「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ハウスシャーク のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)
サメの進化が止まらない
 さて今作ですが、レンタル版を字幕で視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】
【あらすじ】
息子テオと二人暮らしの元警官フランク。ある夜、シッターのベッツィに家を預け帰宅した彼が見たのは、血の海となった自宅トイレの中に引きずり込まれていくベッツィの凄惨な最期だった。
家にサメらしき怪物がいると主張し、テオと庭でテント生活を始めたフランクだが、地元の悪徳不動産会社は勝手に家を売ろうと画策。内見に来たカップルもまた犠牲者となってしまう。
自分の家以外でも同様の事件が起きていることを知ったフランクは、怪物「ハウス・シャーク」の駆除専門家という人物を探し出す。
犠牲者は数を増していく中、ハウス・シャークとフランクたちとの奇想天外な戦いが幕を開ける!(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……C
サメの質………CE
キャラクター…C
設定……………E
総合……………C+
おすすめ度……C
【良い点】
・一切真面目方面に行かずに全編ふざけ倒す姿勢に好感が持てる
・水を一切使わず水中戦の描写を見事に表現できる演出力
【悪い点】
・全体的に冗長気味
 色んな意味で「とにかくひでぇ」映画です。あまりの酷さに失神寸前になりますが、その酷さがプラス方面にもきちんと働いているので、意外と最後まで楽しんで見られる映画に仕上がっていました。
【以下、ネタバレ注意!】
 家にサメってなんだよ(正論)
 さて今作ですが、家の中にサメが出てどえらいことになる映画です。「家の中にサメってどっから出てくるんだよw」と思いましたが、どこからでも出て来ました。
 では早速、詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。
 今作の良い点は、軸がブレずにちゃんと最後まで走り抜いてくれるという事です。
 どういうことかというとですね、今作は見ての通りぶっちゃけギャグ映画です。ただし今作は、生半可なギャグ映画ではありません生まれ持った生粋のギャグ映画です。
 便器からでも排水口からでも、家の中でならどこからでも容赦なく出て来るというサイズ設定ガン無視攻撃を連発してくるサメに対し、主人公は自称ハウスシャークの専門家とアル中のオッサンと共にチームを結成し、ハウスシャークの撃退にあたります。敵をおびき寄せるため、メスのサメの衣装を着て愛嬌をばらまく主人公たちでしたが、それにつられて現れたハウスシャークが懐から取り出したレーザー兵器を使用、主人公たちは窮地に陥ります。しかしここで、主人公はカマキリの動きを参考にしたカマキリ真拳を即興で完成させてハウスシャークに対抗する作戦を考案。どこにサメがいるのかも分からないのに、真拳取得のため筋トレに励む主人公たち。その後なんだかんだあって、サメの正体がプルトニウムを大量に取り込んだ怪物だったことが分かり、追いプルトニウムをサメに注入して核爆発を起こして倒そうと考える主人公。最後は、酒の飲みすぎで体液がウイスキーになったオッサンを銃で撃って爆発させ、見事にサメは撃退できました! オッサンも四肢が爆発四散して頭だけになっても生きてたし、あーめでたしめでたし!
 という映画です。うーんこの頭の悪さ。
 とまあ、とりあえずこの映画のあらすじが意味不明でアホ極まりないことは分かってもらえると思うのですが、ここで重要なのはあらすじの内容がいかに馬鹿馬鹿しいかではなく、変に真面目な方向に走ったりせず、最後までこの馬鹿馬鹿しくて頭を抱えるような方向性を崩さなかったことです。
 本作には上記であげたあらすじ以外にも、数多くの小ネタという名の悪ふざけ描写が蔓延しています。遠隔首絞め攻撃を使うダース・ベイダーみたいなオッサンは出て来ますし、肝心のサメは手作り感満載のまさに「学芸会レベル」の出来栄えですし、挙げ句の果てには画面上を青く加工して泡のエフェクトを貼り付けただけで、水を一切使っていないのに「うん、これは水中戦!」と言い張る始末。いい年した大人たちが、何でもない屋内を水があるみたいに振る舞い、地面に足つけながら泳ぐ真似してるのは草が生える。
 ギャグで行くと決めたらその姿勢を崩さず突っ走る。そのおかげで、今作はこんなくだらない内容満載で1時間50分もあるくせに、わりと難なく完走することが可能です。もちろん、ネタの好みが合う合わないで評価は大分変わると思いますが、刺さる人にはある程度刺さる映画には仕上がっ
ていました。ツッコミどころやガバガバすぎる部分は多々あり、特にサメ関連の出来に関しては言いたいことが山ほどありますが、その辺を全部ギャグで片付けてしまう手腕はなかなかのものなのではないでしょうか。この姿勢を最初から最後まで貫く姿勢こそが、今作の褒めるべき部分です。
 反面悪い点としては、ぶっちゃけどうあがいても全編にかけて冗長気味という弱点も挙げられます。前半は特にその傾向が強く、サメの本格的な登場も遅ければ話自体も大して進まず、面白いと思うネタもある反面、話が間延びしすぎ&ネタを引っ張りすぎて「は?」となる部分ももちろんあるわけでして……。
 まあ総じて、1時間50分ずっと楽しめるという映画では決してない、というのは断っておく必要があるとは思います。でもまあ、それを除けばそのほかの要素はそこまで気になりませんでした。後はこの酷い出来栄えの手作りシャークくんを受け入れられるかどうかですね。サメ単体のお粗末具合で言えば、ぶっちゃけフランケンジョーズといい勝負だと思います。あっちはCG、こっちは手作りなので方向性は真逆ですが……。
 と言うわけで総評。ぶっちゃけ、刺されば結構面白いギャグ映画、という印象です。ぶっちゃけストーリーとかあってないようなもんなので、このくだらない展開や演出を受け入れられるかどうかで評価が決まると言っても過言ではないと思います。こればっかりは見て見ないと何とも言えないのですが、くだらない系のサメ映画も好きな人は結構好きなんじゃないですかね!
 決して退屈なだけのクソ映画ではないので、気になった方は是非チャレンジしてみよう!
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