恐ろしいサイコパスが潜む監禁要塞に足を踏み入れた若者たちの運命を描くサスペンススリラー。空き巣で生計を立てるブレアとオリーのカップルは、そろそろ足を洗おうと考えていた。そんな折、同じく犯罪者であるブレアの兄コナーから、ある屋敷に盗みに入る計画を持ちかけられた2人は、最後の仕事として引き受けることに。首尾よく侵入に成功する彼らだったが、屋敷から出られないことに気づく。出口を求めて屋敷内を探索する彼らは、この屋敷の主人に監禁されているという若い女性を発見する。(あらすじ:映画.comより引用)
キャラクター…C
設 定………C
おすすめ度……D
【良い点】
・ストーリーは簡潔でスッキリしているので、頭が空でも見られる
【悪い点】
・コメディの質が低く終始滑り倒している
スリラー映画の皮を被った激寒スリラー風コメディ映画です。まさかこれがコメディ映画だとは予想もしていなかったので面食らいましたが、そのあまりのギャグクオリティの低さにすぐ真顔になりました。合う合わないが結構激しい映画だと思うので、視聴の際はお気をつけください。
【以下、ネタバレ注意!】
さて今作ですが、スリラーかと思わせておいてのまさかのギャグ映画となります。しかも、「真面目に作ってるだろうに作りが雑すぎて思わず笑っちゃう」的な、制作側はあくまで真面目にスリラー映画作ろうとしてるのに受け手には笑われちゃう、とか言うのではなくて、(恐らく)制作側も完全にホラーコメディのつもりで使ってます。このパッケージとあらすじを見て、誰がそれを予想できたでしょうか。
まあ、別にね、いいんですよ。真面目なホラーだと思わせておいて、蓋を開けたらコメディ要素強めじゃん! って作品でも、全然。
ただし、コメディ要素が面白ければの話だが。
さて、それでは早速、今作の詳細な内容を見ていきましょうか。まずは良い点からです。今作の良い点は、ストーリーラインがスッキリしているため非常に見やすいと言うことです。
この映画のメインストーリーは大変に分かりやすく、「窃盗団がお忍びお宅訪問→しかし、閉じ込められる→家主が殺人鬼だったことが判明→脱出するために頑張る」となっており、ここにちょこちょこと肉付けをした感じの作品となっております。この肉付けも、特に複雑な駆け引きや緊迫感のあるやり取り、相手の裏をかく意外な展開があるわけでもないので、よく言えばスッキリとしていて非常に見やすいです。どこか見落としたからと言って今後の展開についていけなくなるとかもないので、脳のキャパシティをあまり使わず見ることができる手軽さは、コメディというこの作品のコンセプトとは噛み合ってて良かったと思います。
変に難しいと頭を使いますし、何よりも集中力を展開の把握に使う必要があるため、折角のコメディ部分が霞んでしまう危険がありますからね。コメディ的には、このくらいスッキリしている方が合っているでしょう。
ただし、コメディ部分が面白ければの話だが。
さて、では良い点は以上です。続いては悪い点を。今作の悪い点、それは、折角頑張って用意したコメディ部分が、これがとにかく絶妙に面白くないせいで寒さが天元突破した結果、全編通して終始滑り倒していることです。言わずもがな、コメディ的にはまさに致命傷。
今作はそのスッキリしたストーリーラインとあらすじから、某ドントブリーズのようなスリラー映画だと勘違いしてしまいますが、本編開始早々に我々はこれがただのスリラー映画ではないと思い知ることになります。主にクドい台
詞回しと、狙った感満載のギャグ展開のおかげで。
最初の気付きはは開始3分。監禁された母と娘が脱出を図るというシーンなのですが、もうここの台詞回しがもう異様にクドい。以下要約ですが、
母「これはテレビ番組なの! 誰が早く脱出できるか競争してるの」
娘「嘘つかないで」
母「ごめんなさい……でも、あなたにはゲームだと思ってほしかったの──さあ、逃げよう」
娘「うん、またゲームが始まるの?」
母「これはゲームじゃない!」
娘「さっきそう思えって……」
母「大丈夫、ゲームだと思うのよ」
娘「違うって言ったじゃん!」
ゲームゲームうるせぇ!
もうこの時点で、「これもしかしてギャグなのか? 真面目に撮ってこれなのか?」と、不穏な空気が漂い始めます。そしてその後すぐ、主人公一味が盗みに入った家(殺人鬼の家とは別)で、家主の浮気現場に遭遇、そのあとすぐ夫が帰ってきて修羅場に巻き込まれる、という流れで「あ、これコメディなのか」と気付かされる、という構成でした。
まあ、ここまではまだいいんですよ。この時点では、「狙ってるけどちょっと滑ってるな」くらいで済んでいるので。しかしこの後もずっと「たいして面白くない展開をテンポを頃してまで無駄に引っ張る」というコンセプトは最後まで続くため、中盤あたりにはもう辛くなって来ます。
ここはもうこのギャグのノリが合うか合わないかの話になってくるので賛否分かれると思うんですが、個人的には、別に面白くもないギャグをいちいち話の腰を折ってまで引っ張ったり繰り返したりして「ほら、こういうちょっとクドいやり取りも結構面白いでしょ(チラッチラッ」してくるのがマジでキツいです。Yahoo映画のレビューとかで映画の内容には全く触れずに「〇〇くんがかっこよかったから☆5です!」とかほざいてる奴くらいキツい。てめぇ映画のレビューなんだから内容の良し悪しで点数つけろやお前らみたいなのがたくさんいるから映画サイトのレビューが信用ならねぇんだよ(ガチギレ)
と言うわけで総評ですが、ノリが寒いギャグ映画です。ただし一概にこのノリがダメというわけではなく、ネット上の反応を見てると「こういうノリ好き」という意見もちらほら見られるので、最終的にはこのノリを許容できるかどうか=この映画を楽しめるかどうか、という感じです。幸いにも、ストーリーラインはスッキリとしているおかげで、ノリが苦手な私でも(多少苦痛でしたが)完走自体は容易でした。また、開始15分くらいまでのノリが終始続くため、この開幕の時点で「いやこのノリキツいわ」と思ったら、見るのを辞めるという判断基準になる点も嬉しいところ。逆に開幕の雰囲気を楽しめるなら、最後まで楽しく見ることができる可能性も十分にあるので、その部分を持って継続かどうかの判断をつけるのはありだと思います。
では今回は以上です。お疲れ様でした。