「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ダイナソー・ワールド のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)
演出や小道具はちゃっちいですけど、恐竜エンタメ映画としては結構な良作のレビュー、はじめます

 開幕のおっさんVSラプトルのシーン、めっちゃ既視感があって「あれ、この映画見たことある?」って焦った、訴訟。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 中国
  • 製作 2020
  • 販売 アルバトロス

あらすじ

バーチャル世界で凶暴な恐竜と戦いを繰り広げるアクションアドベンチャー。全世界注目の究極のVRゲーム“ダイナソー・ワールド”の発売に先駆け、選ばれた20人のプレイヤーによる戦いが開始された。試合開始早々、プレイヤーは恐竜に襲われ…。

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
恐竜の質
設定
総合 B-

良い点

  • 時間的にも内容的にもサクッと気軽に見られる
  • 恐竜のCGの質が高い

悪い点

  • いまいちゲーム設定を上手く活かせてない

 B級恐竜映画としては、良作に位置付けても良いと思います。内容的にも時間的にも、とにかくかるーいノリで見られるのは大きな長所でしょう。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 さて今作ですが、「恐竜はびこる島を舞台に4時間生き残ったら賞金」という設定の新作VRゲームをプレイする、という内容の映画です。「またまた、どうせゲームだと思って負けたら死ぬとかそういうやつでしょ?」と思われるかもですが、ガチで負けてもノーリスク。

 さて、それでは早速、詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、とにかく軽いノリでサクッと見られる、ということです。

 先にご紹介した通り、今作の舞台はVRゲームです。とあるゲーム大手企業が開発した新作VRゲームのテスターとして20人が集められ、「恐竜蔓延る謎の島で、4時間生き残れば勝利。そして、生存者の数に応じて賞金500万元を山分けする」というシステムになっております。参加者は全員会議室に集められ、そこでプレステVRみたいなヘッドセットをつけられることに。

↓こんなやつ

(画像:SONY公式HPより引用)

どうやら、この装置をつければ五感がゲームとリンクし、ゲーム内で感じた匂いや痛みまでもがリアルに再現される──ということらしいです。「いやいや、こんなゴーグル頭に被ったぐらいで五感リンクは無理でしょ……」と言いたくなる気持ちをグッと堪え、ゲームスタートと相成ります。なお、先ほどからゲームゲームと言っていますが、例えばレディプレイヤー1のようにゲーム内アバターを使って云々、とかではなく、映像的にはどう見ても普通の人間が島でサバイバルしてるようにしか見えません。外見も現実世界まんま同じです。この辺は、改めて予告編の映像を見ていただけるとイメージが掴みやすいと思います。
↓予告編再掲。一応、これ全部ゲーム世界設定。

 そんなルールなので、ゲーム上とはいえ、当然恐竜に襲われたりして死人が出ます。かつ、生き残った人数に応じて賞金山分けシステムが採用されているため、賞金の分け前を増やすために、積極的に他の参加者を狙いに行く参加者も出たりと、対恐竜はもちろん対人間も発生する混戦状態に。過度にグロい描写は皆無ですが、恐竜や人間に襲われると血も出ますし、ゲーム上では死体も残る、という演出。

 ただし、今回のゲームは死んだら現実でも死ぬとか、何かペナルティがあるとかは一切なく、純粋にみんなで賞金かけてゲームプレイしているだけなので、とにかく死がめちゃくちゃ軽い。死んだところで、賞金の獲得権がなくなるだけですし、なんならゲーム世界で死者が出るたびに、そのキャラが現実世界で目を覚まして「クッソ〜!」みたいな描写が毎回入るため、「これ死んでもなんもないっすよ〜」ということを製作側が毎度毎度念入りに教えてくれる親切設計。そのためとにかくノリが軽く、一種アトラクションやゲームプレイ動画を見ている感覚のノリで楽しめます

 まあ裏を返せば、死んでも何もないので緊迫感不足に感じる、という見方もできますが、ここは一長一短でしょうか。個人的には、こういう軽い映画もありだと思います。

 また今作、序盤は恐竜からの逃亡がメインで、その対処に奔走することとなるのですが、中盤からは賞金狙いの参加者同士の争いも増え始め、終盤は人間対人間の構図が深まっていく、という構成になっており、見どころが遷移していくため単純に飽きにくく調整されています。後半のメインとなる参加者同士の争いについても「いくらゲームだからといって、他の参加者を蹴落としたり、ましてや子供を撃つようなやり方は許せん」という展開を持ってくることで、主人公たちを応援する説得力を持たせており、「たかがゲームじゃん」と視聴者が冷めてしまわないよう配慮されているのも良きポイント。

