「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

バイオハザード2034 のレビューです(総合評価B)

(画像:Amazon商品ページより引用)

またしてもパチモン映画シリーズへと戻ってきました。当然の権利のようにWikipediaも公式サイトもないので、今回もAmazonさんにお世話になります。もう足向けて寝られないレベルです。

国籍 イギリス
製作 2005
販売 大丈夫?トランスフォーマーの商品だよ?

 あらすじ

近未来の地球を舞台に、治安部隊の女性少佐の活躍を描くSFアクション。2009年、突如蔓延した謎のウィルスにより壊滅状態に陥った地球。探索に出掛けた調査団の失踪を機に、彼らの救出任務を授かったサッシュが壮絶なサバイバル戦を繰り広げる。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……
ゾンビの質……
キャラクター…
世界観…………
映像画質………

総合……………
おすすめ度……

ゾンビ映画の中でも少し変化球的な内容なので、初めて見るゾンビ映画がこれという人にはあまりお勧めしませんが、そのような人が見ても面白いと思います。

【以下、ネタバレ注意!】

 見ての通り、バイオハザードのパチモン映画です。原題はInfestation.もちろんあのバイオとは何の関係もありません。そして、以前に見たことありました

評価がかなり高くなっていますがこの映画、面白いです。B級だから演出が安っぽくて笑えるとかそういう意味ではなく、普通に面白いです。正直なところ、悪い点よりも褒めたい点の方が多いくらいでした。

そうは言っても諸手を挙げて褒めちぎるような内容でもないので、まずは悪い意味で気になった点から。

まずこの映画、びっくりするほど古い映画というわけではないのですが、なぜか画質がやたら悪い点が気になります。画質が悪いというか、画面全体が光を入れすぎというか……私はその手のことはよく分かりませんが、とにかく映像が汚くかなり古臭い感じがする点は減点です。

またパッケージを見ると、お姉さんが近未来の都市の中で戦うみたいな雰囲気がしていますが、あらすじにあるように舞台は荒廃した地上なので、色彩的に茶色とグレーが多く非常に地味です。映像が古臭い気がするのは、このせいもあるでしょう。それに加えて、特に戦闘シーンなどではカメラがブレブレなのでとても見づらかったです。

また言うまでもないかもしれませんが、飛行機での戦闘シーンなど、ところどころCG感丸出しでした。ただし、ゾンビ自体の質やスプラッターシーンは可もなく不可もなくといった感じです。

それと主人公と思しき女性ですが、パケ絵ほど若々しくないです。まあ、ネットに蔓延る女性の自撮り詐欺みたいなもんですね。若々しくないと言っても割と美人さんなことに変わりはないので、この程度は全然許容範囲でしたが、一応。

とまあこの映画、とにかく映像がやたら気になりました。しかし、明らかに悪いと言える点はここくらいです。ここくらいというか、映像が悪いってそれはもう致命傷という気がしないでもないですが、とにかく他はかなり良い出来栄えでした。

まずキャラクターですが、この手の映画での王道展開俺 を 置 い て 先 に 行 けをやってくれる人がいたり、主人公格が割と常識人だったりと、なかなか魅力的なキャラが揃っています。キャラが魅力的だと、話も映えるしいいですね。

またストーリーですが、後半には結構しっかりした目的も出てきてかなりいい感じです。前半は、逃げるためにゾンビに動かされて行動しているという要素が強く、逆に後半は目的のために自分たちからゾンビに立ち向かっていこうという感じの内容で、その対比が非常に楽しめました。

「ゾンビとはなんなのか? なぜ生まれたのか?」という、多くのゾンビ映画がスルーしがちな点もしっかり説明されており、その点でも好評価です。

そしてこの映画、何と言ってもアクションをすごく頑張っています。アクションを頑張ってくれるのは主人公格の男だけですが、彼がまあいろいろとそこらのA級にも劣らないくらい頑張ってくれます。

ゾンビの大群相手にスタイリッシュに立ち回り、ゾンビに囲まれても軽い身のこなしで天井のダクトに入りこみ、2丁拳銃と共に戦場を所狭しと駆け回ります。私は2丁拳銃の中二臭さがたまらなく好きなので、かなり楽しめました。カメラがブレブレでなければ最高だったのですが……

まあ、そのせいか後半は無駄に弾を撃ちまくったり、ニュータイプもびっくりな背面撃ちや角にいた待ち伏せゾンビを手加減いっぱいの優しい裏拳の一撃で沈めたりと、笑いそうになるほど行き過ぎた部分もありましたが、全体的に良さげなクオリティでした。

またこの主人公格の男ですが、ゾンビに自分のかけていたグラサンだけを掴ませて、その直後に倒すというなんとも狙いすぎの恥ずかしいシーンがあるのですが、なぜか私はそのシーンだけが強烈に記憶に残っていたために、これを以前に見たことがあったことに気が付きました。他のシーンは全然覚えていなかったのに、不思議ですね。

最後に、この映画は後半アクションに重きを置いているため、特に終盤は完全な無双状態となります。最初は数匹のゾンビにビビっていた男が、最後は1人でゾンビの大群を簡単に沈めるようになるので、その成長の速さにビックリします。その点だけは、本家主人公顔負けですね。

総評ですが、気になる点も間々あるものの、全体として見た時にはかなりの完成度の高さです。特に良い点はストーリーとキャラクターですね。お互いがいい味を出し合っていると思います。なにより、なすすべなくゾンビに仲間がやられていく前半と、ゾンビをなぎ倒す爽快感が得られる後半の対比はなかなか見事でした。

反面ゾンビ映画の醍醐味でもある「ゾンビに襲われるハラハラドキドキな恐怖感」は全編通してかなり薄くゾンビ映画の王道的なストーリーではないため、ゾンビ映画を見たことのない人に自信をもって薦められるかと聞かれると微妙です。しかし、そのような人が見ても十分面白いでしょう。

またこの映画、全体としての完成度は高いですが「これだけは他の映画に負けない!」「自信を持ってこれだ!」と言えるほど飛び抜けて良い点はありません。明らかな強みに欠けると言えるでしょう。

しかし『全体として完成度が高い』という点は、駄作のひしめくB級映画の中ではそれだけで明らかな強みになりえますので、そこまでネックと言うほどでもないでしょう。

私は今まで、記憶にあるだけでもバイオハザードのパチモン映画を4つは見ましたが、その中で一番良い出来の映画でした。レンタルショップによる機会があれば、是非探してみてくださいね。

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