「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

シン・ランペイジ 巨獣大決戦 のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

国籍……中国
制作……2020
販売……アメイジングD.C.

巨獣(爬虫類、蜘蛛)。

 獣とは……?

まずは今作のあらすじ&予告編からどうぞ。

【あらすじ】

“飛行機事故で無人島に不時着した男女。そこに突如現れたのは、核実験・放射性廃棄物の影響により巨大化、凶暴化した怪獣たち! 怪獣たちは、人間に次々と襲い掛かり犠牲者は増えていく。銃や、手榴弾で応戦するが、強靭な体に変異した怪獣たちには効かない。 怪獣だらけの島で、なすすべもなく逃げ惑う人間たち。彼らがやがて知ることになる、島の驚くべき秘密とは! ? 果たして彼らは、巨獣との大決戦に勝利し島から脱出することができるのか?(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

【予告編】

ストーリー………C
モンスターの質…C
キャラクター……C
設  定…………C

総  合…………C+
おすすめ度………C

【良い点】
・全体的に安定感のある出来
・致命傷はない

【悪い点】
・あまりにも平凡すぎて今作を推す理由がない

見ての通り、ランペイジのパクリ邦題映画です。モンスター映画的な出来栄えはとにかく安定、平凡、無難で、良くも悪くも特質するような点がありません。悪くはないのですが良くもないので、見る理由があるかと言われると辛いところ。

【以下、ネタバレ注意!】

 シン ←何が?
 ランペイジ ←どっちかというとキングコング
 巨獣 ←獣じゃない
 大決戦 ←闘わない

タイトル全部大嘘じゃないか。たまげたなぁ……。
さて今作ですが、見ての通りのパクリ邦題映画です。しかも、シンでもなければランペイジでもない上、敵はワニと蜘蛛のみなため獣が出てこないだけでなく怪物同士は一切戦わないので、頭からケツまで全部見事な正真正銘の詐欺映画となっております。逆にすごい。

では早速、詳細な内容を見てゆきましょう──なのですが、残念なことに今作、あえて特徴を挙げるとすれば特徴がないのが特徴、を地で行く凡作映画となっておりますので、良い点悪い点はどちらも「内容が平凡」に集約されてしまいます。

例えばストーリー。今作は「未知の島に不時着した旅客機の乗客たちが、巨大生物に襲われながらも脱出を目指す」という実にありがちな流れがメインストーリーです。ぶっちゃけ内容的にはこれ以上でもこれ以下でもなく、特に捻った展開もありません。マジで「島に不時着→でかいワニに襲われる→逃げる→でかい蜘蛛に襲われる→逃げる→ワニと再会、対決→倒して脱出。ちゃんちゃん」という感じで、印象に残るシーンも特にない分、特別展開が遅いとかダルいとか酷いとかいうこともないので、よくあるB級モンスターパニック映画だな、という感想に落ち着きます。

またモンスターについても、CG的なクオリティは結構高く、ワニも蜘蛛もわりかしぬるぬる動いてくれる上に迫力もまあまああるのですが、所詮はデカイだけのワニと蜘蛛なので造形的にはこれと言って特質することもなく、かつ彼ら同士がお互いに戦闘することも無いのでいまいち見せ場不足、という感じ。

キャラクターはキャラクターで、元軍人?で普通に強い主人公に、彼と不仲の娘さん、同乗していた娘の彼氏に、妊婦とその夫、自分のことだけ考えているクズ野郎と、他人の事より配信第一のネーちゃんなど、モンスター映画によくいるキャラは一通り揃っている印象。そして、主人公が不仲の娘とこの窮地を通して仲直りしたり、最初はいがみ合ってた主人公と娘の彼氏がお互い信頼できる関係を構築したり、夫が妊婦を守るために犠牲になったり、クズが自業自得で死んだりなど、これまたベタな絡みが展開されます。

このように、今作はストーリーもモンスターもキャラクターも全部が全部平凡で、とにかく意外性も特徴もない展開が終始続きます。しかしその分、立ち上がりもスピーディであまり無駄な展開もなく、映像的にも内容的にもモンスターパニックに欲しい要素があらかた揃っているので、最後まで安定感があります。この表裏一体な状態をどう見るかで、今作の評価は人によって多少変わってきそうです。

個人的には、後何か一つ、それこそ折角ワニと蜘蛛を出したんですから、その2者が同一画面上に並び立つ展開が欲しかったかな、と思います。現状だと、ワニはワニ、蜘蛛は蜘蛛、と変に切り分けがされてしまっているので、それこそタイトル通りに両者が戦うとか、もしくは共闘して人間を襲うとか、少なくとも蜘蛛に襲われているところにワニも来て大混乱になったりだとか。折角モンスターを2種類も出したのだから、モンスター同士の何らかの絡みも見たかったですね。まあ、技術的に難しかったのかもですが……。

というわけで総評ですが、致命的にダメな部分もなければ特質して褒める部分もないという、なんとも評価のしずらい映画でした。しかし、各要素大体が平均点以上の出来栄えではあるので、見ていて面白いは面白いです。たまにはベタなモンスターパニックも見たいなぁ……という方にどうぞ。

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