「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
シャークネードもゲスト出演するジュマンジみたいなやつのレビュー、はじめます。

 ラバランチュラも出せ(過激派)

 それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2019
  • 販売 ニューセレクト

あらすじ

懐かしのアーケード・ゲーム、『ランカラ』の中に吸いこまれてしまった、サラ、レイ、クリッシーの親友3人。そこはサメや恐竜や猛獣、様々な怪物が暴れまわるヤバすぎる世界。次々と現れるステージの、難易度もどんどんレベル・アップ!3つの『ライフ』が無くなれば、ゲームオーバーだ。悪戦苦闘の果てに、遂にたどり着いたファイナル・レベル。そこには10年前に失踪したサラの兄、ジェイクが囚われていた。ラスボスの“キング”を倒し、3人は元の世界に戻れるのか?

ニューセレクト株式会社商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
アクションの質
設定
総合 C+

良い点

  • 話自体は割とポンポン進むので完走は容易
  • 演出がものすごくチープ

悪い点

  • 明らかに構成がおかしいせいで盛り上がりがお通夜
  • 演出がものすごくチープ

 あまりにお粗末すぎる演出のチープさに失笑を誘われる映画です。内容はないようなのですが、立ち上がりのスピード、次々進む展開、そしてチープさここに極まれりといった演出が特徴なので、多分酒でも飲みながら友達とワイワイ見るのが正しい楽しみ方だと思われます。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 さては、シャークネードさえ出しておけば観客は黙ると思ってるな?
 ラバランチュラも一緒に出されたら危なかった。

 さて今作ですが、どう見てもジュマンジです、本当にありがとうございました。なインスパイア系映画です。早速ですが、悪い点から解説します。

 今作の悪い点は、明らかに構成がおかしいせいで盛り上がりが死んでる事と、ものすごくチープで手抜きな演出です。

 まずは今作のストーリーをざっくり解説。今作は見ての通り、ゲームの中に入りこんでしまった3人が、現実世界に帰るためクリアを目指す、というやつです。このゲームには全部で5つのステージがあり、各ステージのボスを倒しながら進んで、最終的にラスボスを倒せばクリア、ということになっております。いやーいったいどんなボスが出てくるのか、と楽しみに視聴を始めたところ──なんとなんと、ファーストステージのボスはまさかのシャークネードでした。

 いやーこれはテンションが上がりましたね。ゲームの世界という事を存分に活かして、現実世界ではできないことを見せてやろう! という気概が伝わってきます。まあ、シャークネードのCGについては本家と比べてもかなりガバガバで低クオリティでしたが──それでもやっぱり、こういうファンサービスというか、せっかくゲームの世界が題材なんだから派手にやろうぜ! って姿勢が見えるのは大変良い事です。シャークネードの倒し方も、竜巻に爆弾投げ入れるという本家リスペクト展開にはにっこり。

 この時点で、今作に対する期待はそこそこ高まります。いきなりシャークネードが出てきたんなら、次のステージは一体何が出てくるんだ──次のステージボスは、一体何が……? そんな期待を背負ってのセカンドステージですが、出てきたのは普通に武装した人間でした。そしてその面のステージボスも、なんかそいつらの親玉みたいな人間が出てきて主人公とタイマン。もっさり手加減MAXな大根役者同士の殴り合いを見せつけてきます。
 せっかくゲームの世界なんだから、こっちはシャークネードとかモンスターとかとの戦いが見たんだけど──ま、まぁ、まだセカンドステージだし、今後の展開に期待……と思った第3ステージ、何とここで、小型恐竜が登場します。

わし
そう、そうだよ! こっちが見たかったのはこういう、サメも恐竜もモンスターもごちゃ混ぜの何でもありなゲーム的世界観の作品だったんだよ! 監督わかってんじゃねぇか! じゃあ、この第3ステージのボスはきっとティラノサウルスかな?!

 そんな感じでいい具合にテンションが上がったところで、出てきたボスはまさかの銃持ったオッサンでした。そしてまたしても、そのおっさんと台本見ながらの動作練習みたいなもっさり挙動での殺意皆無な殴り合いを見せつけられます。
 もうこの時点で嫌な予感はしていましたが、今後登場する敵は人間のみです。今後の戦闘シーンは、アクション映画の格闘シーンを0.5倍速にしたかのような人間とのお粗末な殴り合いしかありません。

 あ、サイが1匹出ます。
 バカかな?

