「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

蛇王 キング・オブ・スネーク のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 
なんとなく既視感ある展開だけど、全体的なクオリティは高めのヘビ映画のレビュー、はじめるわ

 クオリティに安定感があるので暇つぶしにおすすめ。

 それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 中国
  • 製作 2020
  • 販売 プルーク

あらすじ

喰らうなら、喰らってみろ―。
各地で内戦が勃発する中国・軍閥時代。女性軍医の静蘭(せいらん)と馬少陽(ばしょうよう)率いる軍閥を乗せた夜行列車は静蘭の生まれ故郷である永安村(えいあんむら)のそばを通りかかった。
大自然に恵まれているこの村も今や軍閥の手による開発が進み、森林伐採が行われている。
一行がトンネルに入りかかろうとしたその時、列車が立ち往生し、幾千の毒蛇の大群が襲いかかる。乗客たちの断末魔が響き渡る中、さらには想像を絶する大きさの“双頭の大蛇””が出現。
列車に乗り合わせていたスネークハンターの木生(もくせい)の先導により生き延びた静蘭と馬少陽、そして数名の乗客達は永安村へと向かう。
しかし、村はすでに毒蛇の襲来により壊滅状態となっていた。木生は、彼の父が生前残した「蛇王録」を頼りに、解毒できるのは唯一、蛇王谷(じゃおうこく)に咲く蛇腥花(じゃしょうか)である事を突きとめる。
蛇王谷に向けて出発する一行であったが、その行く手に待ち受けるのは無数の毒蛇の群れと、その背後に君臨し人間どもに復讐の牙を剥く、あの“双頭の大蛇””の姿であった。

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
モンスターの質
設定
総合 C+

良い点

  • キャラクターは結構個性的
  • 全体的に平均以上の出来

悪い点

  • ワンパターンな展開や冗長な場面がチラホラある

 中国産のヘビ映画です。ストーリー的にはよくある感じでこれといって特質することはないものの、それゆえに難解な部分などもなく、軽い気持ちで見やすいのが特徴。話もバランス良くまとまっており、キャラの出来も良いので暇つぶしには結構良いと思います。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 さて今作ですが、蛇が大量にいるという谷へと、主人公たち一行が貴重な花を取りに向かったところ、そこでその花を主食とする巨大化した蛇が襲いかかってくる、という──うーん、なんかどっかで聞いたことあるアナコンダ2ような……。

 それでは、まずは良い点からいきましょう。今作の良い点は、キャラクターの出来の良さ、そして全体的な平均点が高いことです。

 まずキャラクターについては、結構個性的な人たちが揃ってる印象を受けます。主人公は、冷淡な態度をとりながらもなんだかんだ他人のためにしっかり行動してくれるタイプで、かつ蛇に関する知識を活かしてちゃんと活躍してくれます。また、ヒロインは医者で行動力があり、見ていて不快感がありません。

 サブキャラクターたちも、頼りない嫌味なギャグ要員に見せかけて、仲間想いなところがあり行動力もある軍の隊長とか、勝ち気で頼り甲斐のある弓使いの姉御とか、見るからに奥手で内向的だが、惚れた姉御のために頑張るヒョロヒョロくんとか、なかなか良い意味でクセのあるメンツ
 そんな彼らが足並み揃えて山中を進み、掛け合いしながら冒険する様は見ていて面白いです。総じてキャラのクオリティは、若干安易な部分もありますが、この手のモンスター映画としては十分な出来でした。

 またこのほか、各要素が軒並み平均点越えを連発してくるのも評価点。

 例えばストーリー。まずはいきなり、列車における大量のヘビ襲撃→ボスである双頭の巨大ヘビの強襲、これを開幕からテンポ良く描くことで、グッと気持ちを掴んで来ることに成功しています。そこからキャラクターたちのやりとりを中心とした冒険パートに入りつつも、毒蜘蛛の大群や吸血コウモリの襲撃などのパニックシーンも入れながら話をつないでいき、最終的に双頭の巨大ヘビとの決戦に持っていく、という飽きの来ない流れはお見事。
 
 また肝心のモンスターのCGも、看板となる双頭の巨大ヘビを筆頭に基本高クオリティで、動きも滑らかなため見ていてストレスがありません。普通サイズのヘビの大群や、毒蜘蛛の群れ、吸血コウモリなど、サブモンスターたちも十分な出来だったと言えます。

 こんな具合に、ストーリー、モンスター、キャラクターなど、軒並みの要素が平均越えなのは、見ていて安定感があります。難解な展開や設定などもなく、事態の深刻さの割にはコミカルなやりとりが多めに調整されている事も相まって、かなり気楽に見られるのは良かったと思いました。

 それでは、良い点は以上です。反面悪い点ですが、こちらは多少冗長な展開やワンパターンな部分が多いことが挙げられます。

 中でも1番気になったのは、作中のキャラクターたちの死に際の流れにおいて、いわゆる「俺のことはいいから先に行け!」が滅茶苦茶多かったこと。覚えている限り、この流れが3回はあった。しかも、これが全部後半30分くらいに固まっているので、流石に最後の方は「いや、もうええわ」とお腹いっぱいに。

 また後半の、洞穴に入ってから双頭の大蛇との追いかけっこが始まるあたりの展開は、流石に冗長すぎてダレました。大蛇が襲ってくる→逃げる→わちゃわちゃ→襲ってくる→逃げる……の流れの繰り返しがあまりにも多すぎて、かつ大蛇側の襲撃も明らかに手抜きだったので、ここはもっとコンパクトにまとめるべきだったように思います。

 かと思えば、それだけ引っ張った大蛇との決着は、主人公が剣を一振りするだけで驚くほどあっさりと終わってしまい、完全に拍子抜け。軒並みの要素に文句はありませんでしたが、これら終盤の一連のシーンだけは明確に改善すべきだと感じました。

 というわけで総評ですが、基本的には各要素レベルが高く、気軽に見られることも相まって視聴後の満足度は結構高い作品でした。特に、キャラクターがちゃんとそれぞれ個性的で、かつ見せ場があったのは良かったと思います。反面、後半の洞穴に入って以降は、ワンパ展開や冗長な部分などが散見され、大蛇との決着もあっけない、と尻すぼみな部分も。ここの部分がしっかり出来ていれば、評価ももっと芳しいものになったと思うだけに残念です。

 とはいえ、見ていて安定感があり暇つぶしにはちょうどいいレベルのクオリティはある映画なので、気になられた方は試聴してみてください。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
よろしければ、お気軽にコメントしていってくださいね!

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