「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

クリスティ のレビューです(総合評価C+)

(画像:Amazon商品ページより引用)

 主演の人が可愛い(高評価)

 さて今作ですが、ネトフリで吹き替えを視聴しました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。

【予告編】

【あらすじ】

“感謝祭シーズン。友人たちが続々と実家へ帰省する中、帰るお金がなく大学の学生寮に残ると決めたジャスティン。
彼氏のアーロンも帰省し、一緒に過ごすはずだったルームメイトも急用で実家に帰ってしまったため、
彼女は寮内にたった1人で生活することに。
ある日、夜中にスーパーへ向かうと、気味の悪い女と出会う。
女はジャスティンの後をつけ、何故か『クリスティを見つけた』、とつぶやく。
恐怖を感じ警備員に伝え、寮に戻ったジャスティン。しかし彼に電話をかけようとすると電波が妨害され、
『クリスティを狩れ』とメッセージが聞こえる。
女は仲間を連れ、警備員を殺し、既に学生寮に侵入してきていた――。
彼らは一体何者で、クリスティとは誰なのか。正体不明の殺人グループが襲い掛かるサスペンス・スリラー。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)

ストーリー……C
キャラクター…B
設定……………C 

総合……………C+
おすすめ度……C

 

【良い点】

・序盤の展開は完璧

・全体的に退屈せず見られる

 

【悪い点】

・盛り上がりが弱い

 寮に1人で残った女子大生が、謎の殺人集団に目をつけられる話です。本題の導入までにかかる序盤の展開は完璧に近く、なかなか期待を高められましたが、それ以降は少し控えめ。シナリオ上もう少し捻りが欲しかったです。

【以下、ネタバレ注意!】

 総合評価をB−にするかC+にするか、悩みに悩んだ映画です。

 さて、それでは早速詳細な内容を見ていきましょう。まずは良い点から。

 今作の良い点は、序盤の導入部分の出来が完璧なこと、そして全体的に退屈せず最後までちゃんと見られることです。

 あらすじにもある通り、今作は寮に残った女子大生が殺人カルト集団につけ狙われる、というのがメインシナリオなのですが、ここに至るまでの導入部分の出来はほとんど完璧と言っても差し支えない出来でした。

 なぜ寮に主人公しかいないのか、という理由をちゃんと説明しつつ、カットを多用して主人公の日常生活と彼女の友人関係をざっくりと見せ、ヒロインがどんな人物なのか、周りの環境はどんな状態なのかを、短い時間を使ってよく表現できており、見ている側としてはすんなりとその世界観に入ることが出来ます。また、彼女が1人になってからも、広い寮に一人だけという自由を満喫しながらも、やはり自分だけが世界から取り残されたかのような孤独感や寂しさを、音楽に乗せてしっかりと表現してくれています。
導入部ついては、友人との会話や日常描写を無駄にダラダラダラダラと垂れ流し、序盤からテンポを損ねて失敗してしまう作品が非常に多いところですが、この作品については非常に簡潔、かつ丁寧にポイントを押さえた導入部となっており、控えめに言っても実に素晴らしい導入パートとなっていました。他の作品も見習って♡

 また、その後に入る不審者との出会いや、大学内にカルト教団が押し入ってくる前の不穏なパートについても無駄なく描写されており、総じて導入部の出来は完璧に近いと言って差し支えないと思いました。立ち上がりについては実に好調で、期待が高まるスタートとなっています。

 そしてそこから話は展開し、カルト集団が寮内になだれ込み、残っていた警備員は殺され、ヒロインは理由もわからないまま謎の集団に追い回されることとなりますが、本題に入って以降の展開も飽きずに見ることが出来ます。いきなり命を狙われることになる彼女ですが、追い込まれても冷静さを失うことなく、わざと音を鳴らして相手を誘導したり、図書館の屋上から飛び降りて追跡を逃れたり、後半にはこちらから奇襲を仕掛けて相手の集団を抹殺して行ったりと見所さんも多いです。プールサイドで相手の背後から忍び寄り、首筋に車のキーをぶっ刺しつつそのまま水中に引きずり込んで大量出血を狙うコンボ技などは、完全にアサシンの血を引いていますねこれは……。最終的には逃げることが目的ではなく、敵の集団を全滅させることに目的がシフトしていくので、見ていて楽しめました。狩られる側だったはずの主人公がいつの間にか狩る側へとシフトしていくので実質プレデター。

