「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

リーサル・ゲーム のレビューです(総合評価C)

こちら、Netflixで配信されているインドネシア映画です。確か私が見たときはリーサルゲームってタイトルじゃなくて、ターゲット(TARGET?)って原題しかなかったと思うんですが……気のせいかも。そして、予告はあったんですけど、画像が見つかりませんでした……。
 さて、字幕しかなかったのでそれで見ました。まずはNetflixからあらすじ&予告編(日本語ありません)をどうぞ
【予告編】
【あらすじ】
無人のビルに閉じ込められた9人の男女を襲う死のゲーム。全ての行動は記録され、生きてビルを出られるのは1人のみ。この狂気から生還できるのは、一体誰なのか?(あらすじ:Netflixより引用)
ストーリー……C
キャラクター…C
設定……………C 
総合……………C
おすすめ度……C
【良い点】
・ラストの展開は意外性もあってグッド
 
【悪い点】
・ギャグシーンのセンスがイマイチついて行けない
・デスシーンがチープ
 インドネシア産のデスゲーム系映画です。デスゲームと言いつつ内容的にはかなりコメディ寄りで、デスシーンもチープなものが多いですが、ラストの展開などは割と計算されていて好印象。内容自体がどうこうというより、ギャグのセンスについて行けなかった感が強い作品だったので、刺さる人には刺さるんじゃないでしょうか。
【以下、ネタバレ注意!】
 インドネシアの映画ってほとんど見たことがないので、この映画の内容について行けないのが文化的な違いなのかはたまた自分のセンスがないからなのか、その辺が最後まで疑問として残ってしまいました。インドネシア事情に自信ニキの登場が待たれる。
 さて今作ですが、集められたメンバーが殺し合いのデスゲームを強要される、という、まああらすじだけ聞くとよくあるデスゲーム系映画です。他作との差別点としては、今作はデスゲーム系映画にも関わらずかなりコメディ寄りに調整されている、ということでしょうか。
 では早速、今作の詳細な評価に入っていきましょう。まずは悪い点からいきます。
 今作の悪い点は、ギャグのセンスに所々ついて行けない部分があることと、デスシーンがチープなことです。というか、この2つは合わせて1つみたいな側面があるので、まとめていきます。
 今作は先にお話ししたとおり、集められたメンバーでデスゲームを行うという内容の映画なのですが、その描写の仕方は非常にコミカル。不正解なら即死のクイズに挑戦させられてもふざけた解答をして死ぬわ、目の前で人が死んでもまるで動じずにふざけちぎるわ、参加者同士の銃撃戦の最中にお互いちょこちょこふざけ合うわで、この手の映画には珍しく緊張感は皆無です。間違えたら死ぬっつってんのに、『すべすべの皮を持つ果物は?』とのクイズに「ローションを塗ったパパの肌!」という回答をぶん投げるガイジが参加してるようなゲームですからね、そりゃ緊張感なんてない。
 また今作は設定上、「集められたメンバーたちのデスゲームを撮影しており、それを編集して映画にする」ということがゲーム開始時点で明言されるのですが、まあ普通なら人が1人死んだ時点で撮られてることなんて忘れて生き残るのに必死になりますよ。ところが今作の登場人物たちは、目の前で人が死んでるのに撮影されてること優先で自己アピール始めるような輩ですからね。この点からも、今作がまともなデスゲーム映画ではないということが分かると思います。
 ここまででお分かりかもしれませんが、今作はデスゲームの内容自体にあまり重きが置かれていません。そのため、ゲーム自体はかなりシンプル、かつチープなものが多いのは注意点です。最初のゲームは、超簡単に説明すると参加者同士のロシアンルーレットですし、続くゲームも意味不明クイズ大会に、銃を支給しての銃撃戦と、内容自体に特にひねった要素もなければひねった展開もありません。この辺りは、デスゲームを期待して見るとがっかりするかもしれません。
 また、どいつもこいつも人が死ぬゲームに参加させられてるくせに緊張感皆無で、目の前で人が死んでるのにも関わらず映画的自己アピールを優先し、次のシーンでは何事もなかったかのようにケロッとしてるような奴らが揃っているので、この辺に違和感を覚えて話が入ってこないという弊害も起こりかねません。プラスで、ゲーム進行しててもコメディ展開というか、ふざけた展開が常に差し込まれるため、「お前らデスゲームやってる自覚あんのかよ?」という単純な疑問符が視聴の邪魔をすることもあるかと思います。私はこのどちらの弊害も起こりました。
 この辺りはセンスの違いというか、感覚的違いが大きいのかもしれませんが、これをすんなりと受け入れられないと快適な視聴は難しいでしょう。
 さて、ここまでは悪い点と言いつつ、ほぼセンスの違いに関する言及になりましたが、ではここからは良い点を。
 今作の良い点は、ラストに加えられた捻りのある展開です。
 悪い点でも述べて来たとおり、今作はこんな感じの内容なので、あんまり真面目な要素は途中から期待せずに見ていたのですが、ラストシーンの展開だけはなるほど、と頷かさせられました。生き残ったゲームの参加者の中に実は黒幕がいて、それに気が付いた時にはそいつは海外逃亡していたという、ここだけ切り取ると実によくある展開なのですが、こと今作においては全編に散りばめられたおふざけ要素がうまいこと隠れ蓑となって視聴者の目を背けており、この展開の意外性を引き立てています
 これが普通の映画なら、意外なオチの1つでも用意されていそうだな、と視聴者に勘ぐられ、結果このゲームを仕掛けた黒幕は誰なのか、というところまで思考が回り、下手すれば伏線として用意した黒幕の怪しい行動に気が付かれてオチがバレてしまいそうなものですが、今作は作中ずっとガンガンふざけ倒してくるため、多少のガバや怪しい行動が目に留まりません
 また、まさか最後にちゃんとしたオチを用意してくれているとは思いもせず、ラストシーンで黒幕が参加者の中にいたという普通のデスゲーム映画みたいなことされた時には感動すらしました。まあ、動機とか確信に至る部分とかは完全に後付けでしたが、ちゃんと序盤から黒幕は怪しい行動を取っていたので、オチとしてちゃんと納得させられたのが良かったです。
 というわけで総評なんですが、まあ結論から言うと如何とも評価し難い、というのがアンサーです。面白かったかと言われると、センスについて行けなかった部分が大半なので個人的にはあんまり面白くはなかったんですが、じゃあ全然ダメだったかというとそうとも言えず……という感じ。
 今回悪い部分として挙げた所も、気にならない方は気にならないでしょうし、そうなってくると逆にお気軽に見られるデスゲーム映画としてありなのかな、とも思います。あとは見る人の感性次第、といったところでしょうか。今作のセンスが、あなたに刺さることを期待します。
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