「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

超感染 ファイナル・デッド のレビューです(総合評価B-)

(画像:Amazon商品ページより引用)
パクリ邦題を冠された割には意外と出来が良いゾンビ映画のレビュー、始めます!

 どっかで見たことあるタイトルだなぁ……(すっとぼけ)
 なお、中身は普通に面白い模様。

 それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 中国
  • 製作 2018
  • 販売 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

あらすじ

とある超高級ホテルで、突如得体の知れない人喰いゾンビが出現!
逃げ惑った市民が次々と襲われていく。
ホテル最上階のスイートルームに閉じ込められたボスから助けの電話を受けた運転手ジャックは、車のトランクから1本の金属バットを手に、無我夢中で駆けつけた。
“感染者””に占領されたホテルで生き残った5名は、安全な軍事基地への脱出を試みる。
年齢、性別、職業もバラバラの彼らは、一致団結し、無事に脱出できるのか?命がけのサバイバルがいま始まる!

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
ゾンビの質
設定
総合 B-

良い点

  • 結構完成度が高いので飽きずに見られる
  • ベタだけどちゃんと面白いストーリー

悪い点

  • 展開が二番煎じで目新しさがない

 単なるパクリ邦題クソ映画かと思いきや、内容自体は想像以上に良かったため、期待していたハードルはゆうに超えてきた作品です。キャラの出来もよくストーリーの完成度も割と有りだと思うのですが、展開自体はよくあるものの詰め合わせで目新しさはないので、人によっては退屈かも。

 
ここから先のレビューには、ネタバレを含む場合があるわ。未視聴の方は注意してね。
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 パクリ邦題映画かと思って舐めてかかったら、意外と面白くてビックリした。

 さて今作ですが、あの有名な新感染の続編……ではなく、全く無関係の映画に勝手な邦題付けて売り出したいつものやつです。それでは早速、詳細な内容を見てゆきましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、各要素が意外にも高めの完成度なため飽きずに見られることです。今作、こんなふざけた邦題を付けられてはおりますが、意外にも内容自体は結構面白いです。

 まずはゾンビ。今作のゾンビは全力疾走系、かつ噛まれたらアウトな昨今のスタンダードタイプなのですが、こいつらの出来が結構悪くない。身体欠損やグロ描写、血糊の量などは控えめですが、とにかく数を出してくれるので、画面的に割と派手目でいい感じな仕上がりになってます。特に、前半のホテルは通路も狭いため、走る上に量も多いゾンビの襲撃はなかなか見応えがあります。まあ、話の都合上、所々で弱体調整や手加減チックな減速なども見られますが、我慢できる範囲に収まっているため、総じて悪くないクオリティだったと思います。

 そして、今作の評価を押し上げる要因となった、ストーリーとキャラクターについて。

 まず今作のストーリーについてですが、ぶっちゃけ結構ベタです。ベタというか、どっかで見たことある展開の詰め合わせ、悪く言えば二番煎じ展開が大半という具合。例えば、「俺が死んだら家族を頼む」と言い残して単身救助を呼びに行った友人がゾンビになってたりだとか、一見悪そうな金持ち傲慢ジジイが避難中出会った少女にだけ心を開いて改心、自分を犠牲にして少女を逃したりだとか、やっと安全なところに来たと思ったら仲間の1人が裏切って内部崩壊が起こり、そこから人間VS人間の争いが幕を開けたりだとか、とにかく二番煎じな展開が多いです。

 しかしベタな展開というのは、やはりそれだけ面白いから擦られているわけなので、その辺を詰め込んだ今作はやっぱりなかなか面白い。特に、避難途中に救助した少女を守るために、バラバラだったキャラクターたちが協力するようになっていく展開なんかは、やっぱベタだけどなかなか熱くていいと思います。

 またストーリーの流れ自体もメリハリが効いてて良い。序盤はホテル内での籠城から始まり、そこから話がホテルからの脱出に向けて展開。ここでは特にゾンビの見せ場が多く、画面的な見応えもなかなか。そしてそれを受けて突入した後半では、ゾンビの襲撃は落ち着いた代わりに、今度は人間同士の争いへと展開がシフト。最終的にはゾンビの大群も押し寄せてきて絵面的な派手さも確保しつつ、キャラクターの成長なんかも含めてしっかり盛り上げてくる。こんな感じの構成になってます。この、籠城一辺倒だったり、終始ゾンビから逃げ続けているだけの単調な展開を避け、あれもこれもと取り入れた結果、話が停滞せずによく動き、飽きにくくなっていると感じます。おかげで私は、最後まで飽きずに楽しく見られました。

 またちらっと触れたように、今作登場のキャラクターたちは職業も地位も思想もバラバラで、最初はまるで噛み合わなかった訳ですが、1人の少女との出会いを機に、お互いに絆が生まれてきます。その結果最終的には、自分が仲間を守る、という思考が定着してきて、協力もスムーズになるなど、みんなが物語の中でちゃんと成長してくれるため結構魅力的に映るんですよね。反面、クズ役は仲間を裏切るところも含めて最後まできっちりクズなので、これもまたブレがなくて良い。
 とまあこんな具合で、主にストーリーやキャラクターは飛び抜けて優秀だったり斬新さがあるわけではないですが、総じて結構高い水準にまとまってくれていたのは良かったです。

 反面悪い点としては、とにかく展開が二番煎じで目新しさがないことが筆頭に来るかと思います。

 先ほどもサラッと言いましたが、今作の展開は良くも悪くもとにかくベタ。具体的にどの作品をパクってるとかいうわけではないんですけど、放り込まれる展開の殆どが「これどっかで見たな」という感じで既視感が強く、とにかく目新しさとか衝撃とか驚きとか、そういうのがないです。基本どれもこれも、よくあるお約束展開詰め合わせパックみたいな感じ。かつ、そこに至るまでの伏線の貼り方も少々お約束が過ぎるため、かなり先が読みやすいのもその傾向に拍車をかけていますね。

 また今作、話をちょこちょこと感動的な展開に持って行きたがる癖があるのですが、その持って行き方が少々強引な部分もちらほらあるため、一回冷めた目で見ちゃうと持ち直すのはちょっと辛いかもです。後半パートに入るとゾンビの出番が大きく減り、キャラ同士のドラマだとか人間同士の争いだとかがメインコンテンツになるのも、好き嫌いが分かれるポイントですね。

 それでは総評です。もうとにかくベタな展開が詰め込まれている作品で、尖った強みに大きく欠けるため、その部分で評価を落とす可能性は高め。反面、次々と何かしらイベントが起きていくため飽きにくい構成にはなっており、ストーリーもキャラもベタながらも出来自体は結構良いので、割と楽しんで見られました。「目新しさとかはないけど、こういう作品もありだよね」と思える映画だったので、個人的には結構当たりの部類です。

今回のレビューは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!
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