「どんな映画にも、きっと良い点がある」をモットーとして、主にB級映画のレビューや紹介、おすすめ等を淡々と書いてゆくブログです。

ラスト4 のレビューです(総合評価C+)

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ネトフリで字幕で見ました。まずはAmazon先生のあらすじ&予告編からどうぞ
 
【予告編】
 
【あらすじ】
化学施設が爆発し、致死量以上の毒素が放出された死の町。毒素によって町の住人は恐るべき突然変異を起こしてしまった。軍隊は、生存者を助ける間もなく町自体を隔離した。孤立したこの危険地帯で生き残った4人が、生血を求め襲いかかるゾンビを回避しながら、自由の身を取り戻そうと、仲間と共に挑む。(あらすじ:Amazon商品ページより引用)
 
ストーリー……C
ゾンビの質……C
キャラクター…C
設定……………C 
総合評価………C+
オススメ度……C
 
【良い点】
・全体的なまとまりが良い
・あらゆる面において標準クオリティ保証
 
【悪い点】
・まとまりすぎてて物足りない
 
 悪くはない。マジで悪くはないんですが、なんとも物足りない……そんな映画の典型みたいな作品です。全体的には良くまとまっており、標準レベルでバランスも取れていていい感じなんですが、粗が気になる部分は多々ある、そんな作品でした。
 
 
 
 
 
 
【以下、ネタバレ注意!】
 
 
 
 
 
 導入、および前半部分の出来はほぼ文句なし。中盤以降の展開は、好みが分かれるでしょうな……そんな作品でした。詳しくは以下にて。
 
 
 それでは、まずは良い点からいきましょう。今作の良い点は、全体的なクオリティは標準以上を確保できているということです。
 
 なんでもない日常が、突然恐怖に染まる……町中が謎のパニックに包まれ、その騒動の中で妻を亡くした主人公が近隣の農場に立て篭もるところからスタートする今作。そこで初のゾンビとの遭遇を果たし、舞台は生存者3人が待つ倉庫へ。物語のメインとなるのは、そこでの出会いと籠城生活です。とまあ、ストーリーの内容的にはわりとよくある感じのゾンビ映画ですが、全体的に見れば各種要素のクオリティは標準以上の出来で纏まっている、というのは嬉しいポイント。
 
 例えば、キャラクターについては登場人物が4人しかいないわけですが、特段うざい奴もいなければストーリー上いらない奴もいない。何より、4人という人数が多すぎず少なすぎずで籠城に適した絶妙な配分。また、キャラクター同士を積極的に絡ませ、妻を亡くして意気消沈した主人公が生き残る目的を見つけて成長する様も描こうとする意欲。このあたりの取り組みにより、中盤以降のゾンビが出てこない間もそこまで退屈はせずに見ていられます。これがストーリー的にも飽きさせない工夫として効いている。ゾンビの出番自体はそこまで多くない一方、こうした人間関係描写のイベントを盛り込むことで話が停滞しないようにする工夫は感じられます。
 
 加えてゾンビについては、まず初遭遇シーンの迫力を褒めたいところ。今作のゾンビは基本走る系なのですが、主人公が農場倉庫?で単身初めてゾンビと遭遇したシーンの迫力と緊迫感はなかなか見事の一言。主人公めがけて全力疾走をかまして来るゾンビ相手に、倉庫内を逃げ惑いながらの接戦は見ていてハラハラします。スタートダッシュの切り方としては限りなく正解だったと言っても過言ではないでしょう。それ以降も、ゾンビとの遭遇シーンは一回一回が結構重めに描かれているため戦闘に移行する際の迫力はなかなか。
 
 また、キャラクターたちがゾンビを一方的に視認した際の、ゾンビがただ突っ立っているだけの絵柄も後半は多くなりますが、これがまたなかなかに不気味でグッド。ちょっと目を離した隙に、さっきまで立っていたゾンビが消える。この演出は古典的ながら、なかなか悪くありません。今作のゾンビが全力疾走系ということも相まって、「いったいどこに消えた?」というドキドキ感を出そうとする意図は十分に伝わってきます。まあ、厳密には今作のゾンビはゾンビじゃないんですが……。
 
 という感じでまあ、ストーリー、キャラクター、ゾンビ、そのどれもが概ね標準レベルをしっかりクリアしているため、全体で見たときに纏まりやバランスが実に良い。標準クラスを割っている部分もないので、安心して見られるのは素直に良いですね。設定的にも、ちゃんと原因を示してくれているのは嬉しいですね。
 
 
 では、以上良い点でした。続きましては、ダメだと思った点を。今作の悪い点は、まとまりは良いものの全体的に実に物足りないことです。
 
 概ね標準レベルをクリアしている今作ですが、そうであるがゆえに物足りない部分や粗が目についてしまうのは悲しい定め。例えばゾンビについては、初回登場時のインパクトはなかなかのものでしたが、二回目以降の登場については結構マンネリ気味。登場自体が少ないためか、ゾンビとの一回一回の遭遇自体は毎回重めに描いてくれているのですが、戦闘になるのは常にvs1体とだけで複数体を相手にした立ち回りシーンがないため、展開がワンパターン気味になってしまっています。また、外に闊歩しているゾンビとの戦いだけではなく、仲間がゾンビになってしまったりなどの変化球を投げてくることもないので、ゾンビに関して言えばかなりストレート勝負な印象を受けます。まあ、途中意識が半分残ってるババアゾンビとの遭遇という変化球はありましたが、逆に言うとそのくらいだったかな。
 
 また演出についても、例えばゾンビだらけの中を進む主人公を援護しようと屋上からライフルで援護するシーンがあるのですが、1つ工夫すれば盛り上がりそうなこのシーンも、「棒立ち状態のゾンビを1体ずつヘッドショットで片付けていくだけ」という、なんとも非常に地味な絵面だけで終わってしまっています。さらに、オープニングの時から引っ張りに引っ張った、「ドアの向こうにゾンビがいて出られない、閉じ込められた!」というシーンも、いざそのシーンを迎えてみれば、ドア開けて普通にヘッドショット決めて終わりという、これ引っ張る必要あった?
という出来栄えになってしまっているのも残念ポイント
 
さらに、ステージ移動や人間関係描写など、イベントごと自体はそこそこある一方で、内容的には終始立てこもっているだけ&ゾンビに取り囲まれている感や複数体との戦闘になることもないため緊迫感が不足気味で、最後に救助が現れた時もいまいち感動が薄い、という若干のガッカリ仕様。序盤のゾンビ初登場時の緊迫感と盛り上がりはかなり良かったんですが、その波が続かなかった、という感じでしょうか。
 
 
 
 総評ですが、全体的に均整は取れており、バランス的にもよく仕上がっているものの、それゆえに平凡な部分が強く目についてしまいなんとも物足りない映画だったか、と思います。とにかく展開が地味なので、一回退屈を感じてしまうと最後まで挽回は難しいでしょう。こういうのも好き、という方には刺さるかもしれませんが、個人的にはもっと起伏が欲しかったですね。
 
 では、今回は以上です。お疲れ様でした。
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