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ウィッチバトル 女たちの戦い のレビューです(総合評価D)

(画像:filmarksより引用より引用)
見れないことはないけど、見終わった所で何も残るものがない駄作映画のレビュー、始めます。

見れないことはない(面白いとは言ってない)。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 イギリス
  • 製作 2020

あらすじ

1600年代、魔女狩りが行われていたアミティヴィル。その恨みを晴らすべく、現代に生まれ変わった黒魔女は学園で若い魔女を集め生贄にしていた。それを阻止するため、白魔女は自身の才能に気づいていない若い少女をを白魔女へと導いていく。女たちの壮絶バトルを描くアクション・ホラー!

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
設定
総合

良い点

  • ないんじゃないかな

悪い点

  • ストーリーが驚くほど雑&盛り上がらない
  • 魔法バトルシーンが棒立ち顔芸大会

 正義の魔女と悪い魔女が、世界の平和をかけて森の奥の民家でひっそりとぬるい小競り合いをする様を90分たっぷり見せつけられる映画です。壊滅的に面白くない上に、褒められる部分が一つも思いつかなかったので、わざわざ時間を使って見るほどかというと……。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 今作ですが、森の奥に佇む魔女の学園(教員1名のみ、生徒数名のみ、どう見ても民家)を舞台に、良い魔女と悪い魔女が棒立ち睨み合い対決を行うという、公式曰くアクションホラー作品です。
 アクション要素あったか?

 さて、それではとりあえず、今作の詳細な内容を見ていきましょう──なのですが、申し訳ないことに今作、良いと感じる部分が何一つ見つかりませんでした。正直言うと、ストーリー構成、演出、キャラクター、設定、全部が全部、軒並みダメです。壊滅的に面白くない。
 さすがに、「これ以下の駄作はない」「あまりにも酷すぎて、最後まで見ていられない」というまでのレベルではなかったですが、少なくとも、褒められる部分はひとつもありません。そのため以下は、酷評の嵐です。お覚悟を。

 さて今作のダメな部分として、特に気になったのは、ストーリー展開の雑さ&盛り上がらなさと、バトル演出の2つでした。

 最初にストーリーについてですが、これには問題点が2つあるので、それぞれ分けて解説します。

 まずは展開の雑さです。これがかなりひどい。
 この映画は最初、学生のヒロインが見知らぬ名前の学園から招待状をもらい、その場所を訪れる、と言うところから話がスタート。そこは森の中にひっそりと佇む怪しげな場所で、学園長に会ってみるとこれまたなんか怪しい雰囲気を漂わせています。とりあえずその人に、「この学園ってどんなところなん?」というような、至極当然の質問をぶつけてみると、返ってきたのは「まあ詳しい説明とかはおいおいするから、とにかく入学の契約書にサインしろ」とかいう、そんじょそこらの怪しい客引きが裸足で逃げ出すレベルの超絶強引な勧誘を受けます。
 そしてそれに、二つ返事でホイホイとサインする主人公

 いやいやいやいやおかしいだろ

 いったいどこの世界に、そこがどういう学園か、何を学べるのか、学費などはどうなっているのかなどの具体的な説明を一切聞かされないままに、差し出された契約書に秒でサインするアホがいるのか。いや仮にいたとして、そんな奴を主人公に置いたら「あぁ、こいつアホなんやな」以外の感想が出てこんのやが、それでええんか?

 まあ100歩譲って、その主人公が「怪しいけど、もうとにかくここに入学する以外選択肢がない」的な描写があるんならそれでもいいんですけど、彼女がここへの入学を決めた理由は、まさかの「進路悩んでて考えるのが面倒くさかったから」とかいう、全受験生がひっくり返るレベルのゴミカス志望動機
 お前もう進学やめろ。働け。

 もうこの時点で「この映画雑すぎだろ」と思わざるを得ないんですが、残念なことに今作、この導入シーンを筆頭に、ストーリー展開は基本的に雑極まりないです。細かい雑ポイントは多々あるので詳細は省くのですが、もうひとつくらいクソ雑ポイントを紹介しておきましょう。それは、終盤手前のシーンで、敵のボスがヒロインを拐いにくる展開でのこと。

 この時ヒロインは、なんだかんだあって学園長に悪魔復活の生贄として捧げられそうになったところを、自称正義の魔女3人組(全員ババア)に助けられたため、彼女たちの家に匿ってもらっていたのですが、そこに夜間、敵のボス+手下数名がコソコソコソコソやってきて、こっそりヒロインを攫っていく、という展開があります。
 この時敵は、油断し切って爆睡している正義の魔女っ子三姉妹の枕元に立ち、手にはナイフを持っている、と言う絶好の暗殺チャンスを手にするものの、なぜか「睡眠薬を吹き付けてさらに眠りを深くする」という、命の大切さに目覚めたコソ泥の鑑ムーヴを披露。そうして拘束すらせずにヒロインさらってスタコラサッサしたところ、翌朝目を覚ました三姉妹に、拠点に殴り込まれてボコボコにされる、という超絶アホっぷりを晒します。バカかな?

