「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ディープ・コンタクト のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)
パッケージのモンスターが出てきた瞬間、速攻爆殺されて真顔になった映画のレビュー、始めるわ。

 内容自体はそこまで悪くはなかったのですが、パッケージ詐欺は許すな。

 それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 アメリカ
  • 製作 2021
  • 販売 アメイジングD.C.

あらすじ

絶望は奥深くに潜んでいる・・・
アリアンたちは科学調査の為、数々の不可解な事が起こっているシュックムヒルズの炭鉱町に向かう。
その場所では死者33名、行方不明者162名、史上最悪の被害を出した炭鉱火災があり、数十年間燃え続けていた。
しかし、別の理由で1,000人の住民が突如姿を消したという。
廃墟と化した町に向かう途中、近くの住人に炭鉱の場所を聞くと不穏な空気に。
ただならぬ気配を感じながらも知らず知らずのうちにアパラチア山脈の奥深くに足を踏み入れた地質学者たちは炭鉱跡を発見する。
そこにはなぜか稼働中の電気フェンス、そして地下からは悲鳴のような音が聞こえてくる。
すると突如、何かによって一人が地下の奥深くへと引きずり込まれてしまう。
助ける為に地下坑道に降りたアリアンたちは、そこで驚愕の事実を目撃する。

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
モンスターの質
設定
総合

良い点

  • ストーリーや設定の一部に光る部分も見られる

悪い点

  • モンスターが全然映らない
  • 盛り上がりに欠ける

 色々と悪くはない作品で、ちょっとだけ捻った設定なんかもなかなか面白いのですが、モンスターの見せ方をはじめとした演出なんかはありがち、かつ良いとは言えず、何とも盛り上がりに欠けます。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 モンスターの出来が良いとか悪いとか以前に、そもそもよく見えないのは良くないと思った。

 今作のレビューに入る前に何ですが、まず最初に軽く注意事項を。今作、モンスターのことについてはあらすじに詳しく書かれていない&パッケージにデカデカと映ってるやつがいるので、一見すると「そいつと戦うのかな」と大体の方は思うことでしょう。しかし結論から言いますと、このモンスター、出番はマジで一瞬しかないです。むしろ今作でメインとなるのは、ここには映っていない、白くてブヨブヨした人間サイズ、かつ人型のモンスターが多数、という実態。
 そのため、「地下に眠る大型モンスターとの対決!」みたいなのを期待して見た場合、爆死不可避です。まずはその点ご注意ください。

 それでは、詳細な中身の方も見てゆきましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、ストーリーや設定等、各所に光る部分は見られる、と言うことです。

 今作の導入は大変オーソドックス。舞台となるのは、はるか過去に1000人もの住民全員が消息不明となり、地図から姿を消した炭鉱町です。そこを調査しにきた研究チームが、そこに巣食う謎のモンスターに襲われる、という内容。その炭鉱の中から、白くて人型のブヨブヨした奴らがワラワラ出てきて、1人また1人と仲間が攫われてゆく──というお話となっております。

 ここまで聞くと、まあモンスターの造形などは置いておいて、話の流れ自体は割とありがちだと思われるでしょうが、単にこれで終わらないのが今作の特徴。実はこの場所には、過去にモンスターの襲撃を受けて壊滅したはずの住民たちの生き残り、その数およそ十数〜数十人が暮らしており、彼らは人知れずモンスターたちを封じ込め、外に溢れないよう監視し続けていた、という設定。このため、物語の途中で主人公たちは、住民の生き残りと合流し、共に鉱山の封鎖を目指す、という話になっていきます。

 このため、主人公たちが謎のモンスターに襲われ、それから逃げるだけ逃げてちょろっと反撃して終わり、というありきたりなストーリーでは終わらず、そこに一捻り加えたようなバランスとなっていたのは嬉しかったです。途中には、住民一同が各々銃器を引っ提げ、穴から這い出てこようとするモンスターたちの対処にあたり、一斉射撃をぶちかます、みたいな総力戦っぽい描写も入り、結構カッコ良かったです。こういうシーンすこ。

