「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

エイリアン・アサシン のレビューです(総合評価D)

(画像:ゲオオンラインより引用)
映像的なこだわりはともかく、ストーリーが丸っきり面白くない駄作SF映画のレビュー、始めます。

 引くほど面白くない。

 それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2019
  • 販売 プルーク

あらすじ

地球を侵略するエイリアンとの大戦を経て人類が新天地を宇宙に求める時代、人類初の子供飛行士が選ばれた。彼らは大統領が待つ宇宙ステーションへと旅立つ。だが、侵略エイリアンを指示するテロリストの大統領暗殺計画により宇宙ステーションは爆発。少年少女たちと大統領らはそれぞれのポッドで未知の惑星に脱出。九死に一生を得た4人の少年少女たちは離れた場所に不時着した重傷の大統領の救出に向かう。だが、未知の惑星には寄生エイリアンなど謎の生物が生息し彼らを待ち受けていた!

ゲオオンラインより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
モンスターの質
設定
総合

良い点

  • モンスターやグロ描写の出来はかなり上々

悪い点

  • ストーリーの引き伸ばしが酷すぎてクソだるい

 率直に言って全く面白くないです。モンスターの造形など、極一部に見所たり得るシーンは存在するものの、ほんの一瞬である事に咥えてそこに辿り着くまでの引き伸ばしがとにかく酷いので、途中で完全に飽きました。それを見るためだけに全編視聴するのは、ハッキリ言って時間の無駄に近いので、よほど興味をそそられない限りはスルーで良いかと思います。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 ガチでおもんなさすぎてイラついた。

 さて今作ですが、少年少女4人がひょんなことから未知の惑星へと降り立ち、そこで寄生型エイリアンに襲われてさあ大変、というお話です。これだけ聞くと、SFジュブナイルものっぽくて面白そうなんですけどね……そう思ったんですけどね……。

 それでは早速、今作の良い点から見ていきましょう。それは、モンスターの造形やグロテスク描写など、映像的なクオリティは結構高いと言うことです。

 あらすじにもある通り、今作は不時着した未知の惑星を舞台に、少年少女が寄生型エイリアンの襲撃を受ける、というお話なのですが、肝心のこのエイリアンの出来については抜かりがないです。

 今作のエイリアンは、少年少女たちとともに惑星に不時着した軍人のおっさんに寄生し、彼女たちに襲いかかって来ます。これが、寄生したての頃はただの人間にしか見えないんですけど、時間が経つにつれて触手が発現したりだとか、表皮がドロドロに溶けてきたりなど、次第にモンスター化。そして最終的には、顔がグジュグジュに溶けきり、表面をヌメヌメした体液が覆い、もはや人間とは呼べなくなるような物体へと変質する──この演出は、なかなか見どころもあって良かったと思います。

 また、今作では最終的に4人の少年少女中3人が死ぬんですけど、この3人の死に様をはじめ、人体破壊に関するグロ描写は結構なクオリティがあり好感が持てます。正直最初は、「一緒に不時着した大人たちは全員死ぬけど、少年少女4人は生き延びるんでしょ」と思って見てたんですが、4人のうち1人が自爆して内臓丸見えの黒焦げ死体になった時には「マジか」と思いました。

 その他、モンスター化して大変グロい見た目になるおっさんや、腹を裂かれる様子がバッチリ映される大統領×2など、「少年少女が主人公だから演出も子供騙しでええやろ」という姿勢とは無縁のこだわりをしっかり見せつけてくれます。

 さて、良い点は以上です。ここだけ見れば、題材の割にかなり内容にこだわって作られている良作、という雰囲気を醸し出していますが、今作にはどうやっても看過できないクソポイントが一つ。それは、とにかく酷過ぎる引き伸ばし展開満載のスッカスカでゴミみたいなストーリー、これです。こいつがとにかく足を引っ張りまくり、今作の評価を押し下げている原因なのです。

 そもそもですが、今作のストーリーは、

  1. 少年少女たちが宇宙ステーションへ行く
  2. 宇宙ステーションが爆破され、謎の惑星へ不時着
  3. そこでエイリアンに襲われる
  4. 倒してエンディング

 という感じの流れで整理できます。そしてこの「3そこでエイリアンに襲われる」という本題に話が突入する頃には、なんと開始から1時間が経過しています。しかも、この映画80分ですよ。もう20分しか残ってないじゃん。正気かよ。

 じゃあ、その1時間の間は何やってんだよ、と言いますと、まあ概ね30分程度の導入があってからは、未知の惑星(どう見ても地球)を緊張感もなくダラダラと練り歩き、てきとーに時間を潰しながらブラブラと散策するだけ、という有様。具体的には、途中で出会ったおっさんに展開上何の役にも立たない射撃訓練もどきを受けたりとか、「見たものを食べられるかどうか一瞬で判定してくれるセンサー」を使ってきのみ集めたりだとか、それ食って幻覚見てぶっ倒れたりだとかの、何の危機感もないなんちゃってサバイバルを延々と垂れ流し続けさせられます。この間がもうとにかく尋常じゃなくだるくて苦痛。

 何がひどいって、もうとにかく危機感が全くないんですよ。未知の惑星(水、酸素、重力、日光、その他生存環境完備)がどう見てもただの地球じゃん、という問題に関しては「まあ予算ないやろうしな」で超強引に済ませたとしても、それと同時に「生き延びるための探索をしなければ命が危ない」というスペースサバイバルに必須であるはずの危機設定まで置き去りにして来ているのは、全くもって擁護不可能

 普通に考えてこの手の作品って、例えば酸素が少ないから何とかしなきゃとか、環境が苛烈すぎて拠点を整えないと生きていけないとか、はたまた敵性生物が生息しているために装備を整えないとやられるだとか、何かしらの「探索しないといけない理由」がないと締まらないわけですよ。

 その点今作の場合は、環境は地球同様のために申し分ない過ごしやすさで、川や湖があるので水、食料等も容易に手に入りそうで、見る限り大型の捕食動物等脅威となる存在も見当たらない、とあまりにも舞台設定がぬる過ぎ。キャラクターたちも「一刻も早くこの状況を打開しなければ!」という様子が全く見られず、あらゆる行動がダラダラとしているために展開も間延びが酷く、とにかく緊迫感がありません。もちろん、終盤になると寄生エイリアンに襲われることになるため、そこからは危機感も出て来ますが、先述の通りその登場は1時間経過後とあまりにも遅すぎる上に、映像的な見せ場自体も一瞬で終わってしまうため、まるでお話になってない。

 その結果何が起きたかと言うと、エイリアンが出て来た頃には完全に視聴意欲が宇宙の彼方に吹き飛んでました。ただただ惰性で見ていた感じ。「大統領からの救難信号をキャッチ! 私たちが助けに行かなきゃ!」とか抜かしてた割には、ダラダラしすぎなんだ。

 その他、人類に有利過ぎる生活環境を筆頭に、都合良過ぎる設定については突っ込みたい事も多々あるんですけど、まあスッカスカでペラッペラのストーリーに比べれば看過できる問題なので、今回はスルーします。

 と言うわけで総評ですが、演出や造形など、かなり拘って作られている部分はしっかりとはあるものの、とにかくストーリーがだるすぎて、その見せ場が訪れる頃には視聴意欲が残っていない、そんな感じの作品でした。

 映像的にはお子様に見せられない過激な描写も含まれてはいるものの、設定、ストーリー展開については完全に子供騙しもいいところなので、一体どこの層に需要があるのか、と首を傾げたくなる作品です。個人的にはお勧め致しません。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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