「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ZOMBEE ゾンビー ~最凶ゾンビ蜂 襲来~ のレビューです(総合評価E+)

レンタル版を吹き替えで見ました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ。
【予告編】

【あらすじ】
刺されたらゾンビ化する殺人蜂の恐怖を描くモンスター・パニックホラー。ロサンゼルスを災いが襲い、街は無法地帯と化した。恐怖に怯えながら、世界の終末から逃れようとする人々。やがて、世界の至るところで蜂が異常発生していることが分かり…。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
ストーリー……E
キャラクター…D
ゾンビーの質…D
設定……………E
総合……………E+
おすすめ度……E

【良い点】
・ないです
【悪い点】
・前振りが絶望的に下手
・ことごとくスベる演出
・ゾンビ戦描写がワンパターン
・(悪い意味で)予測不可能な展開
・お粗末なCG
・突然始まるが全く重要ではない信仰心バトル
・なんのひねりもない上伏線回収ド下手なストーリー展開
 こんなもん見なくていいから(良心)
【以下、ネタバレ注意!】
 ゾンビーバー2回見たほうがマシ
 さて今作ですが、蜂がモチーフのゾンビ映画です、その名もZOMBEE. パッケージ裏面にゾンビーバーがどうとか書いてあった&ゾンビーバーのラストがまさにゾンビーだったので、「おっ、ついに続編か!?」と期待して借りた結果がこれだよ。事前調査は、怠らないようにしようね!
 では早速、今作の詳細な内容を見ていきましょう……なのですが、見ての通り今作はあんまりにもあんまりな出来栄えの、生まれながらにして生粋のクソ映画でございますので、良い点などない。ないのだ。
 というわけで酷評タイムです。今作の悪い点は、もう挙げ出せばきりがないんですけど、大きく分けるとしたらストーリーの雑さとCGの残念さとムカつくキャラと破綻した設定です。要するに全部だよ全部
 まずこの映画、いきなりジャングル内部を探検隊が行進しながら「女王蜂って人間の形してるらしいよ」というものすごく唐突かつ露骨過ぎる伏線張りがぶち込まれるところから本編がスタートするわけですが、まあこの時点で半分以上の人は気が付くわけです。「さてはお前、前振り下手だな?」
 そしてその後は、CG感満載の世界終末映像が流れたり、天変地異的な事態が発生しているらしいことが報告されますが、原因不明なまま話が進行してそのまま映画が終わるので、まあ無視しておいて問題はありません。そもそも今作のメインであるゾンビ蜂についてもそうなんですが、今作で起きている事象は宗教的なものなのか人為的なものなのか、はたまた自然的なものなのか、そこら重要設定に関する考察や言及については完全に無視して話が進むので、私も無視したいと思います。
 その後は、聖書の一文を引用してみたり、登場人物が荒野を歩く映像に音楽を合わせてみたりなど、名作っぽい雰囲気を出そうとして完全に滑ってるクソ映画にありがちなミスをいくつも犯していただけるため、これがまあ「今作ダメそう」という感情を高らかに揺さぶってきます。全体的な画質をなんかやたらと古い感じに仕上げていることや、蜂のCGが、素人が動画編集ソフトで合成したみたいな出来栄えになっちゃっていることも、これに拍車をかけてきますね。
 そこからは、地震で断裂した地面に車が乗り上げて落下しそうになるので、そこから1人ずつ脱出するというクソ面白くも緊張感もない展開を無駄に長いこと続けるという、これまたクソ映画にありがちな時間配分ミスを堂々と垂れ流す今作。これはもはや、自らクソ映画になりに行こうとしているのではないか、と言いたくなるような隙のない導入シーン。