 まあ、長年監視してきた割には封鎖網甘すぎだろとか、モンスターもモンスターで出入り口に鉄板をちょろっと貼られたくらいで大人しく巣穴に閉じ込められてるの雑魚すぎではとか、その他設定面で甘い部分は多々ありますが、とりあえず、ありがちな展開からちょっと踏み込んでくれたのは、素直に良かったと思います。

 それでは良い点はこの辺にして、続いて悪い点を。今作の悪い点は、モンスターが全然映らないこと、そして絶妙な盛り上がり不足です。

 まずモンスターについて。先述したとおり、この映画のパッケージにはデカデカと口を開けた大きなモンスターが映っていますが、こいつの出番は映画全体から見ればマジでほんの一瞬です。というのもこいつ、人型の白いブヨブヨモンスターたちが形成しているコロニーの中核に位置する、いわば女王アリ的なポジのモンスターなので、巣の中央にずっしりと構えたまま、自身では動きません。この下っ端ブヨブヨモンスターたちが運んでくる人間を麻痺させ、口を開けて食べているだけで、こいつ自身からは全く襲いかかってこないのです。その証拠にこいつ、主人公を食べようと口を開けたところ、口内にグレネードをねじ込まれて爆殺され、何の見せ場もないまま出番終了と相成ります。そりゃないよ……。

 とまあ、期待していた大型モンスターの出番はこれで終わり。でもまあ、人間型のモンスターたちは終始襲いかかってくるのなら、それとの戦闘を楽しめばいいんじゃないの、と言いたくなるところなんですが、今作は残念なことに、この白ブヨモンスターたちが画面に映る時間すらかなり少ないのです。というのもこいつら、出てくる時は暗闇や物陰から、身体の一部だけをほんの一瞬覗かせて、そのまま人間を画面外に引きずっていく、という描写が大半なのです。

 かつ、主人公たちが物陰に潜み、モンスターたちの動向を一方的に視認しているシーンですら、今作は何故かピントをぼかしたり、やたら画面を暗くしたり、一瞬でカメラをずらしたりして、画面内にモンスターを極力ハッキリと映さないように努力している、としか思えない撮り方を多用してきます。これが結構イライラする。

 おそらく、今作も低予算作品ですから、着ぐるみとかCGの雑さを誤魔化すため、試行錯誤した上での処置なんでしょう。なんでしょうが、ハッキリ言ってそれにしても不自然過ぎです。モンスターのクオリティ自体は(全体像があんまりハッキリ映らないので何とも言えませんが)悪くなかったと思うし、ぶっちゃけ稚拙でもいいんで、変にぼかしたり不自然に誤魔化すくらいなら、ハッキリ映すシーンをもっと増やしてほしかったと思います。

 結局、この不自然に感じるほどのモンスター出し惜しみが悪い方向に働き、展開自体はそれほど悪くないものの、今作は終始、絶妙に盛り上がってきません。ストーリーはありがちなところに一捻り加えた内容にはなっているものの、特段目新しいとまで言える内容でもなく、進行のテンポも特別早くはない、キャラもこれと言って出来が良いとも言えない等々、その他要素も軒並み見所に欠けるのが辛いところ。

 「モンスターはあまりお見せできませんが、その他の要素で挽回しますよ!」的なガツンと来る要素がないので、軒並みの要素が普通止まりで肝心のモンスターも映らないとなると、だんだんと飽きてくるのはもはや仕方ないと言えるかと思います。

 総評ですが、強引な設定こそ多いものの、ありがちで単調なストーリー展開から少し捻った構成にしたこと自体は良いと思うのですが、それ一本だけで食って行けるほど甘くはないな、と思いました。せめてモンスター関連をもっと頑張ってくれていれば、評価もまた違ってきたと思うだけに残念です。現状だと凡作の域を出ないので、わざわざ見る価値があるかというと微妙。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
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