

むしろ、普通のサメしか出してないのにここまでちゃんと面白いものを作れるのは普通にすごいと思う。
それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。
- 国籍 アメリカ
- 製作 2016
あらすじ
ミズーリ州・オザークの淡水湖に複数のサメの大群が出現!人間に怒りを覚えた最凶の人喰いザメが、花火大会でキャンプ地に集まったファミリーやビキニ美女らを喰い尽くしていく!最強武器を使い、最凶ザメとの壮絶な格闘を描く前代未聞のモンスター・パニック!
(Amazon商品ページより引用)
予告編
ストーリー | B |
キャラクター | C |
サメの質 | C |
設定 | C |
総合 | C+ |
良い点
- 飽きさせない工夫がしっかり見られる作り
悪い点
- 人によっては物足りなさを感じる可能性
湖にごく普通のサメが6匹出てくるだけの、普通すぎて逆にこっちが心配になってくるサメ映画です。しかし侮ることなかれ、作りはかなりしっかりとしており、意外にも飽きずに見られます。物足りなさは多少ありますが、むしろ普通のサメしか出さないのにここまでちゃんと面白く作れるのに逆に感動を覚える作品でした。
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評価はC+ですが、かなりBに近いです。
さて今作ですが、どうやらテレビ放映用に作成された映画のようです。それゆえか、サメのCG自体は派手さもなくかなり地味ですが、まあこの手のジャンルではご愛嬌。
それでは早速、今作の良い点から見てゆきましょう。今作の良い点は、地味ながらも観客を飽きさせないよう、しっかり工夫して作られている、ということです。
今作のストーリーは、なぜか湖にサメが6匹出現し、主人公一家が力を合わせてそれを撃退する、というもの。川遊びしていたおばあちゃんが、頭からガブリとサメに丸呑みされるという衝撃的()展開で幕開けし、そこから各自、サメへの対処を迫られることになります。各家族は、分散したり合流したりしながら、さまざまな武器を用いてサメを撃退し、湖を進んでゆく。そして最終的に、花火大会会場となっているビーチでサメ共との最終決戦を行い、見事大勝利を収める。話の流れ自体はこれだけで、大変シンプルな内容となっております。
かつ、出てくるサメは、湖に出ること以外、特に何の変哲もない普通のサメ。しかも、淡水にも出られるサメをチョイスしたため、膝くらいまでしかない水深でも泳げるくらいの小ささしかなく、モンスターと呼ぶには少々物足りないサイズ感。特殊能力を持っているわけでもなければ、特段耐久性があるわけでもないです。そんなサメを相手にして、襲われたり倒したりしながら汚ったない湖を進んでゆくだけなので、一見飽きそうに見えるのですが、これがなかなか良くできていて意外と面白いです。
登場人物紹介を済ませたら、グダグダした導入なしに割と序盤からとっととサメを登場させておばあちゃんを襲わせ、そこから定期的にきちんと襲撃シーンを入れて来てくれる。それを迎え撃つキャラクターたちも、その都度きちんと迎え撃ち、猟銃やボウガン、お手製トライデントに高圧電流棒など、倒し方が被らないようにさまざま方法で1匹ずつ仕留めながらの進行となります。そのため、襲ってきたけど取り逃しました、という展開が連続して興ざめすることもなければ、グダグダした無駄会話ばっかりで一向にサメが出てこない、という出し惜しみも少なく、この辺に対してはなかなか好感度が高かったです。
さらに、この手の低予算映画だと、サメの襲撃を受けるのは常に少数人数のみでまともなパニックシーンがほぼない、ということも往々にしてあるのですが、今作は終盤に、一般人が(それなりに)多数いるビーチでのサメ襲撃もきちんと描いており、割とちゃんとしたパニックシーンが挿入されているのもポイントが高いですね。
また、捕鯨砲を使用してサメを釣り上げ破砕機にぶち込む、空気砲に花火をしこたま詰めこんでサメにぶちかまし、お空に汚ねえ花火をぶちまけるなど、見栄えを意識した撃退法も完備。おまけに、面白武器収集癖ジャンキーのショップ店主はじめ、主人公家族御一行などキャラクターたちもまあまあ個性的で、主要人物の中にクソ無能ムーブかます地雷キャラや、いちいち不快な言動を繰り返す人物もおらず、みんな結構積極的に動いてくれるため話の邪魔をして来なかったのも良かったです。妹の彼氏のキャラは、人によっては若干怪しいもかですが……。
まあ、話に都合の良すぎる部分やツッコミどころが多々あったりなど、気になる部分自体はままあるものの、総じて各要素が平均点以上でまとまっており、大変にバランスが良いと思います。派手さは控えめでも、ちゃんとポイントは抑えて作られているな、という印象を受けました。暇つぶし程度に見る分には十分な出来ではないかと思います。
反面、結局出てくるのは普通のサメだけ、かつ1匹1匹は特別デカいわけでも強いわけでも特殊能力があるわけでもなく、絵面としてはかなり地味なことは否めません。また、倒し方もユニーク武器を取り揃えて、同じ撃退法にならないよう工夫自体はされているものの、想像の範疇を超えて来るほど見応えのあるものとは呼べず、人によっては盛り上がり不足に感じる場合は十分にあり得ます。サメの襲撃自体は定期的にあって良いと言いましたが、一つ一つのシーンは特段出来が素晴らしいわけでもなく結構あっさり目で、サメが何人も食いちぎって大暴れしたり、キャラクターたちとギリギリの死闘を長きにわたって繰り広げる、など大きく盛り上がる場面も控えめ。話のテンポも全然悪くはないものの、何となく終始ゆるい雰囲気が漂うのも好みが割れそうですね。これまた総じて、突き抜けた特徴や強みに乏しく、長く印象に残る映画かと言われると残念ながら、というのも弱点になり得ます。
総評ですが、ぶっちゃけ個人的に結構好きです。ごく普通の淡水サメしか出て来ないわりに、飽きさせない工夫がしっかりとしてあり、こじんまりと終わるのかと思えば終盤にビーチ襲撃シーンをきちんと入れて来てくれるなど、要所要所のポイントはしっかり押さえている印象。反面、やはり物足りなさを感じる部分も少なくなく、突き抜けた強みに欠けるため、多作品を押しのけてまでお勧めできる、というほどの映画ではありませんでした。
ですが、それら承知で暇つぶし程度の心構えで臨むのなら、なかなか楽しめる作品ではないかと思います。ほら、ちょうど夏ですし、アマプラに来てますし、どうです?
余談なんですが、今作の舞台となる湖、なんかゴミとか浮きまくっててすごい汚ったないんですけど、登場人物みんな、文句ひとつ言わずに普通に泳ぎ始めるんですが、これって今作が低予算作品だからそうなのか、それともあちらの国ではこのくらい普通なのか、どうなんですかね? 私、国内の海とプール以外で泳いだ経験がないので何とも言えないのですが、ちょっと気になりました。教えてエロい人。
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