 では、続いては悪い点を。今作の悪い点は、いまひとつ盛り上がりに欠けることです。

 良質な立ち上がりに流れるような展開、そして途中からの目的のシフトにより、一粒で2度美味しい的な内容なので飽きずに見られると評価した今作ですが、残念なことに盛り上がりが薄くパンチ力に欠けるのは大きな問題。導入部を終え、寮内で本格的な鬼ごっこが始まったあたりからなのですが、どうにも題材の割に主人公が冷静すぎる気がして、いまいち緊迫感が足りないのです。まあ、緊急時にもちゃんと頭が回る女性だと言えばそうなのですが……。

 ただ、ヒロインが割と冷静なだけなら良いんですけど、ここに合わさってくるのが、敵がものすごい舐めプ気味でヒロインを追ってくる問題です。クリスティことヒロインを殺すのがカルト集団の目的なはずなのですが、こいつらがもうびっくりするほど舐めた態度で挑んでくるんですよ。普通に全員でヒロインを追い回し、とっとと捕まえれば良いものを、ワザとゆっくり歩いてみたりだとか、逃げるヒロインをあえて見送ってみたりだとか、ぶっちゃけこういうのされると萎えるんだよね、というポイントをこれまた的確に突いてくるんですよ今作は。まあ、最初の方は半分狩り目的もあるかもしれないから百歩譲って良いとしても、目の前で仲間殺されてからくらいは本気出して欲しい。

 また、ヒロインが殺意の波動に目覚めて一転攻勢してからの展開についても、ヒロインの覚悟完了が早いため今ひとつ。ヒロインはここから3人を手にかける事になるのですが、こいつら全員が全員、めっちゃ油断してるところをヒロインから奇襲を食らってお陀仏する、という殺人者にとってはクソダサいワンパな死に方しかしなかったのも盛り下がる原因でしょうか。最後の首謀者との対決についても、奇襲かけた時点でほぼ終わってたし。

 なんでしょう、導入部分が簡潔なのは実に素晴らしいのですが、その影響を受けてなのか、本編部分まで全体的に簡潔すぎる気がしますね。本題入ってすぐとかは、もっと狩られる側としての恐怖感を煽る演出が欲しいですし、敵についても舐めプをする特別な目的がないのなら、もうちょっと本気で仕事に取りかかって欲しいところです。殺しを楽しむ目的だとしても舐めプが過ぎるし、ダラダラ動きすぎだぞ。また、リーダーとの最終対決くらいもっと引っ張って欲しかったですね。車内で仲間が帰ってくるのをダラダラしながら待ってたところに、ヒロインに後ろから薬剤ぶっかけられて火付けられるとか間抜けすぎて笑っちゃう。やる気あんの君?

 というわけで総評ですが、全体的に悪くはないんですけど、これまた全体的に緊迫感不足が目立つ、そんな作品でした。何よりも敵がね、間抜けすぎる。まあ、このアホなリーダーにしてこの部下あり、という感じではあります。
また、終始飽きずには見られるんですけど、シナリオ的にも目新しさや驚きがあんまりない、というのも残念ポイント。敵が若い女性ばかりを狙う目的不明の謎集団だったため、何か殺し以上の大きな目的があると勘ぐり、相手の舐めプが酷すぎて、一瞬「もしかしてワザとヒロインに殺されることでヒロインを殺意の波動に目覚めさせ、彼女の内に眠る悪魔を召喚するとかそっち系の目的があるのでは!?」とかまで思っちゃったんですが、結局本当にただ殺ししたいだけメンだったので拍子抜けしました。
 だったら舐めプするな、その上全滅させられるとかクソダサいぞ。

 とはいえ、見所さん自体は割と豊富だったので、暇つぶしにはちょうど良いかもしれません。あとヒロインがセクシー、エロいッ!

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