「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

スペース・フォース 対エイリアン特殊部隊 のレビューです(総合評価D)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 
ストーリー構成が滅茶苦茶、かつ盛り上がり皆無で見ていられないSFアクション映画のレビュー、始めます。

金のかかったホームビデオ。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 香港
  • 製作 2021

あらすじ

突如発生した謎の赤い塵。その塵を吸った者は何かに操られたように人に襲いかかり始めるが、それは人類を支配するためにエイリアンが作りだしたものだった! しかし、元CIAアナリストのジムだけは凶暴化することなく、塵を吸ったことを機に超人的な力を手に入れていた。未曽有の事態を前に、各地の特殊部隊や軍から優秀な人材が集められ、対エイリアンとの戦いを想定した訓練を開始。そこにはジムの姿もあった。だがその訓練基地にエイリアンが侵入。仲間の裏切り、襲い来るエイリアン…。ジムと仲間は人類を救うことができるのか?

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
アクションの質
設定
総合

良い点

  • アクションの出来は割と良い場面がある

悪い点

  • ストーリーが支離滅裂でつまらない

 「第1回やりたいことは分からんでもないけどあまりにも脚本構成が下手くそすぎて視聴意欲が失せる選手権」の大賞に輝いた作品です。控えめに言ってもマジで面白くないので、見るだけ時間の無駄だと思う(辛辣)

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 さて今作ですが、あまりにも出来がお粗末というか、脚本が「深夜テンションで書き上げて推敲も一切してません」というレベルに杜撰な作品。その上、監督も脚本も主演も同一人物という、第三者によるまともなチェック体制が到底機能していないであろうことが容易に想像できる、「これもう金のかかったホームビデオだろ」と言いたくなるSFアクション映画です。

 では早速、今作の良い点から見ていきたいのですが──ハッキリ申し上げますと今作、良いと感じた部分がほぼありません。強いて言うなら、終盤付近の一部アクションシーンは、それなりに見応えがありました。

 今作の戦闘シーンは、基本的にはエネルギー弾と言う名のCGを用いた銃撃戦か、近距離の格闘戦のどちらか。そして、まあ銃撃戦の方は可もなく不可もなくな出来だとしても、格闘戦の方は割と見られるクオリティに仕上がっています。特に終盤の、敵エイリアン2体を相手取った主人公による格闘バトルは、B級アクションとしては結構良い出来だったと思います。

 ただ、悪い点で後述しますが、この終盤のアクションパートに差し掛かるまでがあまりに酷すぎて、そこに辿り着く頃にはほぼ間違いなく視聴意欲がお通夜になっていると思われます。そのため、果たしてこれを良いと喧伝してよいものか……と大変悩ましいところ。

 では、その悪い点へと話を持っていくのですが、これはもう戦闘描写以外軒並み全部です。キャラは特に魅力はないし、設定はかなりてきとーだし、とあらゆる要素が残念。そしてその中でも、特に酷かったのがストーリー、とりわけ脚本構成の杜撰さ。これがあまりにも酷すぎて、完全に今作の足を引っ張っている、と言い切りたい。

 まず最初に今作のタイトルやあらすじを見た時にですよ、今作はきっと「特殊部隊とエイリアンが戦う話なんだろうな」と思うじゃないですか。しかしなんですが、エイリアンが出てきて特殊部隊と戦闘を繰り広げるという、今作のメインパートと呼べる部分は、本編開始から70分経過後の、ラスト15分間しかありません

 じゃあその展開に入るまでの70分間、一体何してるんだよ、と言いますと、基地内でエイリアンに対する研究をしているか、基地内で模擬戦をしているか、なんかよく分かんない回想、妄想シーンを垂れ流しているかの3つ、大体これのみです。

 もちろん、これだけやってて話が面白いんなら文句ないんですけど、結果はまあ言わずもがなですわ。

 そもそも、こういうB級アクション映画って、戦闘シーンに代表されるような「絵面的に分かりやすい見所」って、話に視聴者を引き込む上でめっちゃくちゃに大事なポイントだと思うんですよ。しかし今作の場合は70分もの間、それに該当するものが「同じ場所での模擬戦3回のみ」という、絵面的にも展開的にもものすごい地味なシーンしかないので、そりゃあ見てられんわよという印象。

 また、「主人公がエイリアンの使う赤い塵に対して耐性を持っているので、それを見込まれて対エイリアン部隊に編入され、訓練に明け暮れる」というコンセプト自体は分かりやすいんですけど、今作は合間合間に余計とも言える回想シーンをねじ込んできたり、安っぽい研究シーンをただ見せられたり、突然に精神世界がどうこうだとか、「人間の魂を元にしたエネルギー」を使ってエイリアンに対抗しようだとかのスピリチュアルな展開を混ぜ込んで来たりと、もうとにかく話が全体的にとっ散らかっていて、一本の物語として話を綺麗にまとめよう、という気概がものの一切感じられません

 かつ、展開同士の繋ぎ方がものすごい下手なので、今キャラクターたちが何を思って行動しているのかに全く共感できず、完全に展開ありきでセリフを言わされ、脚本に動かされているだけの単なる人形にしか見えない、というのもイラつくポイント。

 全体的に、話の整合性だとかストーリーの流れだとか構成だとかガン無視して、監督兼脚本が「この展開入れたい」と思ったものを片っ端から捻じ込んでいるだけ、という印象を強く受けました。

 と言うわけで総評ですが、まあアクション的な見どころがないでもないんですけど、そもそもそこに辿り着くまでが遅すぎる&そうでなくても脚本がガタガタすぎて全く面白くないという、ほぼ褒められる部分がない作品でした。ぶっちゃけ退屈極まりないので、見なくていいと思います。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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