「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

マインドバトル のレビューです(総合評価D)

(画像:ぽすれんより引用)
実話ベースのせいか内容が大変薄味な上に、ガッツリ邦題詐欺をかましてくる問題作のレビュー、はじめます。

マインドバトル(心理戦要素なし)

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 トリニダード・トバゴ
  • 製作 2017

あらすじ

カリブの楽園、トリニダード・トバゴで実際に起きた事件を元にしたサスペンススリラー。人里離れたビーチハウスを訪れた若者たち。彼らが楽しんでいると、そこに強盗犯が現れ、ジョアナは人質としてひとりジャングルに連れ去られてしまう。

ぽすれんより引用)

予告編

見つかりませんでした……

ストーリー
キャラクター
設定
総合

良い点

  • 犯人が死ぬほどムカつく

悪い点

  • 犯人が死ぬほどアホ
  • 一切盛り上がらない展開

 実際にあった事件を元にした映画らしいです。こう言う実話ベースの話って、あまりに展開に起伏がなく全然盛り上がらないことがよくあるんですが、今作はそれがかなり顕著。おそらく盛り上げる気が全くないので、ひたすら見ていて退屈なのですが、ノンフィクションファンからすると「この感じがリアルでいい!」となる可能性もないではない。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の人は注意してね。
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 実話ベースだからって、展開単調でつまんなくてもいいってわけじゃないぞ💢

 さて今作ですが、トリニダード・トバゴ産の映画です。トリニダード・トバゴって単語、地理だったか世界史だったかの教科書で見たのが最後な気がする。

 大まかなストーリーとしては、ビーチで友人と遊んでたヒロインが、突然やってきた覆面男に身代金目的で誘拐され、ジャングルの中を歩く、というものです。マインドバトルとかいうご大層な名前がついていますが、警察と犯人との高度な駆け引きとか、ヒロインと犯人との心理戦要素など一切ないのでご注意ください。

 それでは、早速今作の詳細な内容を見ていきましょう──なの、ですが。はっきり申し上げますと、私この映画ダメです(直球)。というより、元々ノンフィクション系映画が苦手なので、実話モチーフという免罪符の元に、盛り上がり展開皆無兼見所挿入放棄を堂々とかまして来る今作相手に、私の心が壊れました。ノンフィクション系映画ダメならなんで見たんだよと言われそうですが、タイトルとあらすじが……面白そうやったんや……

 強いて言うならば、今作の良い点は、犯人が死ぬほどクッソウザい事でしょうか。

 ウザいのに良いってどう言う事だよと思われるかもですが、つまりは犯人としてのキャラはまあまあよくできていると言う事です。この犯人口を開けば、聞いてもない独り言かどうでもいい昔話か不幸自慢か痛いポエムしか喋らない上に、偉そうな割にはほぼ思いつきでしか行動しておらず、自分より弱い立場の奴には高圧的なくせに自分より強い奴にはヘコヘコするという典型的なクソ野郎。見ている最中はずっと「あーこいつ死なねーかなー」「職場に1人くらいいそうなタイプやな死ねや」と思いながら見てました。この、思考回路のネジがいい感じに飛んでる具合、実際にいそう感は確かにあります

 一人しかいないのに数日に渡る誘拐計画立てて、よく精査もせずに実行しちゃう無計画さとか、裸足のヒロイン人質にしてジャングル入ったせいで、ヒロインが負傷しまくってまともに進めなくなるのも見越せない低脳加減とか、その他もろもろよくまあこれで成功すると思ったな、というガバガバ極まる計画(笑)の感じとかは、実在の事件としてはリアルと言えばリアルなのかもしれない。まあ、だからって=面白い、にならないと言うのは前述の通りです。

 と言うわけで、今作の悪い点の一つは、この犯人の低能加減にイラついてくる、という部分です。実際、ヒロインが少しでも果敢に立ち向かうような性格の子であれば、休んでる間に刺されて終わってましたからね。だって、見張りもなしの実行犯一人しかいねーんだもん。一人で数日に渡る誘拐やり抜こうと思ったら、常に拘束するくらいの選択肢は考慮しろドヤ顔だけは上手いド低能。

 そしてこの部分には目を瞑る、もしくはスルーできたとしても、もう一つの大きな問題点である、盛り上がりのなさにどうしてもぶち当たります。今作はなんかヒロインと犯人との間に高度な読み合いがある、的なことがDVDの裏のあらすじに書いてあった気がしたんですが、実際は全くそんなことはない。誘拐されたヒロインと犯人が山の中を歩きながら喋って移動し、立ち止まって飯食って移動着替えて移動一泊して移動、なんか捜索隊に発見されかけるのをやり過ごして移動、お互いにイキり会話交わしてまた移動……という感じで、延々と移動と小イベントが繰り返されると言う、なんかもうロードムービーに近い構成になっています。

 この間、もちろん警察とか、独自に捜査するヒロインの父親とか、まあ何人か出てくるんですけど、実際彼らは最後の最後までろくな成果も見せ場も上げられずに山中うろうろしてるだけの登場にとどまります。そのため、高度な読み合いがないどころか、警察の捜査は進展しないわヒロインの父親に見せ場はないわ、他の登場人物は空気な上、本編パートの誘拐犯とヒロインの移動シーンも何の盛り上がりも見せ場もなくとにかく単調な繰り返しでクッソつまんないという、もう何をどうしたいのか分からない構成になってます。そうしてラストシーンでは、父親とヒロインに一見見せ場っぽい何かを作って誤魔化し、犯人は雑に警察が確保して終了という、これまた雑な締め方をして終わり。

 総評ですが、流石に実話ベースにしても酷すぎるやろ、と思わざるを得なかった。いや、そもそもこれをわざわざ映画化する価値あるか? こんな映像化してもなんの見せ場もない事件を? と言うのが率直な感想でした。まあ、発生国がマイナーすぎる事もあり、元ネタの事件が調べても上手く出てこなかったので、この内容が史実に忠実なのか、それとも制作が下手すぎてこんな内容にしかなっていないのか判断はつきませんが、まあどっちにしても展開に起伏がなさすぎて見ていてつらい作品だったのは事実。

 逆に「いやー、この安易に盛り上げてこようとしない、淡々と単調に綴っていく感じが実話系映画の醍醐味ですわ」という人には合うのかもしれません。実際、犯人の思いつきに近い無計画性も、口を開けば頃したくなるようなウザさも、変にリアルな感じはあるので。ですが少なくとも、心理戦の展開や登場人物に見せ場を作っての盛り上げなど、「エンタメ映画」を見たい人にとっては駄作という評価に落ち着くと思われますので、ご利用は計画的に。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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