上で飛び込んだので、以下のレビューは「そういう目線」からのものである事はご容赦ください。そのため今作の悪い点は、これを超低予算開き直り系映画だということを知らずに見た場合、まあ悲惨な結果が待ち受けている、ということに集約されます。

 それでは、それを踏まえて今作の良い点をご紹介。今作の良い点は、局所的に面白いシーンがちらほらとあるため、意外と飽きずに見られる事です。

 さて、まず最初に断っておきますが、今作は別段ストーリー展開に優れる作品ではありません。かつ、特に前半はワンパターンな展開の繰り返しが目立つので、お粗末すぎるサメ兵士の出来栄えにひとしきり笑い終わった後は、ぶっちゃけおんなじような展開の連続に飽き飽きとしてきます。

 しかし幸いにも、今作はワンシーン毎の切り替えが早いため、あまり間延びしている感を感じさせないこと&話の合間合間に局所的に面白いシーンが点在するので、虚無を感じる間が少なくなっていること&ダラダラした会話シーンが長々と続くことなく、(お粗末ではあるものの)戦闘描写が多めなことなどが功を奏し、結果的に「意外と悪くなかった」という感想に落ち着きました

 もう少し具体的にお話しします。まず前半ですが、これはとにかく登場するサメ兵士のインパクトのデカさでグッと引き込まれます。明らかに被り物をしただけの(自称)サメ人間が、言葉を話して銃器を扱い、時折思い出したかのように噛み付いて露骨なサメアピールをするだけのシーンが大半、かつそれの繰り返しばかりではあるものの、台詞回しのセンスが良くポンポン犠牲者が出るため、なんか短編コント集を見ているような気分になり、思った以上に見飽きません。

 サメ兵士だからといって特段耐久性に優れるわけでもなく、水中戦をするわけでもないと、どう見ても単なる人間にしか見えないのですが、その「これサメの意味ないやん」という演出こそが、かえって笑いを誘ってきます

 そして、さすがにそれだけでは見飽きてくる中盤以降からは、サメ兵士軍とアメリカ抵抗軍の戦い、またサメ兵士を生み出した博士の秘めた陰謀など、なんかちょっと映画っぽいストーリーらしきものが動き出すため、前半とはまた違った面白さがあります。まあストーリーとは言っても、ギャグ成分多めの悪ふざけ満載なゆるゆるガバガバ展開が満載なので、ノリは前半と変わらないのですが、なんかサメ人間に対抗してイヌ人間が出てきたりとか、クソみたいなCGの巨大サメがニューヨークを襲い出したりと、整合性は二の次でとにかくやりたい展開を連発してきます。

 さらに終盤にはその傾向が加速し、いきなり何の脈絡もなくスモールライトが出てきて巨大サメを縮めてしまったり、最終決戦という名の空き地銃撃戦ごっこが展開されたり、露骨すぎるほどお粗末なCGを連発してきたりなど、展開的にも絵面的にも「考えるな、感じろ」の精神で、全力で笑わせにきます。あまりの超展開、かつくだらなさに、思わず口角が上がります。

 とまあそんな具合で、前、中、後半、それぞれに見所(笑いどころ)となるシーンが点在しているため、飽きっぱなしで苦痛を感じる場面があまりなく、意外にもすんなりと見れちゃう、というのは利点だと思いました。

 もちろん、80分程度の映画でありながら内容はスッカスカなので、1時間くらいでまとめてくれたらもっと見やすくて良かったのにな、と思う部分も。

 しかし、この手の超低予算作品としてはかなり見やすい部類だと思うので、1人での視聴はもちろんのこと、お友達と、もしくはご家族で、はたまた恋人同士でポップコーン片手に鑑賞なさるなどしますと、大変和やかな良い雰囲気になれると思いますので、まあいいんじゃないでしょうか(なげやり)。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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