「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

クロージング・ナイト 地獄のゾンビ劇場 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
もはやストリップショーが本編なのではないかと疑いたくなるゾンビ?映画のレビュー、はじめるわ。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 カナダ
  • 製作 2016
  • 販売 トランスワールドアソシエイツ

あらすじ

斬新な殺り口でクラブにストリッパーの悲鳴と雄叫びが轟く!営業最後の夜を迎えナイトクラブを惜しむ女主人。そんな中、ストリッパーたちが次々と何者かに惨殺されていく…!しかしそれは単なる殺人事件ではなく、炭鉱の汚染物質で変貌を遂げた男たちによる仕業だった!!銃弾をぶち込まれても死なない生ける屍どもを相手に、生き残りをかけた闘いが始まる-!果たしてこの惨劇から逃げ切ることはできるのか!?ゾンビへ変貌を遂げた男どもがストリッパーに襲い掛かるエロティック・バイオレンス!!

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
ゾンビの質
設定
総合 C+

良い点

  • こだわりが光る部分はそこそこ見られる

悪い点

  • 諸々の点が惜しく今ひとつ物足りない

 一言で感想を言うなら「悪くはないんだけど所々惜しい」、という映画です。こだわりや光る部分がちらほら見られる一方で、あと一歩、二歩、という部分がそこそこ目につくのも特徴。ストーリーはシンプルながらも結構内容はごちゃついてますが、これはこれで……と思わせる力を秘めているのも事実。
 なお、舞台がストリップバーということもあり、かなり下品な表現が多々あるので、ご家族で鑑賞するのは、やめようね!

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 その辺の生ぬるいストリップ描写が裸足で逃げ出すレベルでガッツリ下品にストリップショーをぶち込んでくる作品。苦手な人は気をつけよう!

 さて今作ですが、ストリップバーにゾンビ(仮)が現れて大変なことになるお話です。メインストーリー自体はゾンビ倒してバーから脱出する、というめちゃくちゃシンプルな内容なのですが、これにあれもこれもと装飾を盛り込んで結構ゴテゴテに仕上げた作品。ストリップの件もあって、割と好みは別れそうですね……。

 と言うわけで、まずは良い点からいきましょうか。今作の良い点は、こだわりの見える部分がちらほらあると言うことです。

 今作はストーリー本体のシンプルさとは裏腹に、一つ一つの要素自体は割とこだわりのあるものが多い印象を受けます。それこそ、開幕から始まるストリップショーなんかはかなりこだわって作られており、「舞台がストリップバーだからショーの一つくらいは入れとくか」なんていい加減な姿勢とは真反対

 ショーの一つどころか、ストリップショーの数は全部で4人分もぶち込まれている上、一つ一つのショーの内容はおまけとは言えないレベルで濃い。普通に脱ぐだけにとどまらず、オムツプレイからの放尿、マン屁連打披露などの完全にアブノーマルな見せ場もガッツリ取り込んでくるなど、むしろ「ストリップバーを舞台にしたからには徹底的にやりたいことぶち込む」という姿勢が見て伺えます。

 さらに、ゾンビ?についても他作品との差別化がしっかり図られている点もポイント。今作のゾンビ?は、例えばバイクを運転したり、ある程度の知能があったり、噛み付いて来ず直接武器を使って攻撃してきたり、頭を撃っただけでは死ななかったりなど、良くも悪くも昨今普及している一般的なゾンビとは大きく違う点が多いです。また、ゾンビ化前に尋常ではない量の嘔吐をしたり、噛み付いて感染させるのではなく全身を覆う油を介してゾンビ?化させてくることなど、結構独創的なポイントも。

 そして、ゾンビ映画に肝心のスプラッター部分の出来についても、今作はなかなか高いクオリティを発揮してくれます。大量の吐瀉物をゲボゲボして床に黒い液体を撒き散らすところから始まり、首ポロリや人体破壊などをしっかりと行う様には好感が持てるほど。人間の内臓をぐちゃぐちゃにばら撒くシーンもしっかり撮っており、名実ともにエログロパートのクオリティはバッチリ。まあ、エロについてはあんまり可愛い子がいな──好きな人は好きそうな容姿の子が多いので、過度な期待は禁物ですが。

 とまあ、エロよし、スプラッターよし、独創性もある、となかなか悪くない今作なのですが、残念な点と言えばそれらの要素を十分にストーリーに活かせておらず、物足りないと言うことでしょう。

 例えば、たっぷり時間をとってストリッパーシーンをガッツリ映し、かつ赤ちゃんプレイ放尿やらマン屁やらのアブノーマルなキャラ付けをグイグイ押し付けてきた割には、それらが本編に活きる事が殆どなく、結局やりたいことやっただけに終わってしまっているのは大変残念なポイント。例えば今作のゾンビ、なぜか水かけられただけで死ぬという滅茶苦茶致命的な弱点があり、それがお漏らしによって判明するのですが、その頃にはもう放尿を特技としているキャラは退場しているなど……。

 他にも、ストーリーがシンプルなせいか、ワンシーンワンシーンが結構間延びしがちな部分や、設定が結構力押しな部分があるのも気になるポイント。特にゾンビ?の弱点についてはめっちゃ気になる。
 普通相手が油まみれの生命体と聞いたら、弱点として真っ先に思い浮かぶのはだと思うのですが、今作では突然

登場人物
油と水は反発し合うので、水をかけたら殺せるのでは?

 などと意味不明なことを言い出し、しかもその通りになってしまうのでめちゃくちゃ拍子抜けします。何度殺しても、頭を撃っても殺せない敵の弱点が水……。
 では、火は使わないのかと言うとそんなこともなく、最後の最後で火が使えることに気付いて普通に使うし。いや、普通大人が何人も集まって油まみれの敵への対抗策話し合って、火よりも先に水が出ることあるか?

 とまあこんな具合に、今作はせっかく時間をかけて準備した使えそうな伏線、キャラ付けを上手く使ってくれないばかりか、突然ものすごい力押しな設定を出してきたりするなど、とにかく「これがやりたい!」が先行し過ぎている節があります。これをストーリー中にうまく活かして組み込めれば全然良いのですが、何よりもまず「とにかくやりたい」が先に来てしまうため、見ているこちらとしてはなんとも期待外れだったり置いてけぼり食らったりするわけです。特にラストのおまけストリップショーについては、「お前やりたいだけやろ」感がすごかった。

 総評ですが、やりたいことをしっかりやりきっているおかげで光る部分も多い反面、それをストーリーにうまく活かすレベルにまでは行っていないせいで物足りない部分も多いという、まさに一長一短な作品でした。エロのこだわり、スプラッターの出来、意外と真面目なストーリーなど、見どころとなりうる部分自体は結構多いので、刺されば割と有りな作品になる可能性も充分あります。ただし、アブノーマルストリップの存在などもあり、万人受けはまずしないと思うので、ご家族ご友人等との鑑賞の際はご注意ください。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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