「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ヤミー のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)
期待しないで見たけどかなり面白かった、ベルギー産ゾンビ映画のレビュー、始めます!

ゲオで「準新作半額だし、なんでもいいから借りるか」と適当に手に取った作品が、まさか大当たりだとは……。
なんの前情報も入れず、期待しないで見たB級映画が傑作だった。こういう瞬間が、一番生を実感する。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 ベルギー
  • 製作 2019
  • 販売 アメイジングD.C.

あらすじ

ようこそ…東欧一の形成外科病院へ
恋人アリソンのために東ヨーロッパへ車を走らせるミカエル。彼女には、子どもの頃から大きすぎる胸へのコンプレックスがあり、
今回は“乳房縮小手術””を受けるために、彼女の母親も同行して東洋で評判の高い美容整形病院へ向かっていた。
豊胸手術を希望する女性はもちろんナニを増大させる男性など、人里離れたクリニックにお忍びでやってくる人で溢れかえっていた。
「Bカップにしてもいいよね?」と告げる彼女に「キミが何カップだろうと構わない」と想いを伝えるマイケル。
彼は手術後に彼女へプロポーズする予定だった。いよいよ手術開始。
しかし、この病院で若返り治療の実験に失敗してゾンビになった女性が拘束具を外して大暴れ。次々と噛まれ、患者もスタッフにもパンデミック!!
逃走中に離れ離れになったミカエルとアリソンは果たしてこの地獄を生き抜くことができるのか!?

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
ゾンビの質
設定
総合

良い点

  • ゴア描写の力の入れ具合
  • とにかく戦闘や襲撃が多く、飽きさせない

悪い点

  • コメディかシリアス、もう少しどっちかに寄ってもよかった

 個人的にかなり刺さったゾンビ映画です。ゾンビ蔓延る病院内からの脱出を目指すというよくあるストーリーなのですが、とにかくゾンビのクオリティが高く、ゴア描写も盛り沢山でかなり満足の行く内容でした。ストーリー展開自体は強引な部分も多いので、頭を空にして雑に楽しめる作品が見たい時にオススメ。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
ここをクリックしてレビューを表示

 掘り出し物とはまさにこのこと。

 さて今作ですが、豊胸ならぬ縮胸手術を受けに来た先の病院でゾンビが大発生し、主人公一行がそこからの脱出を目指して奔走する話です。

 それでは早速、今作の詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、ゴア描写の力の入れ具合が高いこと、そして飽きさせない展開です。

 今作、内容的には割と良くあるゾンビ映画といった感じで、(美容整形外科とはいえ)舞台が病院、アンチエイジング目的で開発していた薬からゾンビが発生、そこからの脱出目指して主人公一行が力を合わせて逃走、なんだかんだあって全滅バッドエンド、という、あんまり目新しさはない内容。ですが、有象無象のよくあるゾンビ映画とは違い、今作には確かな強みがいくつも存在します。

 1つは、ゴア表現のレベルが高いこと。ゾンビといえばグロ、ゴア、スプラッター、と言いたくなるほど、いかにゾンビのクオリティに手を抜かず真剣に取り組めるかによって、見ている側が感じる緊迫感、緊張感、そして満足感は格段に違いが出るもの。今作はその辺りを大変よく分かっており、ゾンビのクオリティに関してはとにかく手を抜きません

 流血、吐血、飛び散る血飛沫なんかは当たり前。ゾンビの身体欠損も抜かりなく、下半身がない個体や内臓が飛び出してビロビロの個体、目ん玉飛び出して顔グチャする個体など、身体の一部を欠くゾンビが多数出演。その上生存者についても、腕を失くさせたり頭かち割ったり、指を潰させたりとかなりの力の入れ具合。ゴア表現のクオリティだけならず、そのバリエーションの豊富さにもかなり力が入れられており、ここの部分は視聴中の満足感がかなり高く、とにかく今作の大きな強みの1つでした。腕を自分からシュレッダーにかけるマンの存在とか、ゾンビの内蔵をロープ代わりに使おうとする発想など、遊び要素も取り込まれていて見ていて楽しい
 
 また展開もそれに合わせてか、とにかく時間いっぱいゾンビとの戦いを楽しんでもらおうと言わんばかりに、ゾンビの襲撃シーンが多いです。舞台は病院がメインという、並の映画なら適当な個室にでも立てこもって時間を浪費させようとしてしまいがちなところ、今作はとにかく脱出目指して次々に生存者を拾いつつ場所移動を繰り返し、行く先々でゾンビと出会い、そこからまた逃げてゾンビと……という感じで、場面がどんどんと動いて見ているこちらを飽きさせません

 また、後半は隣のビルへと場所を移してそこでまたゾンビと邂逅、軍や警察による包囲が敷かれ出られないと悟ると、今度は下水道へと逃げてそこでまたゾンビと……というように、病院内だけで終わらずステージ移動も挟んでくれるというサービスっぷり。やっぱり病院内だけだと絵面が単調になりがちですし、よほど上手く脚本を立てない限りは潰せる時間にも限度があるんで、この判断は大変正解だと思いました。

 他にも、とにかく幸が薄いが耐久力◎のヒロインの彼氏や、ヤリモク薬中クズ男をはじめとしてキャラクターもなかなかに個性的なのが揃ってます。また、チン○コの巨根化手術を受けたが散々な目にあい錯乱の末死んでいく男など、サブキャラもなかなかいい味を出しており、美容整形外科ならではのコメディ描写も取り入れようとする姿勢もグッド。それでいてストーリーの流れ自体はあくまで真面目寄りなため、見ていて安定感も感じられます。

 とまあ、ここまで個人的にブッ刺さりかなりベタ褒めなんですが、1つだけ悪い点、というより個人的不満点を挙げるとすれば、コメディとシリアスのバランスについてでしょうか。

 先に述べた通り、今作は基本は真面目路線でありつつ、特に病院パートはコメディな展開も散りばめる、という具合で話が進み、後半はシリアス寄りに収束していく、というようなバランスなんですが、もう少しどっちかに寄っても良かったかな、とは思います。個人的には、もっとコメディに振り切っても面白かったかな、という具合。でもまあ、ここまでくるとこれは本当に個人の好みによる部分にはなってくるので、気にならない人は全く気にならない可能性も大。なんなら「このバランスこそええんやろがい!」という人も多いと思います。

 総評ですが、とにかくゴア表現に抜かりがないだけでなく、それを最大限活かせるようストーリー展開もシンプルに、かつゾンビの襲撃多めに構成されているという、まさしく「なーんか難しいこと考えずに雑に面白いゾンビ映画見てえなぁ」という夜に最適な映画です。一捻り二捻り加えた変わり種のゾンビ映画ももちろん良いですが、こういう「画面見てるだけで楽しい」という映画もなにぶん貴重ですので、疲れた夜のお供にどうぞ。個人的にはかなり掘り出し物に当たる部類で、大変楽しく完走できました。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
よければ、気軽にコメントしていってね

>

©Copyright2021 第B級映画レビュー小隊