「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ガンズ・アキンボ のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)
ハリーポッターが両腕に拳銃括り付けられて無理矢理デスゲームに放り込まれる映画のレビュー、始めるわ。

 あらすじだけでもう面白い。

 それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 イギリス・ドイツ・ニュージーランド
  • 製作 2019
  • 販売 ポニーキャニオン

あらすじ

ゲーム会社のプログラマー、マイルズ(ダニエル・ラドクリフ)はネットのコメント欄に過激な書き込みをする“クソリプ”で日々の鬱憤を晴らしていた。ある日、殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」でクソリプ祭りをしていたマイルズは、闇の組織に襲撃されてしまう。目を覚ますと、マイルズの両手にはボルトで拳銃が固定されていた!! さらに「スキズム」に参加し最凶の殺し屋ニックス(サマラ・ウィーヴィング)と戦って 24 時間以内に勝てと命令される。彼女のノヴァ(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)も人質にとられてしまい、逃げ場なし!! 果たしてマイルズは、二丁拳銃(=アキンボ)を武器にこの無理ゲーを攻略し、彼女を救うことができるのかー!?

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
アクションの質
設定
総合

良い点

  • 終始テンション高め、アクション多めで楽しい
  • 話のテンポも良く、飽きずに楽しめる

悪い点

  • ストーリーはオタクの都合良い妄想全開な感じ、かつ設定ガバガバなので、人によってはキツそう

 「ハリーポッターが両腕に拳銃括り付けられて、無理矢理デスゲームに参加させられる」という概要の時点で、もはや面白い映画です。それゆえに出オチを心配しましたが、意外にも中身はハイテンションアクションとしてしっかり作られており、終始飽きずに楽しめました。頭を空にして見る分にはかなりおすすめの映画です。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 ハリーみたいに、一度大役のイメージがつくとそこから脱却するのって相当難しそうなので、ダニエル・ラドクリフには是非頑張って欲しい。ハリーポッター全部見てないけど(ゴブレットまで並感)

 さて今作ですが、うだつの上がらないネット荒らしが生き甲斐の一般ダメ青年が、両腕に拳銃を固定させられてデスゲームに放り込まれる、という内容の映画です。そのバカっぽい出オチ間満載の設定とは裏腹に、中身はかなりアクション重視でしっかり作られており、すごく楽しめました。製作費がどのくらいかは知らないんですけど、滅茶苦茶金かかってそうなのでB級映画なのかと聞かれると悩ましいんですが、まあせっかく見たんでレビュー致したいと思います。たまにはこう言うのも多少はね?

 それでは早速、今作の詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、ストーリーのテンポの良さと、アクションシーンが質、量ともに良好で楽しめることです。

 まずは、今作の大まかなストーリーから解説。今作の舞台となるのは、スキズムというデスゲーム中継配信サイト。そこの掲示板で、他人をバカにする荒らし行為を繰り返していた主人公のマイルズくんが、ある日管理人の怒りを買ってしまい、住所を特定された上に拉致されます。そして、あろうことか2丁拳銃を両腕にボルトで固定されて、無理矢理ゲームの参加者にさせられる、というぶっ飛んだところから物語がスタート。しかもその対戦相手は、ゲーム内でもかなりやり手、かつ人気の女殺し屋、ニックスでした。
 と言う具合で、今作は序盤から面倒くさい前置きやダラダラした引き伸ばしなしに、ネット煽りが趣味で戦闘経験など皆無なダメ青年と、バリバリやり手の殺し屋の対決カードを組んでそれを早々に展開してくれます。まずこの時点で、「こっちの見たいものをとっとと見せてくれる」という、よく分かっているスピーディーな立ち上がりに好感が持てます。

 さて、いきなり自室に対戦相手のニックスが現れて襲撃を受けた主人公は、その後街中でも構わず襲撃され、逃げ込んだ先のオフィスでも戦闘になるわカーチェイスまで繰り広げさせられるわと大忙し。その後はあっちで戦闘、こっちで戦闘、とかなり戦闘描写多めの配分。まあ戦闘といいつつも、この段階ではまだほとんど逃げ回ってるだけなのですが。
 しかしここの展開も、逃げても逃げてもドローンで追跡され、行く先々で女殺し屋に襲われ、その度になんとか手を尽くしながら、命からがら逃げ出す一般人主人公(両手に拳銃)、という構図がなかなか面白く楽しめます。その上、この戦闘間の繋ぎとして、警察に追い回されたりだとか、両手の拳銃を見た元カノにドン引きされて逃げられたりだとか、ヤクザの取引現場に図らずしも顔を突っ込んでしまったりとか、とにかく大小様々なイベントが次から次へと起きるため、息をついている暇がないほどにどんどんと事態が動いていくという構成になっているのも大変に素晴らしい。主人公が積極的に戦闘を仕掛けるシーンこそほぼないものの、全く飽きずに見られます。