 いやもうこれには呆れて言葉が出ねぇ。明らかに構成おかしいでしょうよ。なんで最初のボスがシャークネードで、そこから先のボス全部人間なんだよと。しかも、この人間がなんか魔法とか超能力とか、そういう非現実なパワーを使ってくるっていうなら100万歩譲ってまだいいとして、なんで全員格闘戦挑んでくるただのおっさんなんだよと。せめて恐竜ステージのボスくらいは恐竜であれよ!!!!!

 かつ、このおっさんたちとの格闘戦のクオリティが高いのならまだいいんですけど、先述の通り、あまりにもっさりで手加減MAXな動作練習を格闘戦と言い張ってくるものですから失笑不可避です。しかも、ゲームということに拘ってか、格ゲーを意識した立ち合いのポーズから繰り出される腰の入ってないもっさりパンチがさらに笑いを誘います
 さらに、ゲームぽっさを出そうとした結果か、なんかゲームっぽいエフェクトと効果音をパンチやキックに合わせて来る演出が入るのですが、このエフェクトや音の種類が死ぬほど少ないせいで、「弱い攻撃には控えめなエフェクト、強い攻撃には派手なエフェクト」という当たり前のことができておらず、基本全部の攻撃に同じようなエフェクトを付けるという酷い手抜きのせいで全く盛り上がりません。適当に繰り出したパンチも、トドメを刺す渾身の一撃も、全部同じような処理ですからね。こんなん笑うわ。自社コラボとはいえシャークネードの使用料で予算使い切ったのかな?

 とまあ、こんな具合で文句を言えばドンドコ溢れてくる今作ですが、見終わった時点での私の評価は意外にも「なかなか悪くなかった」でした。その理由ですが、なんだかんだポンポン話が進むため結構見れちゃうという事と、クッソチープな戦闘シーンこそが逆に見所になっているためです。

 前述の通り、今作は総時間90分程度の枠内に全5ステージが収録されているため、1ステージあたりにかかる時間がそれなりに短く、ボス戦→次のステージ→またボス戦→次……というように、思いの外話自体はポンポン進みます。とはいえ内容はすっからかんなため、ステージが進んだからといってストーリー内容に進展があるかと言われるとそうも言い切れないのですが──まあともかく、1つのステージで延々とダラダラ時間を稼がれ、話は進まないわ戦闘シーンはないわ、みたいになるよりは数億倍はマシ。このため、完走するだけなら結構飽きずに出来てしまいます。

 また、先ほど戦闘シーンがあまりにもチープ過ぎてキツい、という旨の発言をしましたが、裏を返せばツッコミどころが満載でこれはこれで違った楽しみ方ができる、と言い直すことも可能ということ。これが中途半端なチープさなら、アクションを楽しむのも無理、ツッコムのも無理となかなか地獄絵図な光景になるのですが、ここまで失笑を誘うレベルで安っぽいと、それはそれでギャグっぽく見えて来て有りだと脳が錯覚します。

 例えば、格ゲーをバリバリに意識したタイマンの立ち合いから繰り出されるもっさり戦闘。ガチガチに武装した敵と戦闘になった途端、相手の武器が消失して素手で殴りかかってくるバグ。ファイナルファイトなどに代表される2Dのベルトスクロールアクションっぽい雑魚戦に見せかけた幼稚園児の小競り合いレベルのゆるゆるアクションシーンなど、今作の戦闘シーンは狙っているのか真面目なのか、とにかく失笑が溢れるシーンのオンパレード。というより戦闘シーンに関しては、台本あるのがバレバレでぎこちない動きの今作より、間違いなく幼稚園児同士の喧嘩の方が見所ありますね。あいつらマジなので。
 ですが、逆にこのチープさ加減が、ツッコんで笑いながらダラダラ見るのにちょうどいいような気もします。多分酒とか飲みながら、友達数人と世間話でもしながら後ろで垂れ流しておくのに最適な映画ですね。真剣に見なくても何となく話が分かる上、ちょこちょこネタ提供してくれるためです。

 というわけで総評ですが、まあ真面目に見ようとするとあまりのチープさと盛り上がりのなさに真顔になるような映画ですが、鑑賞態度一つ変えるだけで結構ガラリと印象が変わりそうな映画です。ぶっちゃけ開幕すぐからオチは読める上、基本見てなくても分かる程度の内容しかないので、なんか作業しながら流しておく、友達と集まって見るなどすれば結構楽しめる作品かと思います。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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