 そんなこんなで今作には、とにかく「いや、なんでそんな行動を?」と突っ込まずにはいられないポイントが数多く存在しており、キャラクターたちがその場に生きる1人の人物として考えた結果の行動というよりは、単に「脚本の都合上、こういう行動をさせられているんだろうなぁ」と感じざるを得ないことが多すぎるのです。そのため、そんな脚本家の操り人形と化しているだけキャラクターなどには魅力なんて一切感じられず、どいつもこいつも脳味噌スッカラカンのマヌケにしか見えません。

 さて、もはやこの時点でなかなかに致命的ですが、これに咥えてストーリー構成が引くほど盛り上がらない、というのも特徴なので隙がありません。

 今作のストーリーは、

  1. ヒロインが変な学園(どう見ても民家、生徒数名のみ)に入学
  2. そこで生贄にされそうになるも、自称正義の魔女っ子()三姉妹に助けられる
  3. 三姉妹の家で生活。魔女の力を覚醒させるための訓練に励む
  4. 敵勢力にヒロインが攫われたので、三姉妹が敵拠点に殴り込み、ついに戦いへ!

 という感じの流れを踏みます。これだけ見ればまあオーソドックスな感じは受けますが、この「三姉妹が敵と戦いへ!」という展開に行くまでに、およそ75分かかります。本編は90分なので、エンディングを除けばマトモな戦闘が展開されるのは残りの10分のみという驚愕の薄っぺらさ

 かつ、その展開に至るまでの間に何かしらの戦闘が起きたりとか、両勢力による魔法バトルが勃発したりとかの、見せ場たりうるシーンが入るのならいいんですけど、その間にあった戦闘っぽい描写は「ババア同士が棒立ちでお手手を突き出しながら、互いに苦しそうな顔をする(+お粗末な魔法エフェクト)」というシーンと、「敵と味方がそれぞれ一列に並んで、互いにお手手を繋いで苦しそうな顔をする(魔法エフェクトなし)」というシーンのみなので、とてもではないですがこれを見せ場とは呼べません

 そして、それらに咥えてやっていることといえば、ヒロインの訓練と称してババア3人が彼女を取り囲んで怪しい呪文を呟きながら周りをクルクル回ったりだとか、水に浮かべた花びらを金魚に変えてあらビックリだとか、大して聞く意味もない長老の話を聞きに行って時間稼ぎしたりなどの、「これいる?」なシーンが大半なので、まあ話がビックリするほど盛り上がらないのです。

 そこから展開される、残り時間10分ほどのラストの決戦シーンも、当然のことながらあっさりと決着がつきすぎるせいで盛り上がるわけもない。さらにその後には、敵勢力によって召喚された「世界を破滅させるほどの力を持った悪魔」というのが出てくるのですが、こいつはこいつで「最強ヒロインに触れた瞬間、勝手に自爆してKO」という、もはや不戦敗レベルの最後を飾るため、オチに至るまで徹底的に、徹頭徹尾盛り上がらない

 とまあ、ストーリー面についてはボロボロの今作。これで「でも、魔法の演出は結構いいんだよね!」となればまだ救いがあるんですが、それすらもダメなのでどうしようもないです。

 先にも軽く触れたように、今作の魔法演出は基本お互いが棒立ちで苦しそうな顔芸を披露するだけのシーンに、気分で魔法っぽいエフェクトを貼り付けただけのもの。そりゃこちらとしても、こんな低予算映画にハリーポッターばりの良質なCGバリバリ使った魔法演出を持ってこいと言う気はさらさらないですけど、それにしたって今作の演出はあんまりにもあんまりすぎます。エフェクトはお粗末でも全然いいから、せめて棒立ち顔芸対決はやめて、もう少しキャラクターに動きを持たせて「なんか戦ってる感」を出すことくらいは出来んものだろうか、と言いたくなります。

 作中で1番マシな魔法エフェクトを用いた敵悪魔との最終決戦も、前述のとおり決戦というより、もはや不戦勝に近いため、魔法バトルシーンはことごとく良い場面がありません。まあ今作の場合、魔法を使わずにわちゃわちゃ戦ってるだけのシーンですらも、カットが不自然すぎるせいで失笑レベルの出来なので、救いようはないんですが……。

 というわけで総評ですが、ストーリー展開が雑なせいでキャラクターには魅力がなく、おまけに構成も無駄が多すぎてまるで盛り上がらないので見ていて退屈で、肝心の魔法合戦も質、量ともにお粗末極まりないという、褒められる部分がまるで思い付かない残念映画でした。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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