「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

アクアスラッシュ のレビューです(総合評価C)

(画像:Amazon商品ページより引用)

これ30分枠でいい……よくない……?

さて今作ですが、字幕で視聴しました。
まずは基本情報とあらすじなどからどうぞ。

国籍 カナダ
製作 2019

【予告編】

【あらすじ】

卒業前の最後の週末を仲間と過ごすため、あるキャンプ地を訪れた高校生たち。過去に忌まわしい事件の起きたこの公園は、 管理・経営する夫婦にもどこか訳ありの雰囲気が漂う。そんな大人の思惑をよそに恋と水着と乱痴気と、解放感にひたってはしゃぐ生徒たち。 賞金のかかったスライダータイムレースを前にして最高潮に達した興奮もつかの間、歓声は悲鳴に変わり、血の海と化すプール。 阿鼻叫喚の地獄ショーが、幕をあける・・・。
Amazon商品ページより引用)

ストーリー…………D
スプラッターの質…B
キャラクター………C
設定…………………C

総合…………………C
オススメ度…………D

【良い点】
・スプラッター描写はかなり見応えがある

【悪い点】
・ダラダラ垂れ流しで一向に話が進まないストーリー

立ち上がりがクッッッッソ遅い映画です。あまりにも内容がなさすぎて本筋に入るまでに飽きる、「ここいる?」シーンのオンパレード、無駄にややこしくしようとしているせいで中途半端でとっ散らかった印象しかないストーリーなど、正直言ってテンポ厨の私にとっては拷問みたいな映画でした。反面、終盤のスプラッターシーンの出来はかなり良かったです。

【以下、ネタバレ注意!】

ないようがないよう(激うまギャグ)

さて今作ですが、パケ絵にある通りウォータースライダーにブレード仕込んで流れてくる人間を動輪剣 十文字斬りする映画です。

と言うわけで、先に今作の良い点から紹介しましょう。それは、スプラッターシーンの出来が素晴らしいと言うことです。

この映画を見る人は、まあ十中八九パケ絵にあるような状況を待ちかねて視聴し始めると思うのですが、安心してください、このようなウォータースライダースラッシュシーンはきちんと入っていましたし、クオリティもかなり満足のいくものとなっております。スライダーを滑っていったらなんかブレードが仕込まれてて先頭者が細切れに、と言うところまでは概ね想像通りなのですが、凄かったのはその次からですね。

この映画では、スライダーは3人一組で滑っていくのですが、まず先頭は当然細切れ、2人目は引っかかって絶命し、3人目は体の一部を負傷した状態で身動きが取れなくなります。そこに後続集団が突っ込んできて押し出され、また細切れになるもの、引っかかったまま絶命するもの、動けなくなる者……と言う具合に、一思いにバラバラにせずに少しずつ苦しめて死に追いやっていく、というスーパー悪趣味な惨殺が繰り広げられます。普通に流れてきた3人とも綺麗にスパッ! 次の3人もそのままスパッ! とさせずに、あえて時間差、しかも後続に無理矢理押されて死んでいく、というのが、こだわりが見えて良いですね。

また、ねっとりしたカメラワークや陰鬱なBGMに加え、スライダーから流れてくる大量の血肉を眺め阿鼻叫喚の地獄絵図と化している下界と、何も知らずに次の順番を待ってうかれている上界との対比もいい感じで、総じてこの部分の出来には大変満足しました。ここだけはまじで良かった、ここだけは。

と、ここまで褒めてきましたが、反面今作にはかなり残念なポイントもガッツリ存在しています。それは、本編が70分しかないとは思えないほど、本筋に入るまでの導入シーンがとにかく激烈に長いことです。

ここで一度、今作のあらすじを振り返ってみたいのですが、先程掲載したAmazonのあらすじをざっくり分けると、以下のようになります。

①高校生たちがキャンプ場に来る。
②乱痴気騒ぎしてはしゃぐ
③スライダーレース開催、地獄絵図

今作において、見るからに本題開始は③からであると思うのですが、この映画ではこの③の展開に入るまでに、なんと50分近くかかります。しかも、この映画70分しかないですからね。つまり、この映画の見せ場であるスプラッターシーンが展開されるのは、どれだけ長く見積もってもラスト20分しかないと言うことになります。

なら、そこに至るまでの50分間は一体何をしていたのかと言うと、これがもう絵に描いたかのような高校生たちの馬鹿騒ぎ、乱痴気騒ぎシーンの連続なわけです。そこに、ドラッグ要素とセックス要素を足しまして、誰と誰が浮気してるだの、不動産屋が出てきて舞台の水上公園の利権関係がどうのだの、もう本当に「これいる?」という話のオンパレード。内容はないくせに無駄に話を詰め込みまくり、その結果本筋に入るまでがクソ遅くなるという本末転倒ムーブを堂々とかます厚顔無恥ぶりに、テンポ厨の私は卒倒不可避と相成りました。

いやもう本当にこの50分がキツくて、「話が進まない、というより進めるほど話の内容がない」「申し訳程度の殺害シーンはあるものの直接的な描写がないため見せ場にはならない」「無駄に展開を複雑にさせようとした結果、とっ散らかった印象だけが残る」など、マジで良いとこなかったです。この部分丸々カットしても差し支えないのではなかろうか。
一応、この前半50分の内容は、犯人の動機の部分にも繋がって来るは来るのですが、結局その動機もかなりぼかした描写のまま終わるので、なんともスッキリしないという。

と言うわけで総評ですが、スプラッターシーンの出来栄えは素晴らしいが、そこまでの経過が長すぎてダルい、なんなら要らない、という印象が強く残る映画でした。私はテンポの悪さに親を殺されているので、テンポが悪い映画を見るのがマジで苦手、そんな私にとっては前半部分のダラダラ具合は拷問にも等しい出来でした。
一応擁護しておくならば、ネット上の反応を見ていると、この前半部分のノリも含めて楽しめた、と言う方も当然いらっしゃいます。確かに、グロだけでなくちょろちょろ入っているエロシーンのクオリティもなかなか悪くない上、馬鹿騒ぎした学生が最終的に細切れにされる、という展開自体はスカッとジャパンで悪くないので、それも全部込みで楽しめるかも、と言う方にはお勧めです。反面、とにかくスプラッターシーンが見たい、馬鹿騒ぎする学生がぽんぽんバラバラになる展開が見たい、と言う人にとっては、大変物足りない映画となること必至です。なんせ、スプラッターシーンは最後にしかない上、最終的に細切れにされる学生の数も、全体の3分の1以下ですからね。
その点等も踏まえ、ご利用は計画的にどうぞ。

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