 さらにストーリー自体も、多少ご都合主義展開ながら、非常に分かりやすい勧善懲悪に仕上がっており、小難しい話や深く考えさせられるような展開もない。また本編時間的にも、無駄を削ぎ落とした結果、80分以内と短くまとまっているのもポイント。

 これら、死の扱いが軽いため気を抜いて見られることや、視聴者を飽きさせたり冷めさせたりしないよう配慮されている構成、さらに分かりやすく勧善懲悪にまとまったストーリーに本編時間の短さなどが相まって、今作はとにかく頭を使わずに見やすいです。あんまり真剣に話を追わなくても、何となくノリで見れちゃう、そんな映画。個人的には、こういう作品割と好きなので、ここは良い点に挙げました。

 また、純粋に恐竜の質が高いのも評価点でしょう。今作に登場する恐竜、基本はヴェロキラプトルがメインなんですが、他にもプテラノドンやトリケラトプス、ティラノサウルスと有名どころを取り揃えており、かつそれぞれのCGクオリティをはじめとした完成度もなかなかに高い。時には画面上で不自然に浮いていたり、露骨に動きがぎこちない部分もあるはあるんですが、ぶっちゃけ地雷クソCGが頻発しているB級恐竜映画というジャンルの中では、なかなかの完成度を誇っています。

 かつ、序盤から恐竜の登場機会も多めで、出し惜しみせずにドンドン登場させてくれるのも大変嬉しいポイント。これまたこの手の映画、恐竜の出来自体は悪くなくても、(予算の都合か)そもそも全然出てこない、ということもありますから、それなりの高クオリティを保った状態で、かつ登場機会も多めというのは高評価できると思いました。

 というわけで、良い点は以上でした。続いては悪い点を。

 今作の悪い点は、何よりゲーム設定をイマイチ上手く活かしきれていないことです。

 先ほど今作、舞台をゲーム設定にすることで死を軽く扱い、サクッと見られるようにしたのは良かった、と申し上げました。しかしその反面、本編中へのゲーム設定の反映については、かなり中途半端です。例えば、救急薬を使うと、ゲームのエフェクトみたいなのが出て傷が直る時もあれば、包帯巻いて止血しないといけない時もあったりと、設定がちょっとブレ気味。

 かつ、せっかく舞台がゲーム内なのに、参加者の身体能力等は現実世界での自身の能力と完全一致しており、子どもは戦闘力皆無な一方、ボディガードのおっさんは素手でラプトル倒せるレベルに滅茶苦茶強かったりする、という不公平さもあります。また、結局自身の身体能力が物を言うので、自称プロゲーマーたちがそのプロ能力を全く発揮できていなかったりと、せっかくのゲーム舞台なのにバランス設定が現実寄り過ぎるのは些か問題

 かと言って、完全リアル寄りでやりたいのかと思えばそうでもなく、終盤ではあまりに唐突に「恐竜と会話できる」とかいうチートアイテムが出てきたりもします。とにかく、基本は現実と見紛うリアル進行をしていながら、その中に突然取って付けたかのような露骨なゲーム要素がいきなりポンッと放り込まれるので、ここの違和感が強かったですね。

 個人的には折角のゲーム設定なのだから、なんかミッションクリアしたら武器がもらえたりとか、各所にアイテムBOX的な物があったりとか、アバターの外見は現実準拠でも、各キャラ固有のスキルを持っていたりだとか、そういう「ゲーム的な要素」をもうちょっと咥えても良かったんじゃないか、とは思いました。現状だと、ゲーム設定に「死の扱いを軽くする」以上の意味を持たせるまでに至っていないのは少々残念なポイントです。

 総評ですが、良くも悪くも、軽いノリでサクッと見やすい娯楽映画です。ゲーム設定、かつキャラクターは死ぬたびに現実世界で目を覚ます安全確認描写が毎回入るため、死に対する扱いはものすごく軽く、これに咥えて勧善懲悪の分かりやすいストーリーであることもあり、かなり気楽に見られるのは利点恐竜のクオリティが高く、かつ出番も結構多めであることも嬉しいですね。

 反面、折角のゲーム設定なのに、キャラクターの能力は完全に現実準拠で、アイテム収集やミッション報酬などのゲーム的な要素に乏しいのは賛否が分かれるところでしょうか。また、終盤は対人間に重きが置かれすぎていて、ティラノサウルスなど大型恐竜の見せ場が少ないことなど、その他不満点もちょこちょこ。

 しかしその特性を活かし、週末の自由時間などに、あまり期待せずくつろぎながらポケーっと見る作品としてはなかなかお勧めできるので、気になられた方はいかがでしょうか!

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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