「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ファミリー☆ウォーズ のレビューです(総合評価B−)

(画像:Amazon商品ページより引用)
 シナリオがガンギマリすぎている。
 さて今作ですが、レンタル版を視聴しました。まずはamazonからあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】

【あらすじ】
“誰の目にも幸せそうな、祖父、父親、母親、長女、次女、長男、次男の7人家族の福島家。ある日、認知症の祖父が運転する車が子供を誤って轢いてしまい、その死体を家に持ち込んだ事から福島家の崩壊の序曲がスタート! 周りの関係ない善意の人々も巻き込み、福島家の無慈悲に繰り広げられる殺戮劇! 祖父に餅を喰わせる、食わせ者は一体誰だ! ?
POINT1夏のホラー秘宝まつり2018上映作品!
POINT2ゆうばりファンタスティック映画祭、カナザワ映画祭、MOOSIC LAB、ブチョン・ファンタスティック映画祭、学生残酷映画祭などでグランプリ等を獲得し、自主映画界を制覇する暴力映画の新星・阪元裕吾監督、初の商業映画! !
POINT3認知症のおじいちゃんが子どもを轢き殺し、家族がおじいちゃんを餅食わせて殺そうとするというストーリー、ビジュアルに、不謹慎だとSNSで大論争を巻き起こした超問題作!
POINT4阪元裕吾監督・ホラー秘宝作品『ハングマンズ・ノット』と同時発売! !(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……C
キャラクター…B
設定……………B
総合……………B−
オススメ度……C
【良い点】
・ぶっとんだキャラ設定
・意外に丁寧な展開
【悪い点】
・色々とお粗末
もはやあらすじとパケ絵の時点で落ちてると言っても過言ではない作品。かと思っていたら、意外と丁寧な作りで楽しめました。全編悪ふざけとブラックユーモアと安い演出がメガ盛りマックスなので人はかなり選びますが、刺さる人にはぶっ刺さると思います。私は刺さりました。
【以下、ネタバレ注意!】
 うちの認知症のジジイが近所のガキ轢き殺してしもた……せや! ガキは埋めてジジイも餅食わせて殺したろ! の精神。日本の宝にしたい。
 さて今作ですが、そんなこんなでジジイに餅食わせて殺そうとするもジジイはピンピンしているし、いつの間にやら家族間には積もりに積もったお互いへの不満が広がり、かつそれぞれ家の内外に殺したい相手が出てきて、その人たちも巻き込んだ大殺人ショーに発展する、という非常に頭わるわるな作品となっています。こういうのすこなんだ。
 では早速、詳細な内容を見て行きましょう。まずは良い点から。
 今作の良い点は、意外と殺戮にいたるまでの前振りが丁寧なことと、キャラが頭おかしいやつしかいないということです。
 今作はインパクトのあるパッケージとあらすじについ惹かれてしまい、餅食わされる側のジジイばかりに目がいってしまいますが、実はジジイ以外のキャラクターたちも相当なキチガイ揃い。そりゃあ、家のジジイに餅食わせて殺そうとする連中だから頭のネジが飛んでるのは当たり前だろうと思われるかとは思いますが、それだけでは済まないのがこの映画の良いところ。
 父親は「家族のためや」と言いつつ、率先して職場の重機使って死体を埋めたり、その次の瞬間には何事もなかったかのようにケロっとした顔で食卓について家族団欒を強制するサイコ野郎、妻は介護疲れと夫への不満から新興宗教にハマって家に麻原◯晃を連れ込んで除霊を頼み、長女は売れない地下アイドル、次女は友達に好きな人寝取られてクスリに走る病み病み病みーで、長男はより気持ちいいオナニーを追求することしか頭になく、次男はセフレが孕んだことを知った瞬間腹を蹴る人間の屑である等々、まあ見て貰えば分かるように一家にはまともな人間の方が少ないです。割と無害なのは地下アイドルやってる長女とオナニー狂の長男くらいのもんですが、長男は長男で家族が大変なことになってるのに頭の中はオナニーでいっぱいとやっぱ頭おかしいので、まあ比較的まともなのは長女くらいだな! なお、長女は片腕が吹き飛ぶ模様。
 また、殺し合いに巻き込まれる一家以外の人間も、DQNグループ、常に猟銃持ち歩くお隣さん、友達の好きな人寝取っておきながら、そのラブラブっぷりをわざわざ見せつけにくるおつむ空っぽJKに、どう見ても麻◯彰晃な新興宗教信者御一行様など、やっぱり頭おかしいやつしかいないんで、こいつら巻き込んでの殺し合いへの発展は、素直に見ていて楽しいこいつらの中だと麻原御一行が割とまともに見えるという事実
 と、いう感じで、前半こそボケたジジイに対する不満を本人にぶつける一同でしたが、後半に差し掛かってくると各々が抱える不満が次々と爆発して行き、それが内外巻き込んだ大殺戮に発展する、という流れは意外と丁寧で良かったと思います。きっかけはもちろん認知症ジジイが人を轢き殺し、その死体を親父が埋めたことによる非日常への突入でしたが、そもそも上を見れば分かるように家族間の関係は割と危ないバランスの上に成り立っており、それが今回の件を発端に一気に爆発、崩壊した、という流れが良かったですね。
 反面悪い点としては、後半の殺戮ショーは少々間延びしていることが引っかかるポイントではありましたが……ぶっちゃけいいんじゃないですかね、細かいことは、この映画の前では。前半認知症のブラックジョーク、後半殺戮ショー楽しむ。これができれば問題ないかと。
 というわけで総評ですが、まあ、一言でまとめると頭わるわるな映画です。全体的に安めな作りをしていることは否めませんが、あらすじに書かれているような一発ネタだけで終わらない、終わらせないという工夫自体は結構感じる作品なので、見ていて楽しかったです。ご家族で団欒しながら、お食事中に楽しく拝見されてはいかがでしょうか!
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