 もうぶっちゃけこの時点で、「前振りがヘタ」「導入がつまらない」「演出が滑っている」「CGレベルが低い」とこれだけのイメージが最低限ついてしまうわけです。もうこの時点で巻き返しはすでに不可能に近いレベルまで来ており、視聴前にあった期待値はマイナス方面に走り始めてしまっている。こうなってしまうと、ここからかなり頑張って盛り上げていって欲しいところなんですが、今作にそれをする力はありません。結論から言えば、ここからはずるずると悪い部分を伸ばしていくだけでした。
 そこからなんやかんやあって、舞台はある民家へ。ここから始まるのは、「昔警官に弟殺された」だの「母親の死を目の当たりにした」だの「目の前で撃たれて仲間が死んだ」だの、本編と無関係な至極どうでもいい昔話不幸自慢大会。それとほぼ同時に始まる、これまた究極に関心を持てない「神への信仰心がうんたらかんたら」という登場人物同士の熱い信仰心バトル。なんでもいいから早くストーリー進めてくれや……と思いながら見ていると、それまで全然話進める気なかったのに突如迎える急展開。実はその家に住む幼女曰く「外で蜂に会ったけど襲われなかった」とのことなのでした。
 突然のキーマン登場に、自然と前傾姿勢になる視聴態度。話が進展しそうな予感にほんの少しだけ高まる期待。しかしそれをあざ笑うかのごとく、普通のゾンビ映画ならば確実に重要になるであろうこの意味深なキーマン幼女の感染対抗能力が活かされることはありませんでした。突然始まる信仰レスバトルと信心深い幼女が蜂に刺されなかったことを勘案するに、「もしかして信仰心が深ければ刺されない的な設定なのか?」とも思いましたが、その直後に1番信心深かったおっさんが普通に蜂に刺されて死んだりと、設定面ももはや滅茶苦茶
 じゃあ一体何のために信仰心自慢大会やったんだよ。
 また、ここに至るまでにキャラクターの好感度も爆下げしてくるのが本作の特徴。特に酷いのが主人公ヅラした保安官女で、こいつは非常時とはいえ勝手に民家に不法侵入かました挙句、そこの住民に出て行けと言われたら縛り上げた上居座るというコンボをかます一方、過去に無抵抗の容疑者を射殺したことがあるという退職待った無しレベルの不祥事を暴露される、という酷い始末。
 しかも、ここまでの展開のうちにゾンビとの遭遇が計3回ほどあったのですが、そのどれもこれもが「①襲われる→②揉み合い→③別の人がヘッドショット→④終了」という型枠から見事に外れていないというのも地味にポイントが高い。蜂のCGも雑ならゾンビ戦もワンパターンという、戦闘面のクオリティも見事に隙がありません。
 まあ、この後もキャラ同士が言い争いしてる最中、幼女が一方を突然射殺する様を見せつけられて唖然とさせられたり、最後はみんなで輪になって天の神様にお祈りを捧げると、祈りが通じたのか蜂がいなくなったりなど、もはや完全に置いてけぼりを食らう展開が何度かあったわけですが……でも、そんなことは些細な問題だと思わせてくるのが、この映画のラストシーン。
 簡潔に、かつ起きた事象をそのままにお伝えいたしますと、 それまでいなかった蜂たちが突然群がって来たと思ったら、冒頭の「女王蜂は人間の姿をしてるらしいよ」というクソ下手前振り台詞がフラッシュバックし、その直後刺されてもいない女キャラがモンスター化するドアップ映像が約1秒だけ映って画面暗転
そして5ヶ月後、世界はゾンビだらけになってしまったのだった!
  ー          終          劇          ー
 は?
総評ですが、ゴミでしょう。ストーリーダメ、キャラダメ、CGダメ、ゾンビダメ、設定ダメ。よくもまあこんなゴミみたいな作品を世に送り出せたもんだと感心するレベル。何がしたいのか分からないし、何が言いたいのか分からない。そもそもどの方向に話を持って行きたいのかも分からない。ところが、信仰心がキーなのだろうか、と理解しようと歩み寄ろうとすれば、突然突き放したまま終劇を迎える。これは一体何なのでしょう。
 駄作、クソ映画、燃えるゴミ、フリスビー、懲役82分など、お好きな呼び方で良いのではないでしょうか。
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