「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ストレンジ・ワールド 異世界への招待状 のレビューです(総合評価C-)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 
ジュブナイルホラーって名乗っておけば内容子供騙しでもええやろ感が滲み出る凡作映画のレビュー、始めるわ

絶妙に面白くないラインを攻めてくる技術力。

それでは、まずは本作の基本情報、あらすじ、予告編からどうぞ。

  • 国籍 イタリア
  • 製作 2020
  • 販売 みんなのアルバトロス

あらすじ

夕暮の道を走るスクールバス。いつものルートが事故のため通れず、運転手は森の中の道をショートカット。だがそれは、とんでもない恐怖の始まりだった。森の奥でバスは武装した脱獄犯にジャックされ、さらにトンネルの中でエンジンがストップ。立ち往生したバスに謎の怪物が襲いかかり、大人たちは全員殺される。暗黒の地下空間に閉じこめられたノーランたち5人の中学生は、この“恐怖の異世界”から脱出することが出来るのか?

Amazon商品ページより引用)

予告編

ストーリー
キャラクター
モンスターの質
設定
総合 C-

良い点

  • 致命傷はなく短いので割と見られる

悪い点

  • 色々と作りが雑

 例えばここに「これぞ王道のジュブナイルホラー」と言う作品があったとして、それの長所や特長を徹底的にボコボコに潰した結果出来上がった凡作中の凡作、と言う感じの作品。酷評するほどダメな部分もない代わりに、展開や設定は全部ありがち、かつ明確に強みと呼べるほどの長所もないと言う、反応に困る作品でした。

 
ここから下のレビューには、ネタバレを含む場合があります。未視聴の方はご注意ください!
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 完全に悪い意味で「見てたらいつの間にか終わってた」ってタイプの映画。

 さて今作ですが、中学生の少年少女5人が、立ち入り禁止の廃トンネルの中で謎の怪物に襲われ、協力してこれを倒して家に帰ろう、というジュブナイルホラー作品です。パッケージが明らかに某Netflixドラマをバチクソ意識してるんですけど、それは大丈夫なんですかね……。

 特に他意はないんですけど、並べておきますね。

 似ていると思うか似ていないと思うかは、あなた次第です──

 それでは早速、今作の内容を見ていこう──なのですが、正直に申し上げると今作、あんまり言うことないです。まあぶっちゃけ面白くはないんですけど、明らかにここがダメ、と切って捨てるほど酷い部分もなく、特徴がないのが特徴を地で行く凡作映画、と言うのが見終わった時の率直な感想でした。それでもまあ、「言うてもこの辺もうちょっとこうすれば良くなったやろ」と思う部分はいくつかあるので、その辺サラッと語らせていただきます。

 と言うわけで今作の残念な点は、まあ一言で言うと作りが雑なことですね。ストーリー、キャラクター、モンスター、設定、そのどれもが満遍なく平均点少し下くらいの出来なのは映画としては結構辛いところ。

 まあ100歩譲って、設定が結構ガバいのはまだ目を瞑るとしても、その他の部分は色々と看過できない部分がちらほら。

 今作は中学生5人の乗ったスクールバスが脱獄犯にジャックされる所から話がスタート。そこからバスは普段通らない立入禁止区域のトンネルへと進み、そこで謎のモンスターに襲われる──というところまでが導入となっています。ここまでの部分は、まあありがちながらも展開自体も早く、割と期待感のあるスタートを切れていたと思います。運転手と脱獄犯という2人だけの大人たちは、姿の見えない敵に殺され、武器も持たない中学生5人だけでどうすれば……という、なかなか良いスタート。

 しかしここから話は徐々に失速。まず、怪物から一旦逃げ切った後は、中学生5人の会話とかやり取りを通して関係性を描写し、この危機を前にしてお互いの友好や絆を深める、というジュブナイルホラーあるあるな展開が増えてきます。ですがこの部分、キャラの掘り下げが結構いい加減というか不十分なせいで、どうにもぎこちなさが目立つというか、あんまり心に響いてきません。

 またモンスターはモンスターで、大人2人相手には本気出して速攻でボコボコにして殺処分した割に、相手が中学生になった途端、露骨な弱体化調整を施されます。もう見るからに製作陣からの指示で手加減しているのが見え見えで、その場で襲ってくるのか一旦連れ去りたいのかの統一も取れておらず、スピードもシーンによってまちまち、かつ「だって監督に中学生は殺すなって言われてるしな……」というやる気のなさがこちら側までバリバリに伝わってくるため、どうにも盛り上がりません。

 また、武器が使えない中学生でも対抗できるようにという配慮から、光に弱いというありがちな弱点も付与されており、かつ倒され方も、間抜けにもノコノコ出てきたところを後ろから松明でタッチされて引火して焼死という、非常にあっさりとした最後を飾ります。それらの理由から、ぶっちゃけ全然怖くない上に、こいつに襲われる絶望感とかもまるでないので、申し訳ありませんが大変子供騙しに感じました

 とまあこんな問題点を多々抱えている上に、ストーリー部分は特にひねりもなく、なんかありがちな展開が続いてそのまま終わるためたいして盛り上がらず、という具合です。言い方は悪いですが、「まあジュブナイルホラーならこんなもんだろ」という雑さ、手抜き感が結構露骨に見えるのはあんまり良くないと思います。

 ただまあそうは言っても、立ち上がりのスピードは結構早くて興味を持ったまま本編に突入できますし、ストーリー、キャラ、怪物、設定、どれをとっても基本致命傷とまで言えるほどの傷はなく、本編が短いこともあって意外と飽きずにサクッと鑑賞できます。内容的にも極端にグロいシーンはなく、耐性のない方やそれこそ中高生にも安心して視聴出来るクオリティなのも嬉しいかもです。

 というわけで総評ですが、まあ基本文句が多くはなったものの、酷評するほど目立って酷い部分はないです。本編が短いこともありなかなか見やすい映画ですが、反面あらかたの要素は大体が平均点、もしくはそれ未満のクオリティしかないのは辛いところ。明確に良い部分もないため、まさに良くも悪くも凡作、という評価がしっくり来る作品かと思います。

今回のレビューは以上。読んでくれてありがとう。
よろしければ、お気軽にコメントしていってくださいね!

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