 その後、ゲームから逃げ出そうとした主人公は元カノを拉致され、彼女を救うために逃げ回るのをやめて戦う決意をする、という一転攻勢パートへ。しかし、対戦相手の女殺し屋と戦うのではなく、彼女と手を組んでこのゲームの運営を叩き、元カノを救出するという無茶な作戦を決行することとなります。2人は敵のアジトに乗り込み、次々と襲いかかってくる敵兵たちを薙ぎ倒してゆきながら、遂に敵兵を殲滅。そして運営のトップを追い詰めて血祭りにあげ、なんとか元カノも救い出す。そんでついでに、世界中にその根を広げているデスゲーム、スキズムを根絶するため、我らがダニエル・ラドクリフが立ち上がる! という流れを踏んでエンドロールとなります。
 この、後半は後半でイベントてんこ盛り、かつ前半は逃げ回るだけだった一般主人公が覚醒して、両手につけられた拳銃で敵をバンバン撃ち殺していくという一転攻勢の流れになるのは、絵面がマンネリ化しそうになる中盤からの良いアクセントとなり、かつ見応えもあって盛り上がるのが大変に良かったです。これらのおかげで、前後半、それぞれ違う見所が展開され、最初から最後まで飽きずに楽しく見られました

 このように、テンポ良く戦闘がどんどんと発生していく事に加えて、戦闘の質自体が高いのも嬉しいポイント。カメラワークにかなりのこだわりが見られ、様々な視点からのカットインが含まれつつ、撃たれた敵はガッツリ風穴が開く、血が噴き出るなどしっかり描写されており、「撃たれたふりして、てきとーに倒れて終わり」という誤魔化しがあんまりないのが臨場感高めで好感が持てます。スローを用いて、撃たれた瞬間に頭に銃弾がめり込む瞬間をばっちり見せるなど、サービス精神旺盛なのも良いですね。

 また、主人公の方は戦闘ド素人なので置いておくとしても、女殺し屋の方は格闘戦などの近接アクションもしっかり採用しており、単純な銃撃戦に終始しないような工夫もしっかりされています。総じて、アクションシーンは量多め、かつ質高めな出来栄えとなっており、見応えがあってかなり楽しめました。

 と言うわけで、良い点は以上です。続いては悪い点を。今作の悪い点は、ガバ設定、かつストーリーのノリがほんのりキツめな事です。

 今作、先にあげたように、半ばお祭りバカ映画感溢れるストーリーとなっているのですが、これが若干人を選びます。ストーリー内容自体がかなりシンプルゆえに読みやすい、と言えばまだ聞こえはいいのですが、どちらかというと話の整合性がガタガタでツッコミどころが多いというか、はっきり言うとちょっと痛いノリが強めなので、人によっては結構キツいかな、とも思いました。

 良い点で先述したように、今作の前半部分は一般ネット荒らし主人公が、無理矢理拳銃括り付けられて殺し屋から逃げ回る話だったわけですが、途中から内容が一転攻勢し、敵アジトで銃をぶっ放しまくりながら敵をボコボコにしていく、という方向へシフトしていきます。それに合わせて、それまでは一発撃つだけでビビり散らかしていたほどにからっきしだった拳銃のスキルは一気に上達を見せ、最終的にはデスゲームキラーとして世界を飛び回るヒーロー的なポジションに落ち着くという、「何者でもない一般人主人公が、これといった訓練もなく一気に成り上がり、元カノに自分を題材にしたヒーロー漫画まで描かれて、自分自身も2丁拳銃を手に悪と戦う!」という、良く言えば稚拙、悪く言えば陰キャネット弁慶中学生が妄想で書いたみたいなノリ全開のシナリオなので、ちょっとキツい人にはキツいかもしれないです。自分も、最後の「主人公の活躍が漫画化&世界をまたにかけ、巨悪を相手に単身戦う!」的な展開は、「流石にそこまでは求めてなかった」と若干引いたレベル。

 また、主人公が死んだと見せかけて防弾チョッキを仕込んでいた件や、女殺し屋との共闘を持ちかけた件など、ちょいちょい先の展開が読みやすい部分が多いため、「まさかこんな展開が!」的な、いわゆる予想を超えて盛り上がってくるような場面は少なめな印象。かつ、街中で銃撃戦をおっ始める様子をガッツリ生中継しているにも関わらず、警察が常に後手後手に回っている現状など、主にスキズムの設定に関してはあまりも不自然、かつ詰めが甘い部分が多く、ツッコミどころが全編に渡って山ほどあるので、そう言うのが一度気になり出すと話が頭に入ってこなくなる可能性も大いに孕んでいる、という問題点も。特に、デスゲームを生中継しているのに警察が止められない理由については、「警察内部に協力者がいるから」的な説明がされはするんですが、ぶっちゃけその程度でこんな公に視聴者が何百万人もいる殺人ショーを堂々と開催してセーフになる理由にはどうしてもならんだろ、と思わざるを得ない。

 まあ、しかしこれらについては、本編自体がアクション重視のストーリー二の次、みたいなノリが強いので、気にならない人には全然気にならない部分かとは思います。ちょっと、好みが強く出るところかもしれません。私はちょいちょい引っかかりつつも、「まあこう言う映画だしな」と思えば許容できる範囲でした。

 と言うわけで総評ですが、ストーリーのテンポ良し、アクションの質、量ともに良し、と、ボケーっと映像を享受する楽しみ方をするにはかなり最適な映画だと思いました。設定面など、細かい部分が気になり出すとちょっとツラい面があるのも事実ですが、その辺を割り切って視聴できる人に対してはかなりオススメできる作品です。「たまには面白いアクション映画が見たい」「何人かでワイワイ見られる作品がいい」と言う方、是非こちらの作品いかがでしょうか?

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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